見出し画像

【Madmans Espirit JAPAN TOUR 2024 “CHOP 5 days”】emmurée / Madmans Espirit at 池袋手刀

emmuréeとMadmans Espiritを見てきました〜
2/11から始まった、韓国からの刺客Madmans Espiritの日本ツアー。
その3日目の公演を見に行きました。
この日は有給を取っていたため、夕方ごろにのんびり家を出発。
池袋には18時ごろに到着。リンガーハットでちゃんぽんを食べたりしつつ、開場まで時間を潰しました。
18:40くらいには会場に到着。45分にはオープンし、するっと中へ入りました。
今日の会場は池袋手刀。自分としては今回が初めての会場でした。
雑居ビルの一角にあるドアから入り、地下へ潜ると、その先にはフロアが。サイズ感は小さめで、キャパシティとしてはMAXで100~150人くらいといったところだと思います。
このライブハウス、何が特徴的かというと、その内装。
入口のドアからフロアの壁から至る所にフライヤーやらステッカーやらがびっしり貼ってあって、アングラ感マシマシなんですよね。
またフライヤーが90年代ヴィジュアル系やらポストパンク系やらの暗く刺々しいものなのが余計に危ない雰囲気を醸し出しています。
どこか和(というか大正モダン/昭和レトロ)を感じさせるものが散りばめられているのも印象的でした。
照明の暗さも相まって、B級スポットめいた雰囲気も漂っていましたね。
極め付けはステージを覆う白い幕に映されていた古い日本映画。
雰囲気だけでも白米食えそうと思いつつ、ドリンクカウンターでビールをいただき、開演まで待ちました。
余談ですが、今回のMadmans Espiritのツアー、5日間全日程がなんとこの池袋手刀で行われるんですよね。しかもぶっ通しで。
そしてツアータイトルが【Madmans Espirit JAPAN TOUR 2024 “CHOP 5 days”】。これはどう考えてもDir en greyのオマージュでしょう。彼らは以前よりディルへのリスペクトを表明していますが、改めて示してくれると虜としてはやっぱ嬉しいものです。

emmurée

本日のトッパー、emmuréeは19:15ごろよりスタート!!!
個人的には見るのは初めて。ですが「覚醒」だけどこかで聴いたことがあり、そこから興味は持っていました。
幕が上がると共に、黒っぽい衣装で統一した4人組が次々とステージへ上がり、そこからしめやかに始まりました。
さて、まず彼らの音楽を聴いて思ったことは、90年代後半〜00年代初頭のヴィジュアル系の雰囲気が今ここにあるのか、ということ。
もちろん自分は当時を知っているわけではないのですが、あの頃の音源や映像から想像する空気感は、正にこの日のemmuréeのステージのようなんですよね。
暗色系の、かといってゴシックやロリータではない衣装。ろくにMCもなく、淡々と曲を進めていくステージング。同期音源は少なく、ステージ上の音だけで成り立つひりついたサウンド。
音楽性もあの頃のシーンの名残を強く感じさせます。ゴシックとポストパンク、ビートロックなどが混ざり合い、溶け出したような音像。そこに、Merry Go Roundのようなアングラ感が付与されているのがこのバンドの特徴かなと思います。
まあ、当時のバンドは結構音楽的な作り込みがアバウトなものが多いイメージで、その点でemmuréeの音楽はナチュラルな仕上がりになっていると感じました。それも、無理をしているようではなく、余裕を感じるんですよね。やはり20年以上のキャリアを持つバンドは違います。十分な時間をかけたおかげで、彼らの個性が確立されているのを感じました。
ポストパンク、ひいてはポストロック的残響感と、針のように鋭いギターリフの調和が印象的でしたね。テレキャスターでギャンギャンかき鳴らされるギターからは、シングルコイル特有の軽いオーバードライブサウンドから、ディレイ、フランジャー(多分?)、クリーンなど、様々な色を持ったサウンドが吐き出されていました。その姿はまるで、aieのようで、kenのようで、更にはSUGIZOのようでもあり、彼らに通づるバックボーンを有する、あの時から生きているバンドなのだということを実感しました。

