読書感想#26「わが家への道 ローラの旅日記」

「大草原の小さな家」シリーズの、ローラの足跡を辿る最後の本と言えます。タイトル通り、物語ではなく日記形式で、ローラが夫と子どもとともにサウスダコタ州デスメットを離れて、ミズーリ州マンスフィールドに引っ越す様子が書かれています。650マイル(1040km)の長旅です。

7月17日の夏の盛りに出発して、8月30日に旅が終わるのですが、エアコンもない馬車で1ヶ月以上引っ越しのために移動すると言うのは現代の私たちからするととても壮絶だと思いました。
しかし、ローラの日記には悲壮感はあまりなく、大変でありつつも新天地が楽しみな気持ちの方が強かったのかなと思いました。デスメットに帰りたいなどといった弱音も見当たりません。

そして、何よりすごいと思ったのが、あとがきに書いてありましたが、ローラが作家としての一歩を踏み出したのが44歳にしてだったと言うことです。44歳といえば、もう人生こんなもんかな、と落ち着いて老いていく入口のような年齢に思いがちですが、ローラはその歳で作家への第一歩を踏み出しました。何歳になっても、新たな一歩を踏み出すチャンスはあるのだと、ローラに勇気づけられました。


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