読書感想#25「はじめの四年間」

「大草原の小さな家」シリーズの、ローラとアルマンゾの結婚後の生活が描かれる巻です。
ですが書かれたのはローラの作家活動の初期で、インガルス家の物語よりも先らしいので、書き方が「長い冬」や「大草原の小さな町」などに比べると淡白な印象で、物語というより日記のようでした。
それでも、退屈な内容というわけではなく、度重なる災害で作物がダメになったり、息子の死産など不幸な出来事を経験しながらも逞しく生きていくローラの姿に引き込まれました。胸踊る冒険などない何気ない日々も、十分に闘いの日々と言えます。
そして物語の最後のほうのマンリーの「要は、自分がそれをどう見るかにかかっているんだよ」という言葉は人生全てにおいて当てはまる言葉だと思いました。
楽しいことばかりじゃないけれど、すでに持っているものもある。
不幸が続いても、生きてさえいれば望みはある。
そんな、アメリカ開拓時代の開拓者たちの強い魂を感じました。


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