Madmans Espirit

トリのMadmans Espiritは20:30ごろからスタート!
このバンドを見るのは2回目。2019年に来日した時ですね。
そもそも自分がこのバンドを知ったのはその1年ほど前のこと。Youtubeで見た「You don’t allow me」のMVに衝撃を受けたのを覚えています。
このバンドは、それも特に『Conscientization of Unconseiousness』の頃は、DIR EN GREY(ひいてはヴィジュアル系)からの影響とブラックメタルをベースにしたオリジナリティーの両立が際立っていました。それがDIR EN GREYの大ファンでもある自分にとってはドンピシャでした。
今でこそそんなことはありませんが、中学生の頃にDIR EN GREYに衝撃を受けて以来、ディルみたいなバンド、というものを探す日々が続きました。そんな自分の求めるバンドの理想像にぴったりハマったのがこのバンドだったんです。
しかし、その後のEP『glorifying suicide』やシングル「Seoul」まではその路線だったのですが、続く3rdアルバム『나는 나를 통해 우리를 보는 너를 통해 나를 본다』からはよりメタル要素を強めた作風へと変わっていきました。
個人的にはそれがあまりフィットしていないように感じてしまったため、3rd以降はしっかり聴き込んでいなかったのですが、やはり来日してくれると聞くと見過ごせず。
結局こうして今回も足を運びました。
さて、そんなMadmans Espiritのステージですが、まずセトリはほぼ3rd以降から。アンコールでやっていたのも「Garden of skeletons」でしたし。
前述した通り2ndの頃が好きな自分にとっては、どの曲もよく分からないまま終わってしまいました…が、だからといって退屈だったというわけではなく。
むしろ最近の路線の魅力を見出すまでに至りました。
3rdはメタルとしての感触が強くなった一枚ですが、ライブの空気感にもそれが持ち込まれていました。
終始硬くてヘヴィーなリフの主張が強く、メリハリのついたリズムは思わず体を動かしたくなる衝動に満ち溢れています。
一方で、ブラックメタルのような冷徹さとヴィジュアル系の艶、そしてポストパンク的な空間の美学もそこにはあり、それらが入り混じることで独特のアート的空間になっていました。
やはりヘヴィーな質感を使いこなすのが上手いですね。kyuhoはメタルにもどっぷり浸かっている人なんだなと感じます。
また、そこにブラックメタルやらDIR EN GREYの影響から来る病的な闇が主軸として残っていることを再発見したのも嬉しかったですね。kyuhoの突き刺さるようなスクリームも健在でした。
最近はスポーティーなメタルバンドが幅を利かせていますが、こういう暗く激しく沈み込んでいくようなバンドにも陽の目が当たってくれるといいですね。
一方、演奏面ですが、まずは2019年来日時とのメンバーの違いが印象的でした。とは言っても、このバンドの正式なメンバーはボーカルのkyuhoのみなので、あとはサポートメンバーとはなりますが。
ギターのJuhoとベースのGeonのみ前から据え置きで、ドラムのLimuが新しいメンバーとなっています。加えて、この日ステージにはもう1人コープスペイントのギタリストがいたのですが、彼については何も情報がないんですよね…。
じゃあこの変化の影響はどうだったかというと、そこまで影響はなかったのかなと思います。
韓国のシーンには詳しくはないですが、ここまでキャリアが長いバンドのサポートを務められるミュージシャンには彼ら自身のキャリアもあるのでしょう。かなりライブ慣れしているように感じました。
一瞬Limuのイヤモニ(おそらく)に不具合が生じていたようで、崩れそうになるシーンもありましたが、その他は問題なく進んでいきました。
kyuhoのパフォーマンスも良かったですね。突き刺すようなスクリームからグロウル、艶のあるクリーンと多彩なボーカルワークでした。この日、終始ボーカルの抜けは良くなかったのですが、その中でも異彩を放つ歌唱だったかなと思います。あと、日本語での煽りもちょこちょこあったのが嬉しかったです。もっと煽ってくれてもええんやで。

以上、emmuréeとMadmans Espiritの感想でした〜
Madmans Espirit、kokeshiなんかと対バンしたら合うんじゃないかなあとも思いました。
次のライブは3/16のkokeshiとDEVILOOFの対バン!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?