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うつわ屋店主 鎌野さんの「家で過ごす時間」

いま、陶芸家さんやうつわ屋店主、木工作家さんは「家でなにをして、なにを感じているのか?」
聞きたいし知りたい。そんな動機からはじまったプチインタビュー。経緯はこちらのnoteに書きました。

今日はうつわ屋店主、鎌野さんのお話です。

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鎌野さんは東京の千歳船橋にあるうつわ屋「器MOTO」の店主。私と鎌野さんの出会いは、2017年。私がまだ東京に住んでいた頃、インスタで見つけた近所のうつわ屋にふらりと行ったことがきっかけだった。
当時、うつわには全然興味がなかったのだけど、このお店に入ったときに感じた空間の心地よさ。そして、そこに気持ちよさそうに並べられていたうつわに完全に私の心は持っていかれた。何より、鎌野さんの謙虚な人柄とやさしさが疲れた私の身体を潤してくれた。

それから何度も通って、私はここでたくさんのうつわを買ったし、鎌野さんとも色々な話をし、素敵な陶芸家さんとの出会いもたくさんあった。
私のうつわ好き人生のきっかけをくれた大事な場所であり、人である。
そんな鎌野さんとは奈良に来てからもたまに連絡を取り合っていて、私がものを買うときのアドバイザーとして相談にのってもらっている。

シャイな鎌野さんをくどいてインタビュー記事を書かせてもらったときはとてもうれしくて張り切って取り組んだ。その記事がこちら。

ありがたいことにこのインタビュー記事は、note公式にもおすすめしてもらった。そのことを鎌野さんに伝えたら、「何だかよくわからないけど、よかったね。ありがとうね。」と言っていた。きっといまだに何が起こっているのか、よく分かっていないだろう。

そんな鎌野さんに「家で過ごす時間」、聞いてみたらこんなメッセージが返ってきた。

こんばんは。
大変な状況になりましたね。
今は出来る限り気を付けて生活しようと思っています。
出来る限り家にいようと決意しています。

私は子供のころから働き者と清潔な環境やそれを実践している人に憧れるやうなところがあって年とった今も変わらないです。
憧れは強くても実際は怠け者だし徹底したきれいにはどうしてもなれない。そして今、この状況で自分が一番心がやすらかになるのは、気になるところを徹底的にきれいにすることではないのかと思って少しずつ実践しています。

いつも見て見ぬふりをしていた電子レンジの汚れ
レンジフードの上部などなど
気がついたところを拭く、磨く。

それを毎日やってみようと思っています。
それともちろん食事作りも。何しろ時間がたっぷりあるのですから頑張って少しでも張りのある1日を送りたいと今は思っています。
恭子さんもどうぞお身体大切に日々頑張ってくださいね。

これを読んだとき、私は「あぁ…鎌野さんらしいな。」と思った。お店は自宅兼用になっていて、もともとそんなに家から出ない鎌野さんは自分のことを怠け者、と言いながら、目の前にあることはしっかりと丁寧にやる。
色々小さな独り言ごとをブツブツ言いながら、ひたすらに掃除をやる姿がこの文面から目に浮かんで、少し笑ってしまいました。

お店に行くとわかるのですが、鎌野さんは欲がないんです、本当に。
うつわが好きで、気に入ったものを大切に使ってもらいたい、空間を楽しんでもらいたい、という気持ちがいつも真っ直ぐにある。

なかなか、ここまでの人に私は出会ったことがありません。
鎌野さん、どうか元気でいてくださいね。きっと落ち着いた頃にはまたお店に人がたくさん来ると思いますから。ありがとうございます。

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器MOTOのインスタグラム↓


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