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V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP at 日本武道館 レポ


V系って知ってる?powered by MAVERICK DC GROUPに行ってきました~
今年も何かやるんだろうな〜と思っていたら発表されたこのイベント。ラジオやら広告やらでこのキーワードを宣伝していたのは知っていましたが、まさかこういう形で結実するとは。
元々今年はMAVERICKのイベントに行こうと思っていたのもあり、気が付いたらチケを買っていました。
当日は10時ごろに九段下に着弾。同行者と合流し、グッズのためにいざ初めての武道館へ。
田安門をくぐって坂を登ると、すぐ目の前にあの有名な玉ねぎが。
思ったよりちんまりとした佇まいだったのが印象的でした。似たようなキャパの会場(代々木第一体育館とか)の異質感に比べると、あまりにもフィットしすぎているというかなんというか。緑の多い場所に東洋風の建物、という環境が仰々しさを軽減しているのでしょうか。形も大きく影響していそうです。
グッズ列は意外と短く、予想より早くはけたため、近くの定食屋でお昼を済ませました。
その後、13時過ぎに入場。
自分達の席は2階の南側。ちょうどステージを正面から見ることのできる位置でした。
会場に入ってまず印象的だったのは、ステージとの距離感。もちろんこれはステージの組み方によっていくらでも変わり得るものですが、それでも思ったより近くて驚きました。地方のホール公演や東京国際フォーラムと似たような感覚。ステージの上の人の一挙手一投足が判別できるものの、アンプのロゴはわからないくらい。
また、天井から吊り下がっている日の丸の存在感には感動しました。DIR EN GREYやJanne Da Arc、バンドリなどどんなライブ映像でも必ず一回は映る日の丸。あの存在感はやはり別格ですね。
14時ぴったりに客電が落とされ開演。
アルルカンからスタート!

アルルカン

ポエトリーリーディング/ラップ調の「PICTURES」からスタート。途中のの歌詞をこのイベントに合わせたものに変えていたのは胸熱でした。まああまり聞き取れなかったんだけど…。バンドサウンドとああいう言葉を聞かせるタイプのボーカルを両立させるのはなかなか難しそうで、この路線を継続するにはそこがポイントなのかなーと思いました。
4曲目の「ダメ人間」には、ファンの呼称の話題から上手に突入。初見の人を彼らのノリにノせていくのが上手ですね。これくらいの尺のイベントにおける経験値の高さがうかがえました。
それで終わりかと思いきや、もう1曲やり、最後は「世界の終わりと夜明け前」で締め。自分はこのイベントに向けてアルルカンを初めて聴いたのですが、この最近の路線、良いんですよね。典型的なコテバンドから新しい彼らへ、曲の爽やかな雰囲気も相まって進化して行くようで、非常に楽しみです。
カッチリした演奏でしたし、外のシーンにも是非殴り込みをかけて欲しいです。

girugamesh

続いては6年ぶりの復活Girugamesh!!!!
Break Downからスタート。
3曲サクッとやる潔いライブでした。
メタルより”ラウド”というワードが似合うような粗めのサウンドを叩きつけ、御涙頂戴や過度な演出もなしにステージを降りる姿には、後輩のステージに花を添えるクールな先輩の面影が見えました。
当時を知る方には申し訳ないのですが、自分がヴィジュアル系にハマって少しした高校生の頃に解散したバンドなので、強い思い入れがあるわけではありません。
しかし、サウンドやステージングを鑑みると、あのようなスタイルが人口に膾炙した今の時代に求められているバンドなのではないかと思いました。とりあえず今後は未定らしいですが、完全にやらないと決まったわけでもないそうなので、期待したいです。

ムック

3番手はムック!!!
最初は新譜から何曲かと「ニルヴァーナ」とかやるのかなあと思っていましたが、タイムテーブル発表時に表記がカタカナであることが判明。一気に過去作の匂いがしてきました。
ライブはまさかの蘭鋳からスタート!!!ドラムがAllenになってから初めて見たので、SATOちのカウントじゃないのは新鮮だなと思いつつも、しっかりジャンプ。2階席で跳ぶのは結構勇気がいりました。
その後の選曲は「茫然自失」など全て『是空』と『朽木の灯』からの選曲(「空 -ku-」のみ違います)。ここ数年の色々な時代を乗り越え、なんでも消化するMUCCではなく、ニューメタルを軸に内面的な暗さを煮詰めるムックの片鱗を見ることができました。
とは言っても、めでたい場だからかどうかはわかりませんが、「名も無き夢」で爽やかに疾走したり、あの頃の曲がメインである割にはポジティブな印象を受けました。個人的には「遺書」とか「誰も居ない家」とか聴きたかったんですけど、どんよりした雰囲気になってしまいそうですし…。
それでもメイクは当時を再現したのか、おどろおどろしく迫力のあるもの。逹瑯をはじめとしたメンバーの佇まいも(当時を知りませんが)あの頃を想起させるものがありました。

