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グリーンランドの女性たち

黒髪に茶色い瞳を持つ彼女たちの姿に、親近感を感じずにはいられなかった。

デンマークの学校で出会ったグリーンランドの女性たち。アジア系の顔立ちに驚いてしまった。はずかしながらデンマークに行くまでグリーンランドのことは何も知らなかったのだ。

世界地図でその場所を眺めたことくらいはあったかもしれない。緑の広がりを想像させる国名をかろうじて知っているくらいだった。

グリーンランドがデンマークに所属していることも初めて知ったし、彼女たちの顔立ちがわたしたち日本人に近いことも驚きだった。

もちろん生活スタイルは全く違う。極寒の地での彼女たちの暮らしは、冬場は車による移動ができなくなり、自然と集落にこもることが多くなるそうだ。一方で、夏場は背の低い草が生い茂り、その様子からグリーンランドと名がつけられるくらい気持ちのいいものらしい。

デンマークの学校では、みんな寮生活をしており、食事は三食とも学校が提供してくれる。環境問題への意識からベジタリアン料理のみが並ぶなか「肉が欲しい!肉を出してくれ!」と一緒に祈ったこともあった。彼女たちの生活では狩猟が身近なのだ。鹿(Deerといっていたけれどトナカイかもしれない)をハントした写真や、アザラシを海辺から狙う話を教えてくれたりもした。

ホッキョクグマが街中に侵入してしまい、ホッキョクグマを退治した写真も見せてくれた。吊るされているホッキョクグマの写真は中々なカルチャーショックをあたえてくれた。ちなみに彼女たちにとってもホッキョクグマを見ることは稀らしい。

そうそう。グリーンランドの食材を持ってきてくれて、一緒に食べてみたこともあった。クジラの刺身に一角の皮、そしてアザラシの脂を食べることができた。すべて生だ(おそらく冷凍して解凍させていた。そうであってほしい)。なんて経験だろう!

そんな彼女たちのルーツに興味を持つのは自然なことだろう。

「グリーンランド人のルーツはどこなの?」

と聞いてみると、思わぬ答えが返ってきた。

「はるか昔にモンゴルから北上してきた人たちが、ロシアそしてカナダをわたってグリーンランドに来たらしいよ。」


わたしがグリーンランドの彼女たちに質問したように、わたしも日本人のルーツを聞かれたことがある。

思いがけない質問だったけれど、海外の人からすると、中国人や韓国人との違いが気になるらしいのだ。

聞かれたときは、知識がなくもちろん答えられなかった。

それから、暇なときを見つけてはときおり調べていた。悔しかったのだ。

諸説あるらしいけれど、最近のDNA分析によれば、ロシアを通り北海道に移動してきた人々、そして朝鮮半島から日本の南に移動してきた人々が存在しており、わたしたち日本人はその混血と考えられるそう。

その大元をたどると、アフリカ大陸を起点とし、ユーラシア大陸へ移り、そして中国やモンゴルまで移動した人。その人たちの中から、さらに日本に移動した人が現れたそう。

壮大ですよね。

わたしは美術館や博物館にいくのが好きなのですが、そこにあるのは貴重なものとはいえ古くても数千年前のもの。

それが、人類の移動の軌跡となると、そのスケールはいっきに数万年にまで拡張されるのです。



グリーンランド人の彼女たちに会い、そしてルーツについての話を聞いたときに、突如として人類の歴史にふれることになったのです。

アジアのどこかで立ち止まり、グリーンランドに向かった人々、そして日本に向かった人々。

彼女たちのそして私たちの姿に、遠いむかしに枝分かれになった人類の歴史が浮かび上がってくるのです。彼女たちは人類の足跡でもあります。

そうそう、グリーンランドでは西と東で言葉も住んでいる人々も少し違うようです。東の人たちはよりアジア人に近い顔立ちをしているそうです。

グリーンランド、いつか行ってみたいなあ。


体験をともなって知識が深まるのも旅の醍醐味だなと思います。
「世界を知って日本を知る」そんなコンセプトをもとに旅をしていますが、まさに、な出会いでした。

次はどんな出会いが待っているんだろう!



お読みいただきありがとうございます。
次の記事でお会いしましょう。

またねー!


日本人のルーツはこちらのページが参考になるかもしれません。


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