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「全員経営者マインドセット」の感想と概要

マインドセットに関する本。本書では経営には4つの要素

・ミッション/ビジョン/中期目標
・戦略力
・組織力/人材力
・市場創造/イノベーション

があると定義されており、そのうちの「組織力/人材力」を強化していくための本になっております。具体的は方法や例など多く、日常業務に落とした時のイメージが、個人的には明確にわきました。

また、取り入れたメリットだけでなく、「取り入れなかった時のデメリット」にも触れられており、サラリーマンの、特に中間管理職以上の方にはオススメです。

本書について

元株式会社ガリバーインターナショナル(現 株式会社IDOM)専務取締役の吉田行宏 著の本書。前作の「成長マインドセット」の続編的な部分もあり、個人的には「成長マインドセット」を読んでから本書を読むと、より理解が深まるのでオススメです。

成長マインドセット↓

「経営戦略」や「市場創造」に注目が集まりがちですが、本書を読んで、それと同じくらい「組織力」、そしてそのための「ビジョン」が重要なんだと改めて認識させられました。確かに、業績のいい会社は、社内の雰囲気も良く、社員のモチベーションも高いですよね。

本書が素晴らしいのは、実際に著者・吉田さんが行なっているセミナーの参加者の声や、具体的な実践方法が記載されているので、自分が実践した時のイメージが明確に持てるところ。さっそく実践したいと思うところがたくさんありました。

ぜひ「成長マインドセット」と併せて読んでみてください。
以下、
章ごとに個人的にメモっておきたい内容を、勝手な解釈とともに記載します。

Chap.1 自社の組織は強い?弱い?

会社の成長に不可欠な4要素
・ミッション/ビジョン/中期目標
・戦略力
組織力/人材力
・市場創造/イノベーション
【MSマトリクス】
▼タテ軸の定義
 1、当事者意識
 2、覚悟
 3、オーナーシップ
 4、全体最適
 5、ミッションフィット
 6、バリュー体現
▼ヨコ軸の定義
 1、テクニカルスキル
 2、組織マネジメントスキル
 3、コンセプチュアルスキル
 4、戦略思考力

MSマトリクスシートはこちらからダウンロードできるようです↓

Chap.2 マインドセットの高い人、低い人とは?

マインドセットは6つのゾーンに分けられ、それぞれ特徴がある

Aゾーン
「マインドセット」も「スキル」も高めのミドルリーダーゾーン。転職市場にはあまり流出しないので、社内での育成も重要なテーマ。

Bゾーン
「マインドセット」は高めだが「スキル」は成長余地ありゾーン。

Cゾーン
「スキル」は高いが「マインドセット」はあまり高くない注意が必要なゾーン。全体最適より、部分最適や個人最適思考が強い。

Dゾーン
「スキル」「マインド」ともに未熟なゾーン。新卒社員。

M100
「マインドセット」が100を超えたゾーン。

MSSゾーン
「マインドセット」も「スキル」も超えた、経営者ゾーン。このゾーンに多くのリーダーが集まるような組織にできれば、会社はとてもよくなる。

マインドセットの6つの要素について

【要素1】当事者意識

「ビジョンが浸透してないよね〜」
「会社空気悪いよね〜」
 ↓
「ビジョンが浸透していないから、私がしっかり伝えよう!」
「会社の空気が悪いのは私の責任だから改善しよう!」

自分の責任の割合が低いほど「他責」にする姿勢が強く、当事者意識も低い傾向がある。また、自ら解決のアクションを起こそうとはせずに課題の指摘や意見を言うにとどまる
【要素2】覚悟
ものごとが自分の思い通りに進まないと、人の心の中には不満や悩み、迷いが生まれます。こうした心の中がモヤモヤとした状態は、人の行動に無意識の「ブレーキ」となって作用します。まず、自分が「ブレーキ」を踏んでいるということに気づき、踏まない覚悟することが大切。

Ex)
「自分のではなく他の案が採用された」
 ↓
「自分の案だったらもっとうまくいったはず」
「要素3」オーナーシップ
会社にいる限り、会社の環境や船の状況に対して、自分がどう影響を与え、変化させられるかを考え、本気で行動することが重要。
「仕事」と「自分の人生」を完全に切り分けて考える人が少なくないが、「仕事も人生の大切な要素」と考えると、自分の仕事にオーナーシップを持てない人が、自分の人生にしっかりとオーナーシップを持てているのかは疑問。
【要素4】全体最適

「今回の評価制度、営業部には不利だよね」
「それは、法律上できません」
 ↓
「この改定で、数字以外のプロセスも評価されて、営業部以外のことを考えるといいと思う」
「難しいかもしれませんが、解決策がないか対策を考えてみます」

部分最適が蔓延すると、部門の都合が優先されて、顧客価値や中長期的な視点を失う。「セクショナリズム」や「大企業病」
【要素5】ミッションフィット

会社のミッションと、自身の日常業務を正しくつなぎ、フィットさせられること。会社のミッションと日常業務の間の関連性やストーリーを感じ取る能力が必要になる。
【要素6】バリュー体現

バリューを浸透させるために最も重要なものは、「バリュー体現度の高い生身の人間による影響」

マインドセットとロイヤリティは違う

<共通点>
・自然に生まれる
・強制したり、求めたりするものではない
<違い>
ロイヤリティ:依存リスク
マインドセット:自立している

マインドセットとモチベーションの違い

<共通点>
外から見てもやる気を感じる
<違い>
モチベーション:上がっても元の位置やさらに下に行くことも
マインドセット:容易に元の位置には戻らない

Chap.3 マインドセットは、誰から、どう向上すべきか?