キズ

お次は結成年度で言えばこの日一番の若手、キズ!
だったのですが、前半は何故か倒れそうで、意識を保つのがやっとでした。
しかし、「平成」の迫力で目も覚め、死ぬほど頭を振って復活。
もちろん曲や楽器陣の演奏力にもパワーがありますが、来夢(vo)の実力や存在感はこの日出演したボーカリストの中でも随一のものがありました。
締めの「リトルガールは病んでいる。」においても、終盤のアカペラパートでの表現力が凄まじく、いつの間にか釘付けになってしまいました。
ノリとしては00~10年代のコテ系を引き継いでいるように思えましたが、彼ら自身のスケール感としてはそれを軽々しく超えてしまうのではないか、そう思わせてもらったライブでした。単独、行ってみたいです。

D'ERLANGER

どこかで聴いたことのあるSEだと思っていたら、名盤『La Vie En Rose』の一曲目「Under The Pretense」で、体が「La Vie En Rose」の準備をしていたのに、本編は「DARLIN’」からスタート!!!
最初の2曲は「DARLIN’」と「LULLABY」というキャッチーな初期のナンバーで、個人的には大興奮。その後はデカダンスかつハードな「INCARNATION OF EROTICISM」を挟み(kyo、あんなスクリームができるんですね)、「LOVE/HATE」と「Love me to DEATH」というミドルテンポな感じで終演。再結成後の音源、聴かないとなと思いました。
Tetsuのドラミングはやはり痛快。跳ねるようなモーションに続いて生まれるスネアの響きが心地よく、爽やかささえ感じられます。それでいて重量感を失うこともないため、いつまでも聴いていたくなります。
また、あの複雑なドラムキットを手足のように使いこなす様も、大物感があって良き。

DEZERT

セッション前最後はオーガナイザーのSORA(dr)を擁するDEZERTが登場!
「The Walker」からスタート!!!
DEZERT、予習時にはそこまで好みじゃないかなーと思っていたんですが、生で観て手のひらを返すことになりました。
単純にライブが上手い。
まず、暴れ曲である「殺意」や「君の子宮を触る」と新しめの曲を織り交ぜたセトリはイベント向けでした。
また、その合間のSORAや千秋(vo)の思いのこもったMCも秀逸でした。特に千秋はヴィジュアル系の現状について率直に、そして熱く語り、会場のボルテージは急上昇。そのまま始まった「TODAY」で”生きててよかった そう思える夜をずっと探してる”というフレーズが聴こえてきた時には思わず声が少し漏れてしまいました。
こういう青臭さはあまりヴィジュアル系には見られないものですが、なんかこの日のDEZERTには合っていたんですよね。DEZERTがそういうバンドなのか、それともこの日が特別なのかはこれから見てみたいです。

V系 Respect Super Session

最後はrespect session!!!!
どのセッションも単純に一曲やるだけだろうなと思っていたら、バンドによってアイデアがまちまちで、いい意味で予想を裏切ってくれました。
以下、個人的に良かったセッションについて書きます。

まずは、トップバッターの蜉蝣respect session。曲は「アイドル狂いの心裏学」。知名度としてはこれ一択かなあとは思っていましたが、蜉蝣に思い入れのあるバンドマンは多そうだし、案外「夕暮れの謝罪」とかもないかなとも考えましたが、やはりこれ。
でもやっぱり曲中のパフォーマンスも考えると、これやりたい気持ちはめちゃくちゃわかります。ボーカルを務めた千秋も、例のパートで「声出しできなくて良かったね(意訳)」みたいな話はしてましたし。その後のバンドに繋げるトークもしつつ、また曲に戻って行ったのもいい流れでした。
また、ベースをkazuが務めていたのも良かったです。もちろん当時とルックスが変わってはいますが、どうしても上の方から見ると、蜉蝣の落首炎上最終公演の映像が頭をよぎりました。生蜉蝣、最高。

