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【TOUR24 PSYCHONNECT】DIR EN GREY at 相模女子大学グリーンホール

経緯

DIR EN GREYを見てきました〜
2024年は彼らのデビュー25周年。ということで(おそらく)、1月には「ゆらめき」「残-ZAN-」「アクロの丘」を再録し収録したシングル『19990120』をリリース。
そして4月には表題曲に加えて再録2曲で構成されたシングル『The Devil In Me』をリリースするなど、彼らの初期の作品に着目した企画が進む年となっています。
そんな中発表されたツアーが、この【TOUR24 PSYCHONNECT】。
この流れであれば『GAUZE』期のナンバーもいくつかセトリに入るツアーになるかも、と発表当初からファンの間では盛り上がりを見せました。
自分もその熱に浮かされ、一般販売にてチケットを探したところ、ツアーファイナルのLINE CUBE SHIBUYA公演はいち早く売り切れ。
じゃあ首都圏だと他にどこなら行けるか…と再び探して見つけたのが今回の相模女子大学グリーンホール公演でした。

開演まで

というわけで、5/15。
仕事を終日休みにできたので、他の予定もこなしつつ、昼過ぎには相模大野駅に到着。
カラオケでウォーミングアップ等しつつ時間を潰しました。
しかし、夕方ごろにカフェでのんびりアイスティーを飲んでいたその時、偶然夜に雨が降ることを知ってしまいました。
洗濯物を干してから出てきた自分にとって、これは結構なニュース。
そして何より、今は時間を持て余していて、かつ自分の家はここから往復してもまだライブの開演には間に合う程度の位置。
それでも今から家にもう一度帰るのはなあ…と考えつつも、足は勝手に動き、気が付いたら家の方面へ向かう電車に乗っていました。
そんなこんなで再び小田急線に乗ってしまったのですが、しっかり調べるとどうやらあまり時間の余裕はない様子。
結局車内以外は全てダッシュして家まで戻り、洗濯物を入れ、もう一度ダッシュで相模大野へ向かうことになりました。
そして、最後相模大野へ向かう小田急線の車両に乗り込んでから知った遅延のニュース。
結局再び相模大野駅に着いたのは18:50ごろ。
開演は19時の予定だったので、ここからもダッシュ。ペデストリアンデッキを駆け抜け、青信号目掛けて全力疾走。
結果なんとか間に合いました。結果オーライです。
まあ、その後しばらく汗が止まらなかったので、周囲への申し訳なさで居た堪れない気持ちにはなりましたが…。
そんな経緯でたどり着いた席は2階席のほぼ最後列。それにしてはステージがよく見えたのはホールのいいところ。かなり傾斜があるおかげで視界が広かったです。
自分が席に着いた後にもちょこちょこ人が入ってきて、客電が落ちる頃にはほぼ全ての席が埋まっていました。

