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作ったもののはなし

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どんなことを考えて物事をつくっているか、振り返ったnoteたちです。
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個展をした話

個展をした。 友人から「なんか展示やれ」と言われたことだけが理由ではない。 いつかやってみたかった。 けど、自分には無理だって思っていた。 だって、誰かに見せるようなものなんて何もなかったから。 いつかなんて、やってこなかった。 けど、不意に来てしまった。そしてそれを受け止められた自分がいた。 ふいに僕に1年近い時間が与えられた。 その間続けてきたのが写真だった。 なんで写真を撮っているのかわからない、けれど撮らずにはいられない。 世界中に写真を撮っている人なんていくら

ぼくの「りんかく」13 - たくさんのりんかくたち

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 43-44 さらやまここは大分県の小鹿田焼(おんたやき)の里、通称「皿山」。今でも続く伝統的な製法は、一切の機械を使わず、水力で土や顔料をくだき、手回しのろくろで形を作り模様を描き、日光の力で乾

ぼくの「りんかく」12 - すっかり九州の魅力にハマったらしい

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 39-40 古き良きと新しさに感じるものこの写真集も残すところ後少し。 そんな気持ちが出てしまったのか、このページまで、シンメトリーチックに安定した構図の写真が連続していました。自分では気づかな

ぼくの「りんかく」11 - 憧れの場所とノーマークの場所

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 35-36 朝日の差し込む湯煙のある場所ここは由布院の拠点。ADDress利用者界隈では「なかなか予約の取れない拠点」としてまことしやかに話されている場所。 その理由はオーナーが「あちこち移動し

ぼくの「りんかく」10 - 知らないことをたくさん経験した日々だった

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 31-32 丁寧な暮らしここは両方とも福岡県の八女拠点。 ADDressでは「八女拠点」だけれど、本当は「天空の茶屋敷」というゲストハウスに滞在した時の写真です。 この場所は「ポツンと一軒家」的

ぼくの「りんかく」9 - 行ってみたかった場所たち

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 *** あとがきに書いた例の映画をもう一回観に行って、なんだったらノベライズも2回読んだ。どれだけ好きなの?って感じだけど、なんか気になってしまって。 ノベライズ1回目は自分の頭の中の世界で

ぼくの「りんかく」7 - 旅の醍醐味

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 *** あとがきに書いた例の映画が封切りしたその日、改めてこの半年撮影した写真を見つめ直すなんてことをしたのは、一緒に文学フリマに出た枝崎さんの本を読んだからかも知れない。 半年前、久しぶり

ぼくの「りんかく」6 - 写真の流れに違和感が

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 ここからは淡々と写真を掲載するページが続きます。一つ一つの写真にはもちろん意味がありますが、それを語ると僕の旅日記になってしまうと思って本自体には何も書いていません。 *** 一生懸命に何か

ぼくの「りんかく」5 - 誰かと旅する場所

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 ここからは淡々と写真を掲載するページが続きます。一つ一つの写真にはもちろん意味がありますが、それを語ると僕の旅日記になってしまうと思って本自体には何も書いていません。 *** と、本文に入る

ぼくの「りんかく」4 - 星と海と空のおもいで

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 前回までの記事ではレイアウトが大きく変わったり、写真の見せ方が違ったり、タイトルが入ったりとありましたが、ここからは淡々と写真を掲載するページが続きます。一つ一つの写真にはもちろん意味があります

文学フリマ東京36に参加します!

急に旅の話から飛ぶんですが、5月21日に行われる文学フリマに参加することになりました。文学フリマは、作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、文学作品展示即売会です。 …なりました、と書いているけど、参加すること自体は今年の頭くらいから決めていたんですが、全然準備をしてなくて。4月後半から、5月の前半にかけてわーっとやっていたんです。 それで出来上がった本がこれ。 本はほぼ写真で出来ていて、ほとんど文章がありません。 写真はタイトルがついた瞬間に

ぼくの「りんかく」3 - 街が見える、祭りが始まる

2023年5月21日(日)に行われる文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 あれ?90度回転してるミスじゃないです、意図的です。 実はしばらく、紙面は90度回転します。これは横位置の写真をA5サイズの紙面縦位置に効率的に置く…ためでもあるんですが、あえてこうすることで「

ぼくの「りんかく」2 - 海、食、そして再びタイトル

2023年5月21日(日)に行われる文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 表紙を1枚めくった1~2ページ余白を感じる紙面からスタート 白いですよね。画面で見るとそう思います。 実際は紙の紙面なので、表紙を一枚めくると余白があり、ゆったりとした空間に写真が1枚配置され

ぼくの「りんかく」1 - 表紙

2023年5月21日(日)に行われる文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。 「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。 今回は表紙について。 なんでもない風景、多人数が共存する雰囲気 表紙の写真はどのくらいのタイミングで決まったんだっけな。 たしか、作業の中盤くらいだったような気がする。 本全体の概要(それこ