さようならの温度

つめたい風に震えながら、この手を離す覚悟をした。

氷の様なひんやりとした瞬間を描いていたのに、計算が狂ってしまった。
最後に交わした掌も、両頬を伝う涙も、温かくて。

何より熱を帯びた心がまだ愛を叫んでいる様で、行き場の無い刃を収めては繰り返す深呼吸。

必ずしも低温ではない、さようならの温度。

冷めた気持ちで告げる別れと、
受容できない熱い泪と。

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