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【詩】6月の雨

こぶとりのおじさんが
傘をさしてバス停にたっている
イケメンのすらっとした王子様ではないけれど
バスを降りた私に
傘をさしだしてくれる
そして”今日また幻聴が聞こえたよ”
って元気ない声で私に打ち明ける
”ねえkeeちゃんは幻聴だと思う?”
”うん”
”そうかな 本当に誰かが言ってたんじゃないかな”
”だとしたら言った奴を私がぶん殴ってやるわよ”
”そんなことしたらkeeちゃんが警察に捕まっちゃうじゃない”
”捕まらないわよ、普段いい子にしてるもの”
降り出した6月の雨で
自分が冷たいのかあついのかよくわからない
雨音といつしかはじまったふたりのはなうたと

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