採用と育成は、組織戦略の両軸として重要であり、そのための原理原則を知ることが、組織マネジメントの重要な入り口。

個人の成長に必要な5つの要素
1、適性・才能
2、意識・工数
3、理論・型
4、場・経験
5、継続・年数
実践前の注意事項
1、5つの要素のバランス
2、成長期間
3、優先順位の勘違い
 →2:6:2の上位20%からアプローチ
4、言語バラバラ
5、リーダーレベルの過信

Chap.4 リーダーのマインドセットとスキルが向上する方法

リーダーの役割
「目標の必達」

制約条件
「永続的な組織の維持」
【組織マネジメントスキル4要素】

リーダーシップ
率先力・主張力。目標に向けて組織を統率できる能力

フォロワーシップ
調和力。メンバー一人一人の気持ちを汲み取り、チームがうまく機能するために、周囲との調和を保てる能力

戦略立案力
差別化戦略計画力。物事を構造的に捉え、全体の因果関係・影響関係を把握する俯瞰力を用いることで、実現可能性の高い、効果的な施策を構築できる能力。

テクニカルスキル
特定分野の業務における高い専門知識やノウハウ。特に実行段階においては、テクニカルスキルによる行動が強く求めらる。
【視点・視野・視座が大きくしマインドセットを上げる方法】

権限・責任・情報を可能な限り与える

完全にできるようになったら任せるのか、あるいは任せることでできるようになるのか。
多少のリスクをとってでも後者を選択した方が、中長期的に社員も会社も成長する。
組織マネジメントスキル向上に必要な要素5つ

1、適性・才能

2、意識・工数

3、理論・型
 →Should/Need/Want
  能動的行動・主体性こそが原動力に。


4、場・経験
 →リーダーを本陣に集めて「本陣会議」
 →PJTを一任し当事者意識100%を養う


5、継続・年数
①成長育成設計図
②成長育成対象メンバーに、成長の重要性やあなたの想いをしっかり伝える
③そのメンバーと、成長育成の目標イメージと期限を握り合う
④その期間、メンバーの成長に真剣に向き合う
⑤一定期間(約半年)に1回、成長の進捗や課題について共有し、一緒に考える

Chap.5 MSマトリクスを採用・評価にも活用する

【MSマトリクスツリー】

成長マインドセット
MS Matrix(コンセプト)
 ↓↓↓
MS1 自社組織現状把握&目標設定
MS2 組織力強化
MS3 採用
MS4 評価
【採用ターゲット】

Bゾーン=PP人材
 マインドセット:高め/100%になれる可能性
 スキル:まだ高くないが伸びしろがある

真面目、素直、一生懸命、地頭の良さ、若々しさ、元気。
伸びしろがある人材です。

<採用戦略>
マスからいかに多く応募してもらうか。
認知ブランディングが必要。
※過度なブランディングは入社後の離職増加につながる


Aゾーン=MX人材
 マインドセット:高め/100%になれる可能性
 スキル:テクニカルだけでなく、
     マネジメント経験・スキルが高い

ほとんどの会社でこの人材は不足。
中途採用の難易度は非常に高い。

<採用戦略>
経営マターとしてトップが率先して活動。
紹介・スカウトなどネットワークを最大限に活用すべき。
3〜6ヶ月、場合によっては年単位の時間が必要。
【面接で見極める3つのポイント】

1、発揮&成長可能スキル
 →「保有している」と「発揮する」は違う
2、適性・才能
3、マインドセットの高さと向上可能性

 →候補者のアクセルとブレーキを確認。
  ネガティブな転職理由は採用後にも
  他責ブレーキを踏んでしまう可能性が。
【実績偏重評価のリスク】
1、ミッション・ビジョンの未達
2、中長期的な運営コスト
 →採用サイクルの高速化など
3、業績が厳しい時に踏ん張れない
〜「着眼大局」「着手小局」の心がけで取り入れる〜

着眼大局
MSマトリクスで〝全員経営者マインドセット組織〟をつくる
着手小局
マインドセットも重視した、採用・育成・配置・評価制度の運用を日々改善しながら、継続していく

Appendix マインドセットが上がり、戦略的思考が磨かれる"船員経営者弁証法的会議"

【弁証法的会議のポイント】

1:居酒屋で愚痴を言わなくなる方法
2:心理的安全性の担保
3:人の意見に相乗りできない全員同時アウトプット法 
 →具体的な実施の仕方は本書参照
4:制限時間・最終意思決定者を最初に決める
 →多数決はNG
5:「正解はない」という共通理解と覚悟
 →正解を選択するのではなく、
  選択したものを正解にする  
6:成長・育成の場
7:戦略向上と目標の達成
【弁証法的会議の注意点】

1:状況によっては弁証法よりも優先すべき指示もある
2:継続しない策は意味がない
 →継続する仕組みを考えることが非常に大切




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