本編

19時過ぎに客電が落ち、「GAUZE -mode of adam」が流れてスタート!!!!
期待が高まる中、メンバーが出てきて始まったのは「Schweinの椅子」!!!!
今回のツアーのセトリも既に見ていて、やることは知っていましたが、実際に目の当たりにするとさすがに興奮が抑えきれませんでしたね。がいす!つぃれ!ゔぃーれ!ぜーれ!
そして2曲目は「Unknown… Despair… a Lost」。過去にリメイクもされているとは言え、インディーズ期の楽曲まで惜しみなくプレイするとは…!サビのメロディーの絶妙な高揚感が癖になるナンバーです。
そこに続くのは再録バージョンの「Cage」と「raison detre」。「Cage」、再録で追加された壊れたカセットテープみたいなイントロ個人的にめっちゃ好きなんですよね。それに中低音中心のメロディーが最近の京のクオリティーで歌われると、20年近く前の曲ながら一周回ってモダンな仕上がりになっていました。自分は最近のDIR EN GREYには歌モノに傾倒した作品を出してくれたらなと思っていたのですが、こんな形でそれが叶うとは…。
「raison detre」終了後、初期曲コーナーは一旦終了。暗転から始まったのは「The Perfume of Sins」。
ここに来て京(vo)が急に生き生きしているような気がしました。やっぱ京としてはガッツリスクリームしたりとにかく色々な表現をしたいのでしょうか。そんな風に思えました。でもやっぱりShinya(dr)はこの曲辛そう。
そして「The Devil In Me」が続きます。ライブで聴いてもやはり捉えどころのない曲でしたね。ただそれはあえてとのことなので、これが今後どのように化けていくのか楽しみです。というか自分の中でどう吸収していけるのか、というところでもありますが。あとはアルバムに入った時にこの曲の役割みたいなものも分かってくるのかなと思います。まあそもそもアルバムに入るのか、という話ではありますけど。
この後、また初期曲の流れへ。まずは「304号室、白死の桜」。
そして続くは「mazohyst of decadance」!!!
こちらは新録バージョンでした。これは照明が印象的。滴る血のような赤の光線がステージ上部から下にスーッと伸びる光景は、曲の背景もあってなんともおぞましいもの。これぞDIR EN GREYという演出でした。このバンドはこうじゃなくっちゃ。あと、新録版の音の厚みもこの曲の雰囲気に合っているなと改めて思いました。ドゥーミーでひたすら沈んでいく雰囲気が、原曲よりも陰鬱な雰囲気を出すことに成功しています。原曲の長さをカットした分、ズーンという低い響きがこの曲の精神面での”重さ”に寄与している印象です。
このまま『GAUZE』曲で畳み掛けるのかなあと思っているとなんと「Ranunculus」。マゾヒからインワードスクリーム的な京の叫びが続くなと思ったらそういうことでした。
自分はこの曲大好きなのでセトリに戻してくれたのは嬉しかったです。静謐の中ピアノとストリングスから始まり、京が粛々と歌い上げるパートからサビでガツンとバンドサウンドが入り、という展開がこのバンドの激しさとは別の一面を引き出しているように感じています。そしてラスサビの京の絶叫。感情を全て振り絞るようなこの歌唱の前では、もはや音程のどうこうなど無粋。そのパワーと想いを浴びながら、ただ立ち尽くしている瞬間は、DIR EN GREYのライブを見ているという事実を強く実感させられます。来てよかった。
最近のDIR EN GREY的にはクライマックスのような瞬間でしたが、これで終わらないのが今回のツアー。
ここからまずは「ゆらめき」。ピアノとボーカルのみのイントロからの展開が大人の色気を感じさせます。これもまた京の艶のある歌声が活きる音域ですね。本人は乗り気じゃないのかもしれないけれど、DIR EN GREYでこれくらいの音域をもっとフィーチャーしてくれてもええんやで…。
そして「MASK」。これはフリがあるようで、オーディエンスが一斉に両手を掲げてフリをスタート。ステージを見ると京も何か踊っているようでしたが、ファンのフリとは違う何かを踊っていました。自由。
続く「蜜と唾」の後は、「蒼い月」、そして「業」。最後の2曲なんて生まれてないけど90年代にタイムスリップしたかと思いました。「業」の後、ちょっとShinyaのかき回しがあったのも印象的。あんなにドコドコやって曲を締めるShinyaは初めて見ました。
以上、ここまでが本編でした。Shinya、Die、薫(最近のオールバックスタイル)は普段と同じようなルックスだった分、いつもと違うToshiyaと京には驚きました。まずToshiyaは西洋の貴族かのような首元のひらひら+ドレス的な衣装。そして京は一転して黒いTシャツにオーバーサイズ気味のパンツ。ドレッドヘア的なヘアスタイルが奇抜なだけに、衣装の普遍性にギャップが合って面白かったです。自分は何回かスタッフと京を見間違えました。席遠かったから仕方ないね。