ZI:KILL respect sessionも良かったです。とは言っても、ZI:KILLは流石に世代でもなんでもなく、ほぼわからなかったのですが、dead manの存在感に目を惹かれました。眞呼様(vo)を中心に、カラスのような真っ黒の衣装を纏う3人組(+α)は、闇が迫ってくるような怪しさに溢れていたのですが、それは美しさと表裏一体となっていて、そのヴィジュアルをアートとして積極的に活用している姿勢に惹かれました。曲はわからなくともなんかステージに集中させる魅力があるんですよね。彼らのライブ、観てみたいです。

今回の会場は日本武道館と、日本のロック史において重要な意味を持つ場所なだけに、武道館ネタを持ってきたセッションバンドもいました。例えばDIR EN GREY respect sessionでは伝説の「I’ll」イントロ→バーカ→「残-ZAN-」の流れをそっくりやっていました。『GAUZE』曲で来るか「Saku」とかで攻めてくるかなあとか予想していましたが、武道館でディルのコピーやるならあの流れやらないとですよね。この話はもちろん知っていたんですが、アルペジオのイントロが流れた瞬間はダマされてました。LUNA SEAリスペクトセッションも葉月(vo)が武道館をふんだんに使った煽りをかましていました。1階席〜2階席〜はここ独特の煽りですよね。曲としてはオーソドックスに「ROSIER」。それでも明希(ba)はしっかりマイクスタンド投げていましたし、ヒロト(gt)はSUGIZOさながらのステージングを魅せるなど、しっかりと”LUNA SEA”やってて良かったです。

hide respect sessionは一番楽しみにしていたセッションバンド。来夢があのゴーグルみたいなサングラスをかけてステージに立った瞬間、胸が高鳴りました。曲は「DICE」と「TELL ME」。この選曲も絶妙。「ROCKET DIVE」や「ピンクスパイダー」でもいいはずなのに、選ばれたのは前述した2曲。この気持ち、よくわかる気がします。後者の曲ももちろん好きなのですが、”hide”というと前者の曲(あとは「POSE」とか「Beauty & Stupid」とか)のイメージがあるんですよね。あと純粋にキャッチーな曲なので知らない人でもノリやすい。そう言った意味で既存のファンと新規の両者を満足させられる選曲だったのかなと。来夢のサングラスに加えて、ミヤ(gt)がしっかりペイズリー柄のモッキンバードを使っていたのもアツかったですね。そしてhideの映像と現地の映像を交互に流す演出。ヴィジュアル系の創始者とも言える人だし、SORAはhideからの影響を公言しているとか色々あるんでしょうが、自分にはhide、ひいてはヴィジュアル系の連続性というものをこの目で見ることができて嬉しかったです。hideから影響を受けたキッズがアーティストになり、今武道館の舞台でhideの曲をプレイしている。言葉ではわかっていても、あのように視覚的に提示されるとグッとくるものがあります。こう考えると、hideの存在ってこのシーンの中でも唯一無二ですね。

個人的に一番良かったセッションはGLAY respect session!!!
単純に流れが完璧でした。「誘惑」→「彼女の”Modern…”」→「生きてく強さ」のメドレー。それぞれ一番のサビまでなどショートバージョンでMCとか交えつつ進みました。ギャなら知らぬ者はいない「誘惑」から始まるというのは理想的な形だし、残りの2曲でGLAYファンもまあまあ納得させる誰に対しても親切なセトリでした。
他のメンバーのコスやYUKKEのJIROから借りてきたベースなど、細かいポイントも多々あったのもお祭り感があって楽しかったです。

まとめ

それ以外にも転換中の団長のMC&カラオケが盛り上がってましたね。「月下の夜想曲」が流れ始めた瞬間は会場がドッと沸きましたし。最後の転換をNogodの曲で締めたのも良い演出でした。次回はバンドで見たいです。
総じて武道館という特別な場所とヴィジュアル系というムーブメントに対する熱意や愛情を全力で表現していた熱いイベントでした。来年も是非やってほしいですね。
ただ、次回はシーン外のアーティストなんかも招いてやったら面白そうだと思います。また、若い(?)3バンドも、それぞれ決意表明をしたり、そうでなくとも気合が伝わったので、これからが楽しみです。単独にも行きたいし。
次のライブは今のところ2/15の聖飢魔II!!!
でもせっかく首都圏にいるしその前に一本くらい行こうかな。


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