本当は違うことを書こうと思っていた
俄かには信じ難い出来事に感情がついていかず、とは言え少しずつ言葉が出てくるのだから、ファンに寄り添うことはできないのだろうと自分の無力さを悔やむ。心酔していればいるほど、きっと言葉なんて出てこない。好きだと知っている友人や知人を想うと胸が苦しくなる。
一度だけお姿を拝見したことがあった。映画『アイネクライネナハトムジーク』の舞台挨拶。はにかむ好青年のキラキラした眩しさが記憶に新しい。
映画やドラマ、最近では歌番組でも。爽やかで真面目そうで多才な、自分と1歳しか違わないとは思えない、輝かしい活躍を目にしていた。
「自分でその道を選んではいけない」という言葉を幾つも目にした。そんなことは家族でさえ言う権利は無いと思っている。辛さや苦しみに限らず喜びや愛だって、本人にしか(或いは本人ですら)解らないのだから。
それでも、沢山の人が貴方の存在に救われていたこと、好ましく想っていたこと、どうか届いていて欲しい。
この先、事情が判明して何か思うことが出てくるかもしれない。それでもいま覚えた空白感、虚無感を遺しておきたかった。いつだって終わりを知った時に初めて、当たり前に続いていることを信じていたのだと気づく。反復したくない感情が波立つ度、いま在るのは偶然か必然かを考えてしまう。
ただ祈ることしか出来なくてごめんなさい。
R.I.P.
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