読書感想#30「シルバー•レイクの岸辺で」

「プラム•クリークの土手で」に続く、「大草原の小さな家」シリーズ。今回は、冒頭でいきなりメアリイの失明が語られるというショッキングな始まり方です。書かれ方はずいぶんあっさりしていて、家族の嘆き悲しむ様子などは書かれていないのですが、ローラにも辛い出来事だったため掘り下げて書けなかったのかなと思いました。
それにしても、末っ子のグレイスもいつの間にか生まれていて、グレイスの出産の様子などは細かく描いてもよかったのではないかと思いました。

この巻を読んでいて感じたのは、姉のメアリイは母親似でローラは父親似の気質なんだなぁということでした。メアリイは、安定、ひとところにとどまる穏やかな暮らしを求めるほうで、ローラは、どんどん旅を続けて新しいものを見に行きたいという性格のような気がします(そう思うとお父さんとお母さんは価値観が違うのによくうまく夫婦になれたなぁと思いました)。
ローラは、成長と共に、もう子供のように遊んではいられない、先生になれるように勉強しなくては、という圧(主に母親からの)がかかってきてかわいそうだと思いました。ローラは、この時代に生まれたから生きる道の選択肢が少なかったかもしれないけど、もしも現代に生まれていたらもっと自由に生きれたのかなと思いました。
お父さんの、「人生は多かれ少なかれみんな賭けさ、死ぬことと税金以外間違いなく来るものはありゃしないよ」というのはこの一冊の中でも特に心に残る金言でした。


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