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小さなお願いができるようになるまで

「このファイルどこにあるんだっけ?」
「この前教えたよ。」
「忘れたから教えて。」

こんなやりとりを何度しただろうか。

彼と一緒に働くなかで色んなことを学んだけれど、こんな小さなやりとりに衝撃を受けたことをよく覚えている。

今日はメンター、日本語だと師匠にあたるのだろうか、前の会社での先輩の話をしてみる。

師匠なんて書くとゾワゾワしてしまう。わたしは以前は大学で研究をしていた。その間、ボスとは師弟といえる関係になっていた(うわあっ)。その頃のトラウマで、師匠という言葉がとても苦手だったりする。

わたしの考えるメンター。それは、どうしようか困ったときに、「その人だったらどんな判断をするのか、どんな行動をするのか」を想像して、思いきってその判断にのってみることである。


会社で勤めていたときに、特に苦手なことがあった。メンターパワーを借りてマシになった今でもちょっと苦手だ。

それは誰かに「お願い」をすること。

誰かに仕事をたのむなんて大きなことじゃない。もっともっと小さなお願いをすることが、とても苦手だったりする。

会議のスケジュール変更をたのむ
商品の開発状況を聞く
ファイルの場所を聞く

とくに自分にミスがあったときに、お願いするのはかなりの勇気を必要とした。会議をあやまってダブルブッキングしてしまった、とか。以前に聞いたのにファイルの場所を忘れてしまった、とか。

会議の時間を変更したいので、◯日の◯時は空いていますか?

これだけを送るのに、時間がかかっていた。今は会議中みたいだから、あとで送ろう。そうだ、1日ねかせて文章をみなおして明日送ろう(なぜだ)。

noteの記事ではないのだ。1日ねかせる必要はまったくない。なんだったら発酵ではなく腐敗が進み、状況は悪化するばかりである。

小さいお願いであっても、迷っている時間は確実に消費されていき、進捗が遅くなってしまう。納期を守るために、小さいお願いに全力の勇気をふりしぼる必要があった。

そりゃ消耗しちゃうよね。


とあるプロジェクトで、先輩と一緒に仕事をするようになった。そこで、相手にどう思われるか気にせず、質問しまくる先輩の姿をみて、「あれでいいのか!」と目
を見開いた。

冒頭の、

「このファイルどこにあるんだっけ?」

は何回聞いたか分からない。わたしも質問されたし、他の人にも聞いている姿をよく見かけた。先週も同じ質問されたけれど、再び質問されたことに対してイラつきはなかった。わたしも忘れるし、忘れちゃうことは仕方ないことだ。


わたしの小さなお願いが苦手って、一種の完璧主義だったと思う。小さなことでも、ミスを指摘されたくないし、ミスしたと思われたくない。

でもさ無理なんだよ。
話を聞いていないときもあるし、忘れちゃうし、ダブルブッキングしちゃうものなんだよ。

だって、自宅にパソコンを忘れて職場に行くくらいなんだよ。
わたしは基本ポンコツだ。

それがミスもないなんて無理な話だった。
自分を縛りまくって窮屈にしていただけだった。


今でも、こんなこと聞いたら、と迷うことがある。メールを1日ねかせたくなるときもある。
そんなときはメンターを召喚する。

飄々とした様子で、言うだろう。

「忘れちゃった。」



ちなみに、この先輩はめちゃくちゃ仕事ができる。サボっていることもあったけれど、成果をだすと決めたことに対しては、フルコミット。その結果、一緒に仕事をする人は120%の出力を求められ、プロジェクトが終わるころにはボロボロになる。わたしはなった笑。

そうそう。メンターについて全く書いていないと思ったら、以前ちゃんと書いていました。
その記事では「一歩踏み出す」に焦点をあてて書いています。読んでみてね。


お読みいただき、ありがとうございます。
次の記事でお会いしましょう。

またねー!


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