メタバースの進展は、人の不必要な移動を最小化できるか
Facebookが社名をMetaに変更したが、メタバースとは、「メタ(meta)」は「超越した」「高次の」という意味で、「バース」は「ユニバース(universe/宇宙)」を組み合わせた造語であり、インターネット上の仮想空間のことで、利用者が活動できる空間のこと。
メタバースについてのことを少し勉強したいと思い、メタバースとWeb3という書籍を手にとって、読み始めてみた。
まだ読み途中ではありながら、メタバースには次の3つのロードマップが
①世界中のゲーマーを取り込めるか
②タブレットやPC市場(職場や学校)を取り込めるか
③ポストスマホ(ARグラス分野)
ということで、最終的にはバーチャルファースト(バーチャルが主で、リアルが従の世界)がゴールとなり、メタバースで決定的に重要なことが、センス・オブ・プレゼンス(=実在感)であるという。
そこに例として挙げられているのが、「Zoom」。コロナ禍でZoomによるミーティングは一気に広まった。またコロナ禍では「Zoom飲み」も流行ったが、今やっている人はほとんどいないという例を挙げつつ、実在感がないことが、Zoomの課題であるという。Zoomでは、そこにいる感じがしないこととして、
①レゾリューション(解像度)
②レスポンス
であり、①は片目で4Kずつの解像度が実現すればバーチャルとリアルの区別がつかなくなると言われ、ハードウェアのスペックが上がれば解決できる。
一方で②レスポンスが課題。たしかにZoomだと一瞬言い合って無言になることが度々ある。コミュニケーションのかなりの部分はノンバーバル(言葉を使わない)ところにあり、例えば、声や見た目、うなずきやまばたき、身振り手振りなどのジェスチャーなどがある。
インターネット速度が遅いために、細かい情報がリアルタイムで情報が入ってこない点に課題があり、これがコミュニケーションをスムーズにできなくするところのあるようである。ネットで調べると、ノンバーバルコミュニケーションの割合が93%とは・・・
Meta社が出している「Oculus Quest(オキュラスクエスト)」は、瞬きやうなずきなどの表情が表現できるようになってきているようである。またこの後も、ソニーのPlayStation VR2やAppleなども発売を予定しているようであり、2022年から2023年にはVRヘッドセットが色々と出てくるようである。
VRヘッドセットをすることはゲームの世界だけなのでは、と思っていたが、これを使って会議をする教育をする、ということは遠い未来の世界ではないように思える。
コロナも落ち着きつつある中で、企業は徐々に出社をさせ、対面でのミーティングも増えつつあるところだと思われる。しかしこのようなメタバースの世界が企業に入り込めば、それこそ本当に出社が必要なのか、となるのかもしれない。Zoomでは映像を見て、文字はキーボード入力をし、マウスなどで資料に文字を入れる。これがメタバースだと、多分、ホワイトボードにも仮想空間で絵や図を書くなども可能となり、企画などの世界でも、すべて仮想空間上でできるということか。
またこれは同様に教育も同じなのであろう。ちょうど今日、家族が言語聴覚士(言葉によるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職)に会ってきたようだが、言語聴覚士はきっと細かな発音の様子などを見ようとすると対面が中心になるのだろうが、メタバースの世界が広がれば、きっといろいろな人にサービスを提供できるようになるのであろう。
デジタル化で移動を必要最低限にしていくことは、脱炭素の一つのキーであろうと考えると、このメタバースはそれを支える重要な技術と考えることもできるか。
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