【映画】ランプの精はあてにならん。王女の心は俺が盗む!
千夜一夜物語の中で最も有名なお話「アラジンと魔法のランプ」
盗人のアラジンが魔法の力を借りて王女を射止めるという
男女逆転のシンデレラストーリーは、やっぱりディズニーのイメージが強いかと思います。
コソ泥だけども憎めないアラジン、陽気で快活なジーニー、良き相棒のアブーなど、ディズニー独自のアレンジを加えたアラジンのイメージは広く世に浸透しています。
今日の映画は、それとはまた別の視点で描かれた新たなアラジン像。
物語に組み込まれた面白い仕掛けにもご注目です。
アラジン 悪しき王子と二人の魔人
「4コマあらすじ」
「作品みどころ」
アラビアンナイトの世界に存在しないはずの現代要素がたくさん。
「ジーニーの不調はカスタマーセンターに問い合わせ」
「空飛ぶ絨毯は燃料式」など。
カスタマーセンターから「ジーニーは再起動すれば直る」と言われて
試してみたら調子が戻ったり、まるでスマホのような扱いを受けるランプの魔人。
この映画は単なるファンタジーではない。
作中で描かれるアラビアンナイトの世界は、全てとある男が即興で作り上げたおとぎ話、という設定である。
その男は恋人を別の男に奪われており、王女を悪い王子に取られてしまったアラジンに自分を重ね合わせる。
そして舞台は結婚式の当日。いわゆる「その結婚、ちょっと待った!」をするために式場まで飛行機で向かっている最中、隣に座った少年に
話して聞かせているのが、この映画のストーリー。
少年とCAが、話の展開が気に喰わないとすぐに脚色を加えてくるため、
ジーニー同士がカードバトルを始めたり、リングに上がって殴り合ったりと
どんどん話がおかしな方向に曲がっていくのも面白い。
「コメント」
恋人を奪われた男とアラジンを重ね合わせる、という形で
おとぎ話と現実世界がリンクしながら進行していく構造がとても面白いです。
本作のジーニーはちょっとポンコツ気味でほとんど役に立っていない印象でしたが、「結局現実には助けてくれる魔人なんていないんだ、全て自分の力で切り開け」というメッセージだと私は受け取りました。全然違うかもしれませんが。
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