トリリンガルが話すときの頭の中

今日はせっかくなので、アカウント名にちなんで「トリリンガル」として話す時の頭の中について話そうと思います。ネイティブと第二言語で学んだ講師としての違い、日本語、韓国語を話す時と、英語を話す時とで感覚が違うのと、それぞれ違った学び方をしたからこそわかる違いについてもご紹介します。

3ヶ国語を話せるようになったのは

それぞれの言語レベルと、どうやってトリリンガルになったかの背景を先に触れると…

日本語：母国語
韓国語：母国語
英語：生活したり働くのには全く支障がないレベル（※ ネイティブではない）

日本生まれ、韓国日本育ちで、小学校に入る前までは日本と韓国をずっと行ったり来たりし、小学校から中学3年生ぐらいまで夏休みに1ヶ月間丸々韓国に帰るという生活で、日本語と韓国語は自然と話すようになりました。

韓国に帰った時は空港で自然と韓国語に脳がスイッチし、日本に戻ってきた時は日本語脳に戻るという感覚です。小さい時だったので何も考えずに自然とスイッチされていました。

英語に関しては、大学生の時まではほぼ全く話せず、独学で猛勉強をしたり、外国の友達を作って少しずつ話すようになり、アメリカの大学院に4年間留学してようやく話せるようになりました。

日本語と韓国語は完全なバイリンガル（ネイティブ）として覚え、英語は大人になってから頑張って話せるようになったので、言語として学ぶ感覚が全然違います。

韓国語を話す時（ネイティブ）

韓国語を話す時は日本語と全く同じ感覚で、何も考えずに話します。韓国語で話す時は考える時も韓国語がメインになりますが、時には内容は日本語で考えながら、話す時は韓国語を話しています。日本語を訳すという感覚ではなく、考える＝日本語、話す＝韓国語と自然に分かれているイメージです。訳そうという意識がないのと、訳さずにそのまま日本語と同じ感覚になっています。

英語を話す時（第二言語、非ネイティブ）

これと違って、英語の場合は第二言語として勉強して話せるようになったので、日本語とは異なる感覚です。

頭の中では日本語で考え、話す時に英語になる（英語で組み立てる）イメージです。ただ、日本語と同じように使える（考える）フレーズもあります。簡単なフレーズで"Thank you." "Hello, how are you?" "Good." "Great." "Bye"など、「英語」として一生懸命学んだフレーズではなく、普通の社会の中に溶け込んでいるフレーズは日本語と同じような感覚で使います。これはきっと英語を勉強している人以外も同じかも知れません。

英語を話す時は英語で考えているのか、英語脳になっているのか（頭の中は英語だけになっているのか）というとそうでもないのです。簡単なことや慣れたことならわざわざ「日本語⇒英語」に訳そう、「主語は何だっけ？動詞は何だっけ？前置詞何を使えば良いんだったっけ？」と考えないのですが、少し考えるような内容や、ややこしい文法になると、日本語で考えをまとめたり、言いたいことは日本語のまま、英語で似たような表現で変換する（組み立てる）ようになっています。

正直、子どもの頃までに（遅くとも高校生までに）海外で育った人じゃない限り、ほぼみんなこのように『日本語をベースに考えて⇒英語で話す』になると思います。そう思うと、小さい時に英語の環境で英語で考えて話すことを刷り込ませるのがいかに大事かがわかりますね。

まとめ

トリリンガルの私の経験からすると、ネイティブと大人になってから聞ける、話せるようになった非ネイティブとでは考える時、話す時の言語の使い方が変わります。第二言語を学んで、ネイティブのようになりたい（英語で考えて英語で話せるようになりたい）場合は、遅くとも高校生になるまでに海外の環境に身を置く（あるいはインターナショナルスクールなど英語ばかり話す、聞く環境に身を置く）ことが必須です。

大人になってからは、「日本語で考えて英語で話す」のは普通なので、逆に言うと、「いつまで経っても英語を話す時に頭が日本語のままだ…」と落ち込む必要はないのです。日本語で考えてもOKですし、むしろかなり英語が話せる人でもほとんどみんな考える時（考え、アイデア、思い自体）は日本語になっているのではないでしょうか。

少しずつ"Thank you"と同じレベルで使えるフレーズが増えていくと「日本語⇒英語」の時間がなくなっていくので、英語自体も話しやすくなりますし、脳への負荷も減っていくので、よく使うフレーズを自分のものとして落とし込んでいきましょう！英語を頭だけで知識として覚えるのではなく、口、耳、目の体で英語を沁みこませていきましょう！