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2019年2月の記事一覧

放送禁止歌

放送禁止歌

99年に森達也が制作したドキュメンタリー番組・放送禁止歌に纏わる制作秘話と、そこに繋がりが深い部落差別に関して綴ったルポタージュで構成されるノンフィクション。

結論から言うと、放送禁止歌と言う絶対的なマニュアルは昔から存在せず、
「この歌詞は差別的『らしい』」
「この表現はクレームがくる『だろう』」
「かつて解放同盟から激しい批判があった『らしい』」
というマスコミの中での推測・伝聞・都市伝説・

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となりの億万長者

となりの億万長者

別に金持ちにましてや億万長者になりたい訳じゃないのでインチキなハウツー本には興味がないが、これはどうやったら億万長者になれるかではなく、億万長者の暮らしぶりにフォーカスを当てた本。

この本では所謂成金のような人間は単に「所得が高い人」として金持ちとは区別する。
ではどんな人間が金持ちになれるかと言うと、億万長者はお金を使わないから億万長者になれるのである。
つまり億万長者とは
究極のケチ!
要は

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A3

読み終えて強く思ったことは、
「これは日本の『エルサレムのアイヒマン』に(今のところ)なり損ねた本かな」

『エルサレムのアイヒマン』とその著者であるハンナ・アーレント、そしてその中で語られる『凡庸なる悪』という概念は僕が馬鹿の一つ覚えで繰り返しているテーマで、実際このA3でも締めくくりの一つとして引用されている。

何度述べたか分からないが
「巨大な悪とは悪人や異常者の手によって行われるのではな

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ファスト&スロー

ファスト&スロー

完全に自分用備忘録の読書メモ。
生活する中で無数に行われる選択の数々、その意思決定はなにが根源となっているのか?自分の意思そのものか、はたまた無意識のうちに誘導されているのか…
人の「認知性錯覚」を説いた本。

こうした本を読んでいく内に、疑い深い心がどんどんと疑い深くなっていく。
でもそれはネガティブな意味合いだけでなくて、それは「認知性錯覚」を十分理解し、利用して人を欺こうとする邪悪から己と家

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