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誕生日の意外な贈り物・彼からのサプライズが教えてくれたこと

付き合ってはじめての誕生日

私の誕生日。今年はちょっと特別な期待をしていた。なぜなら4か月前から付き合い出した彼がいるからだ。

しかも、誕生日は今年土曜日と重なっている。

「なんてラッキーなの!」私はひそかに期待していた。

けれど

誕生日が近づいてきても彼は、何も言って来ない。

「もうすぐ誕生日なんだけど」って喉元まで出てきたけれど、なんだか言いにくい。

付き合って、4か月だからまだ遠慮もあるし

そもそも私は恋愛に限らず、なんでもガンガンいけないタイプ。

自己肯定感が低いってほどではないけれど、遠慮してしまう。

そうやってモヤモヤしている間に、誕生日は来てしまった。

金曜日の夜もデートしたけど

その時も特に何もなし。もちろん私が思いっきり期待していた

「日曜日は誕生日だよね、どこかで食事してプレゼントを一緒に探そう」

なんて言葉はなかった。
そして誕生日の日曜日を迎えた。

ああ。またひとつ年を取ってしまった。しかも彼氏だと思っていた人からは

何にもない。人生では今日の今この瞬間が一番若いって言うけれど

そんなポジティブな気分じゃない。女にとって年齢は残酷。

それを忘れさせてくれるのがパートナーからのお祝いの気持ちなのに。

ひとりぼっちで迎える誕生日って、女には本当に辛い。

友人やSNSの相互フォローの人達からメッセージが入って来る。

「お誕生日おめでとうございます。ますますのご活躍とご健康をお祈りしています」

「おめでとう!楽しい歳になりますように」

「お誕生日、おめでとう。またランチしよーね」

たくさんピコピコと入って来るけれど、本当はありがたいんだけれど

私はただ彼に祝って欲しかったので、今は悲しい気持ちでしかなかった。

テンション高めのメッセージに返信する元気が、出ない。

「誕生日なのに、彼から何もなかった」という事実に耐えられない。

彼と私の関係はとても良好で、お互いにいい感じでいると思っていた。

だからこそ、彼からの何もない誕生日が、私の心を粉々にした。

彼は私の誕生日を忘れてしまったのかな。それとも特に祝いたいと思わなかったのかな?

と、私の心は深い疑問を持ったけれど、何の答えも出ない。

考えるのも疲れ果ててしまった。

私が欲しかったのは高価なプレゼントやレストランのディナーでは無くて

ただ彼からの心のこもったお祝いの一言だけだったんだ、と自分でわかった。

そうしたら、余計に悲しくなって泣けてきた。

心の中で「これが終わりかもしれない」と思うほどガッカリした私。

突然届いたものは…

その時 突然「ピンポーン」が鳴った。

あれ?私ネットで何か頼んだっけ?と不審に思った。

「宅配便でーす」という声に慌てて出たところ…。

受け取った荷物は四角い箱のようなもので、ズッシリと重い。

差出人は...彼だった。

「え?なに?この重たいものは?」

と私はあわてて開けてみた。すると…

箱には見事な夕張メロンが入っていた、そして箱には、

「お中元」と書かれた熨斗紙がついていた。

「お中元ってどういうこと?」

彼にすぐ連絡をとると、彼は

「彼女の誕生日のプレゼントを一緒に買いに行くのが恥ずかしくてできない。

昔からずっとそうで、自分でも困っている。

前にレストランで食事をした時

デザートのメロンを美味しそうに食べて「メロン大好き」って言ってたから

そうだメロンを送ろう、と思ったんだ。

売り場の人が『熨斗はお中元でよろしいですか?』って聞いてきたので

思わず。『ああ、はい』って言ったけど…」


彼の話を聞いて

私は心の黒いモヤモヤが晴れていくのがわかった。

彼はいつも会話も上手で、いろいろな人と楽しそうに話している人。

そんな彼に、そんな極端な恥ずかしがり屋の一面が隠されていたとは思いもしなかった。

私は彼のうわべだけを見ていたし、自分の価値観だけで誕生日について

勝手に思い込んで悲しんでいた。なんてバカだったんだろう…。

高価なメロンをひとりで丸ごと食べられるなんて、私の人生で初めての経験だった。

ちょうど今日が食べごろのメロンは

もう、美味しすぎた。



思い込み

これまで私は「誕生日」といえば、一緒に食事をしたり、

プレゼントをもらったりするものだと思い込んでいた。

けれど、この出来事は私の固定観念を打ち破ってくれた。

食事とプレゼント、それが女性にとっての幸せな誕生日だと思い込んでいたのだった。

その人らしい表現で心を込めてくれたなら

それは最高の誕生日になるのに…。

今回の誕生日のことで私はふたつのことを学んだ。

ひとつは

パートナーの表面だけを見て知った気になってはいけないということ

もうひとつは

恋愛は予想外の出来事を受け入れていくことの連続であること

そんなことを思いながら何日かに分けてメロンを食べたのだった。

メロンをひとりで、丸ごと食べられるなんて夢のような誕生日だった。

私は来年も、メロンをお願いしようと思った。

だって、食事は普段でも行けるし

正直、欲しいものも、そんなにない。

なのになぜ、そんなに

一般的なお誕生日に拘(こだわ)っていたのだろう?

たぶんSNSでも映画でも友人の話でも

「パートナーに祝ってもらうお誕生日・ディナーとプレゼント、花束」

のようなものを刷り込んでいたのだと思う。

この気づきは、ほんとうに自分でもアホらしいと思ったけれど

これからの人生においてもきっと役立つだろうと思う。


思い込みは真実じゃない

私は、彼の特別なプレゼントを、心から大切に思えた。


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