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鉄壁の◯◯子(仮)、降臨す!#1

 こんにちは👋N.です。


 私の通っていた音大は、私立の短大だった。
  

 入学したころは毎日がつまらなくて、学校をサボることばかり考えていた。

 
 それが2年生になり、憧れの地🇦🇹のウィーンに留学の話があった。
 
 留学するのは私を含めて11人。
 条件は実技試験で上位8人に入る面々と、あとは希望者3人が選ばれた。
 期間は9月~12月まで。

 
 選ばれた人は普段の単位とは別に、留学するための“言葉”や“日常生活”“歴史”などの勉強をする必要があった(私はその他に教員免許に必要な単位も取得しなければならなかった)。
 朝8時から18時まで勉強とレッスンの毎日になった。

 
 留学者たちとはあまり親しくなかったが、毎日毎日一緒に勉強しているうちに仲良くなって行った。

 
 メンバーは実に個性的だったが、そんな中でも別格に異彩を放っていたのは、忘れもいない『◯◯子(仮)』の存在だ❗

 メガネをかけて、(少し)パサパサでチリチリの髪を後ろで結び、毎日同じ服を着ているような子だった。
 彼女はまさに鉄壁で、誰ともしゃべらず、声も出さず、目もあまりあげなかった。


 希望して留学するはずだが、出発する前から不穏な空気は流れていた。

 

 

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