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日常の記 20200914-0921

● ○ ● 9月17日 ○ ● ○ ● ○

キャンプから帰宅。韓流ヲタの友人から「青春の記録」のYoutubeリンクが届いていた。そうだ、今週はまだ見ていなかったと気が焦る。「青春の記録」は9月7日から Netflixで配信が始まった、パク・ボゴム(1993年生まれ)とパク・ソダム(1991年生まれ)が主演のドラマである。俳優志望のサ・ヘジュン(パク・ボゴム、子犬のようなうるうる目)とメイクアップアーティストに憧れるアン・ジョンハ(パク・ソダム、『パラサイト』の娘役がめっちゃよかった女優)が夢を実現していく、タイトル通りの青春ストーリーだ。ドラマ「秘密の森」のアン・ギルホが演出を手掛け、「ドクターズ ~恋する気持ち」「愛の温度」などのハ・ミョンヒが脚本を担当している。ジョンハがもともとモデルであったヘジュンの大ファンで、ひょんなところからジョンハと知り合という少女漫画展開。

ジョンハはモデルから俳優として人気が出始めたウォン・ヘヒョ(ピョン・ウソク、口角がキュッとしたキラースマイル)と幼なじみであり、ジョンハは中流家庭の出だが、ヘヒョは家も金持ちで母親キム・イヨン(シン・エラ、どう見ても工藤静香にしか見えない)の強いプッシュもあり芸能界をうまく渡り歩いているように見える。一方、ヘジュンの母ハン・エスク(ハ・ヒラ)はヘヒョの家で家政婦をしているが、それを卑屈には思っておらず整理整頓好きの自分には合う仕事だと語り、息子には親のことなど構わずに好きな道を歩んで欲しいと願っており、常にヘジュンの味方をする(4話で母が父に啖呵を切る場面、さいこう)。息子に味方をする母親像は、いままでもあったかもしれないが、ここまで夫にきちんと意見をして子どもを守り、お互いの個を尊重する母像はあまりなかったのではないかとかなり新鮮。ここらへんに、現代韓国の肖像が出てきているのかなと感じる。

ヘジュンもジョンハも家庭が複雑そうで、決して裕福ではない。そんな2人がファッション業界でどういうポジションを目指そうとしているのか、また、親友のヘヒョとの関係はどうなっていくのかなど見どころがたくさんある。今後が楽しみだ。

● ○ ● 9月19日 ○ ● ○ ● ○
朝5時起きで城崎温泉へと向かう。前日に友人が朝一番の飛行機に乗り遅れて電車で向かって痛い目にあったと聞いていたからだ。そろりそろりとベッドから抜け出して準備をして玄関へ向かったところで子が泣き出した。すげえ、気付いたのか。いやでも今かまったら出ていけなくなると思い、心を鬼にしてそのまま家を出る。

向かったのは豊岡演劇祭。見れたのは

マームとジプシー
『てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。
そのなかに、つまっている、いくつもの。
ことなった、世界。および、ひかりについて。』

変わりゆく線
『四つのバラード』 振付:ロイ・アサッフ 出演:木田真理子、児玉北斗 ピアニスト:圓井晶子
『diss__olv_e』 振付:平原慎太郎(OrganWorks) 

青年団
『思い出せない夢のいくつか』

五反田団
『いきしたい』

の4本。1泊2日で詰め込めるだけ詰め込んだ予定だ。
『てんとてん...』は卒業が迫った中学生の話。世の中、しかも身近にとある凄惨な事件が起きた。事件の後、周囲の大人も子どもも何食わぬ顔をして生活をしているということに憤りを感じた一人の中学生が森へ家出した。その子の同級生にも様々な子がおり、田舎の街にうんざりしていて高校進学と同時に別の場所へ行くという子、その土地に留まる選択をする子。様々な14歳(or15歳)の心模様が、藤田特有のリフレインするセリフでノスタルジーたっぷりに語られる。
『思い出せない夢のいくつか』は宮沢賢治の銀河鉄道の夜を下敷きにした列車のコンパートメントの中でやりとりされる会話劇。ある女優とマネージャー、付き人の3人がいるが、付き人の子がコンパートメントから離れ、戻ってきた時になんだか別人のようになっているシーンが印象的だった。彼女は同じ役者が演じてはいたが誰だったのか。また、彼女が不在のコンパートメントが気になった。
『いきしたい』は、ある夫婦の物語。前の夫の死体が登場するところから、話は変な方向に転回していく、死体(前夫)と妻、現在の夫で妙な会話が繰り広げられる。そう、死体は死体であるという存在のまましゃべる。でも一人では何もできないらしく、妻と一緒に行動することに現在の夫はヤキモチを焼く。人は死んでいたら存在しないのか。そんなことを投げかけられているようだった。ちょうど、
いてもいなくてもよくなることについて:中森弘樹・福尾匠・黒嵜想鼎談https://note.com/kurosoo/n/n25f57e2346e5
を読んだばかりだったので、その場にはいない人のことばかり考えてしまった。いてもいなくてもよくなること、これは度々考えて行きたいと思う。


● ○ ● 9月19日 ○ ● ○ ● ○
『青春の記録』続き。毎回、ジョンハのセリフが良すぎて泣ける。ヘジュンとのデートで映画を見に行った時に、視覚障害者用の時計をしていて「他人に共感して生きていきたい」というジョンハ。恩着せがましくなく、でも割とわかりやすくこういうセリフをさらりと入れてくるのは本当にすごい。脚本家や監督が、ドラマっていうものが若者たちにどれだけ影響を与えているかを理解して、その自覚のもとに作っているという覚悟が伝わってくる。

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