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木造校舎物語#レッスン編②

 こんにちは👋N.です。


 それぞれの先生が、自分が進学させたい音大の教授などを紹介してくれる。

 それも、それぞれの音大に精通した人ばかり。
“こうまでしないと合格は出来ないの?”
 素直な疑問だった。


 それでも“名誉教授”にレッスンをしていただけるチャンスなんて、この先どう考えてもないはず。


 だったらせっかくの

“チャンスの神様の前髪”

を、しっかり掴もうと思った。

 でも正式に門下生になれるかは、名誉教授が決めること。

 初レッスンの日。
 私は、母と約束の時間にご自宅に伺った。

 やわらかい物腰の白髪(はくはつ)で、とてもオシャレな老女が迎えてくれた。


 最初はお紅茶を飲みながらお互いの自己紹介をして、10分もすると早速レッスンが始まった。

   「どうぞ。」

 私が弾き始めると終わるまで何も言わずに先生は、ただ黙って聴いていた。

 私はレッスンをしてきた通りに弾いた(つもり)。

 終わるとしばらくして、
「あなたのピアノ、つま」
 らないわ。」
 
 と、ひと言。


 “つまらない”がショックだった。
“あぁ、これはもう終わりだな”って諦めかけた時、


「今度はあなたが弾きた
 いように、もう一度や
 ってみてくれる?」


 
 
 
 “私の弾きたいピアノ。”

   


 

 

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