見出し画像

大学と企業の研究のちがい

大学の博士課程をおえて、会社に入社したのが4年前。会社でも研究職についています。研究生活も長くなりました。

これまでの経験から、大学での研究、企業での研究の違いを書いてみようと思います。

全体的に長くなってしまったので、さくっと結論を知りたい方は、3.大学と企業の研究の違いにとんでください。

*大学には博士課程の学生としていたので、ポスドク(短期で雇われる研究者)、教授は違う観点を持っていると思います。

1. 研究とは?

そもそも研究ってなんだろう?私なりに考えてみます。

「未知のものに取り組むこと」

でしょうか。

たとえば、理由のわからない現象を解明したり。空はなぜ青いの?のような疑問に答えるものです。

たとえば、新しい現象そのものを発見したり。雷の閃光を写真に収めるとか。歯の原子配列を観察したり。

または、新しい方法を開発するとか。人工知能AIのプログラムを開発したり。富岳の飛沫シミュレーションも。

研究と呼ばれるものは、解明、発見、開発と多岐にわたっていますね。これらをひっくるめて、未だ知られていない未知のものに取り組むこと、としました。あくまで私の定義です。そのうち変わるかもしれません。

2. 大学と企業の目的

これはちょっと難しい。そもそも大学の目的ってなんなんだ?と思って母校のHPを見てみました。教旨(ミッション)というページがあったのでクリック。実は初めてみました、、、。10年いたのに知らなかった。

そこに書いてあったことをまとめると、

大学の目的
1. 教育
2. 研究を社会に役立てる

2番に関しては驚きでした。役立てるという言葉が出てくるとは。論文を残すのも役立てるうちの1つですが、実感は薄かったなあ。

企業に関しては、

企業の目的
1. 社会に価値を提供する
2. 利益を得る

1.価値を提供した結果、2.の利益を得るということかなと思います。お金がないと活動できないので、お金は切り離せないと思います。

3. 大学と企業の研究の違い

大学の目的と企業の目的に対して研究を行うと、違いになります。研究は研究なので、大学でも会社でもやる事は変わらないです。未知のことを検証したり、開発したり、成果をまとめたり、共通していますね。

違いをまとめるとこんな感じです。あくまで、私の勤めてる会社の場合です。

大学の研究
- 社会の役に立つ内容=なんでも
- 興味がつづく限りやる
- 専門性が高い
- 成功したものを発表する
企業の研究
- 製品に直結する内容
- プロジェクトが必要なくなれば終了
- 大まかな専門はあるけれど、何でもやる
- 失敗も記録する

大学は、お金になることを意識しないので、テーマの自由度が高くなります。大学でも期間を決めてプロジェクト研究をする場合があります。ただ、期間が終われば、また同じ分野で新しいプロジェクトを立ち上げるので、興味が続くまでとしました。

企業は、製品に関わる研究をするので、わりと何でもやります。私は熱、振動、強度、、、気がつけば何でもやっていました。

研究とは異なりますが、生活の安定度も違います。

大学は(正社員のような)常勤の教授になれば、生活が安定します。それまでは(短期間の雇われ研究者)ポスドクの職を転々とするようです。大学の数は限られているので、ポスト探しは大変な印象があります。

企業の研究者は、基本的には正社員なので生活は安定すると思います。

私の考える違いは、こんな感じになりました。

うーん、難しかった。

参考になったら嬉しいです(^^)

よろしければサポートお願いいたします(^^)頂いたサポートは、新しい学びの資金にさせていただきます。