【最後のお泊まりかな】
久々のやんちゃ坊主の登場です。
この子は覚えておられる方も多いと思うのですが、『本名 コロタン』
小園家では『コロ助』です。
山の中で野犬として産まれたこの子は、センターに捕獲され保護団体さんに引き出されました。
そして保護団体さんの譲渡会にもエントリーできないくらい大人しい子。
ではない!
生粋の野犬の気質を持った、プライドの高い野犬の男の子。
今年11月で2歳になります(推定)
話せば長くなりますが、譲渡会を見にこられた今の飼い主さんが、鳴かなくて大人しい子だからと譲渡してもらいましたが、飼い主さんの諸事情でペットホテルやらご近所やらに預けられ、脱走劇を繰り返しうちにやって来ました。
来た当初は絶対にお前らなんかの言うことなぞ聞くもんか!
というオーラ丸出しで、こちらの提案なんぞ聞き入れる様子はゼロ。
コニーとリリーと私で何とか、本当に何とか人と暮らすという事を伝えました。
飼い主さんは定年を迎えたら山の中でコロ助と暮らすつもりだったらしいのですが、何しろ飼い主さんに心を許さない。
新型コロナウイルスの影響で、飼い主さんも在宅ワークになられたのをきっかけに、うちから卒業するはずでした。
うちから戻るという日、私も飼い主さんのお宅へ一緒に行き、ケージのセッティングやら注意事項やらカルテもお渡しして、一件落着のように思えたのもつかの間。
いかなる時もケージの外ではリード着用は必須だと伝えたにも関わらず、リードを外したばっかりに脱走。
縁下に入り込んで、約3週間捕まらなかったのです。
お腹が空いても絶対に近寄ってこない。
始めはフードを玄関に置いたりしました。
でもそれだとその生活を容認してしまうことになると、一切食べ物を置かずの戦い。
3週間目に突入してもコロ助は降参しない。
最後の作戦、これで失敗したら諦める。
という、野犬捕獲に詳しい人に聞いた作戦を実行。
実行7日目にして捕獲が成功しました。
たった3週間と言えども、飼い主さんにとっても私にとってももちろんコロ助にとっても長い時間でした。
17kgまでうちで増やした体重はあっという間に来た時よりも減って13kgに。
家に戻ってから初めてした💩は草や木の枝ばっかり。
そんなにひもじくても帰りたくなかったのですよ。
縁下がよかった訳では無いのです。
帰りたい家ではなかったのです。
飼い主さんが思う犬への態度や勘違いを最初から説明し、それでもなかなか実行して貰えず、かなり大変だったのですが、やっとここまで来ました。
野犬として産まれた子はスタートが違うので扱いを間違えるとお互いに辛い思いをする結果になります。
飼い主さんは今回3日間コロ助を預けられ、会社の用事や引き継ぎを終えられたあと、定年退職されます。
いよいよ本格的にコロ助との暮らしが始まります。
お疲れ様でした。
【お願いしたいこと】
野犬の子を引き取られた方、犬はどうしても散歩に行かなければならない。
これは間違っています。
コロ助もそうでした。
散歩に行かなければと私も思いました。
でも、散歩に行かなくても生きていけます。
怖がって震える子を無理やり引きずって連れて行ってもその子は幸せになることはできません。
自分から出てくるまで、そっとケージの中に入れて置いてあげて貰えませんか?
そこが落ち着く場所だとわかれば、逃げることはしません。
帰りたい、ここにいたいという家にしてあげて貰えませんか?
むやみやたらに声をかけず、そっとしておいて貰えませんか?
知らない場所で不安でたまらないのに、矢継ぎ早にあれこれさせられ、あれこれ言われたまらんのです。
シャンプーも後からでもいいです。
シャンプートレーニングなんてもってのほか。
とにかくそっとしてあげて欲しいのです。
歩み寄ってくるまで待っては貰えませんか?
心からのおねがいです。
コロ助より
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