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正子さん

深夜に目覚めて寝られないと、誰かの事が頭に浮かびます。
それはだいたい、いま生きて遠方にいて心配な家族です。

十年前はよく父と祖母のことを考えました。
亡くなったので、深夜の考え事メンバーから卒業です。
(かわりによく夢に現れます)

五年前はフリーターの子供です。
恋人のいる北欧に行ったけど、国際キャッシュカードのことを知らなかったり、クレカの返済を口振にしてなくて使えなくなったり、ハラハラさせられてました。

そんな子供は二年前にビザの期限で帰国しました。
コロナが始まり、いろいろあって恋人と破局。
けどまた恋人ができ一年前に中米に渡りました。

だから一年前はそっちの治安が不安で、やはり深夜にぐるぐる考えました。

でも今年になりウクライナ侵攻が始まりました。
ジニ係数が高いエリアで麻薬戦争の飛び火も恐ろしい。
市井の人が普通に狙われる侵略戦争も恐ろしい。

今このとき真剣サバイバル中の人々が存在すると意識したら、自分も、自分のノホホンな子供も、タフさが足りない気がしてきました。
すると子供のことを深夜に考える回数は減りました。

いま一番考えるのは、母と、正子さんです。

母は十年以上、北の生活支援ハウスで暮らしてます。
このごろ母は認知症になるのを心配しています。生活支援ハウスは「私だあれ?」(←母による認知症者別称)になると居住資格が危ういのです。

母は今のところスマホでLINEを使って写真をアップしたり絵文字を使ったりできます。恐らく認知症のことに詳しくなく、知らないことほどホラーの法則(※マイ法則)で囚われているのです。

自分も知らないことには何も言ってあげられないので、本を読みました。

マンガでわかる!認知症の人が見ている世界
認知症世界の歩き方
ケアマネジャーはらはら日記
非正規介護職員ヨボヨボ日記
70歳が老化の分かれ道
80歳の壁

予備知識の引き出しが増し、深夜に母のことを考える回数は減りました。

けれど正子さんのことは相変わらず考えます。

正子さんとは自分の亡父の連れ合いです。
自分が中年子持ちになってからの後妻さんのため感覚的に義母でなく、ただの正子さんです。
父が73で亡くなった際、正子さんは独居で年金手続きする年頃でした。

正子さんは変人の父に十数年もの幸せな時をくれました。
あの父があんなに穏やかに暮らせた事は、過去を振り返ると想像を絶し、感謝しかありません。

葉書きでも書いてみようかな。

#未来のためにできること

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