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【映画】昭和版ごくせん。不良少年たちを更生させるのは元ヤクザの先生

ヤンキー学生ばかりの学校に熱血教師が赴任してきて、ぶつかり合いながらも教師と生徒の垣根を越えた信頼が生まれてゆく。そんな王道ストーリーを聞くと、「ごくせん」なんかが思い浮かびます。

今日の映画は、確かに「ごくせん」との大きな共通点があります。
それは、先生が堅気の人間ではないという事です。
正確には、既に足を洗ってはいるが元々は極道の人間である点。

「やくざ先生」

1960年公開、石原裕次郎主演のこの映画は、非行少年たちの更生施設に指導員として赴任してきた男の物語。
元ヤクザの先生は血気盛んで、売られた喧嘩は必ず買うような性格なので
すぐにトラブルを巻き起こします。

しかし不良少年たちにはその腕っぷしの強さと先生らしからぬ喧嘩早さが多いに受けたようで、はじめは対立していた両者は次第に信頼関係を築いていきます。

少年たちの中には頻繁に施設から逃げ出そうとするなどの厄介者もいますが、そんな子たちとも心を通わせていく、大人と子どもの歩み寄りを描いた作品です。

「鑑賞ポイント」

①非行少年たちのコミュニティ

施設で過ごす少年たちには学校のクラスのように独自のコミュニティが形成されており、いつもギターをかき鳴らしている歌好きの子や、有名女優を自分の実の姉だと思い込んでいる妄想癖の激しい子、ことあるごとに施設を脱走し、憧れの富士山を目指して突っ走るも、毎回疲れて線路脇で寝込む子など、個性的な少年が登場します。
全員が同じ性質のワル、という感じではなく、それぞれが別のベクトルの厄介者なのが、この映画を賑やかにしています。

②ヤクザだけど熱い先生

タイトル通り、石原裕次郎演じる主人公の先生は元ヤクザです。
赴任してきた初日に暴力事件を起こして反省室という名の監獄に収監。
その後も地元の婦人たちが参観にやって来た授業で、自分に突っかかってきた少年を張り倒すなどの暴行をはたらきます。
しかしそんな先生は、少年たちを想う気持ちは誰よりも強く、自分の身を犠牲にしてでも皆を守り抜く、超熱血教師でもあるのです。


ごくせんとやくざ先生のどちらにも言えることですが、荒んだ少年の心を揺り動かすには、力と熱い気持ち、それに相手を本当に信頼できる素直な心が必要不可欠なのだと感じますね。


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