アンコール

アンコールは「アクロの丘」からスタート。畳み掛けるような曲から始めないのは珍しい気がします。
続くのは「予感」。ここで感激のあまり涙するファンまで現れる事態に。まあまさかこのバンドがまた『GAUZE』の曲を演ってくれるようになるとは思わんよね。
そして「残 -ZAN-」。これは最新のバージョンでした。原曲の構成を残しつつ、最新のスタイル(京の歌唱なんか特に)でアップデートしていて自分は好きです。カバーするならこんな感じで演ってみたいなあと思いました。
最後は「SUSTAIN THE UNTRUTH」と「詩踏み」。どちらもこっちにマイクを向けるパートがありますが、キーが高くて歌えたものではありません。でも最後に暴れて終わるのはいかにもDIR EN GREYという感じで最高。『The Insulated World』期の作風はこういう場面に合いますね。シンプルかつ衝動的で、頭の振りがいがあります。
しかしこの時のバンドとオーディエンス両者のボルテージの上がり具合には驚きました。そもそも、前述したようにバンド側から歌わせたりというアクションが多く、ここまで率先して盛り上げてくれるバンドだった?という気づきがありましたね。自分の感性の問題か、なんなのかはわかりませんが、ここ最近行っていたDIR EN GREYのライブとは違うパワーを感じました。
なお、アンコールではメンバー全員(確か)が違う衣装で出てきていて、特にToshiyaのハリウッド女優かのようなキラキラのドレスが目につきました。あれが似合うの、すごい…。
「詩踏み」後、メンバーがはけた後再び暗転。もう一回アンコールかと思われたその時、スクリーンに何やら映像が。
今度出る円盤の告知かなあと思っていたらなんとANDROGYNOSの告知でした。
これには場内も大いに湧き、自分も驚いて思わず声が出てしまいました。それにしてもなんでこのタイミングの告知だったのか。

総括

さて、ライブの進行は以上のような感じでしたが、全体的な感想としてまず感じたのは音のバランスの良さ。
時によっては消えがちなToshiya(ba)のサウンドまでしっかりと聴こえていたのは嬉しかったです。さすがホール。
良かったのは外音だけではなかったのか、演奏もよりタイトだった気がします。キメがかっちり決まる瞬間が多かったように感じました。まあ、この前自分が行ったのがPHALARISのツアーだったので、曲に馴染みがあるかどうかという問題かもしれませんが…。
今回セトリのメインが初期のナンバーであったことが功を奏したのか、京のコンディションもかなり良かったですね。
中低音の伸びの良さをふんだんに感じることができました。グロウルや高音域も迫力のある仕上がりでしたし。
まあ、こちら側だけではなくバンドも気合いが入っていたのか、後半は少し辛そうな瞬間も。でもそれはそれでバンドの本気を感じられて嬉しかったので結果オーライ。
楽器隊の音作りは最近の彼らのトレンドそのまま。そのため、ベースソロでやたらブリブリ響いていたり、Die(gt)のカッティングの歪みにデジタルらしさがあったりして新鮮でしたね。過去曲を今演奏することの意義をふんだんに感じられました。

以上、DIR EN GREYのライブの感想でした!
ボリューミーな内容だったのに終わってみたら開演から2時間ほどしか経っていなくて驚きました。やっぱり普段のライブより熱のこもったものだった気がします。特に自分含めオーディエンスは待ち望んだ機会だったでしょうし。
自分が『GAUZE』に出会ってから10年弱。DIR EN GREYが自分に与えた衝撃、という意味では中期〜後期の作品の印象が強いのですが、この作品の完成度の高さには常に魅了されてきました。歌いやすいのでカラオケでもよく歌いました。
そんな今作の楽曲を生で、しかも本人たちによる演奏で聴くことができる機会なんて来ないものだと思っていたのが、こんな形で訪れたことを、まだよく理解できていない自分がいます。
気づいたら終わっていた今回のライブ、もうしばらくしたらセトリの珍しさを再認識する日が来ることでしょう。

さて、次のライブは5/19のTesseracT!!!!
頭切り替えなきゃ…。

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