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夢見るニートじゃいられない。

はたらくってなんだろう。
コンテストのお題を見たときに、わたしには書く資格がないと思っていた。

わたしは無職だ。はたらいていない。
はたらくと言うと、どうしても金銭が発生する。わたしは、はたらく=収入が得られる、という認識をしている。おそらく間違ってはいないはずだ。

数年前に会社を辞めた。夢があったからだ。やっと自分のやりたいことができると、当時はすごく浮かれていた。だが、それは職を失うことと同じ意味だった。


職を失う、つまり収入がなくなると、精神面への不安が出てくる。会社に勤めていたときは実家暮らしだったため、好きなようにお金をジャブジャブ使っていた。それだけが、わたしを突き動かすモチベーションの1つだった。

仕事をしていると、どうしてもストレスが溜まる。それを発散させたいがために、好きな服やコスメを買い、ちょうどいいサイズの靴を履き、誰にも咎められることなく、猫のように気ままに遊んでいた。ある意味、自由だった。

だがなんとなく、このままではダメだと将来を見据えるようになった。そして、自分の「好き」を仕事にしたいとよく考えるようになった。

ところが、現実は甘くなかった。転職した先は、ゴリゴリの体育会系タイプの人間がずらりとひしめいていた。仕事は楽しかったが、職場の人間関係をうまく構築できず、数か月で退職した。ほんとうはもっと、そこに居たかった。


そうしてわたしは無職になった。あっけない夢物語だった。11年間働きづめだったため、すこし休もうと思った。ここで問題が起きた。はたらかないと、お金がもらえないのである。

仕事がない。お金がもらえない。不安になる。いわゆる負の連鎖だ。

ただでお金がもらえるなんて、もちろん思っていない。だが、お金がもらえなくなる状況というのが、こんなにも怖く感じるなんて、知らなかった。


今、わたしは家で好きなことをしている。かろうじて、夢は諦めていない。一定のお金は入ってこないが、仕事に対しての報酬はきっちりもらえている。この上なく嬉しい。

ぼうっと生きてるだけだと、お金がないどころか、任せてもらえる仕事もない。社長になりたくても、お金を生み出すノウハウも、手順も知らない。雇用関係というものが、いかにありがたいか気づいた。

はたらくって、なんだろう。

お金より、目に見えない価値を追い求める人もいるだろう。しかし、いくら真実の愛であろうとも、愛だけじゃ食べていけない、生きていけない。好きなことをして、生きていけないのである。……念のため、今は。とあがいておこう。

仕事を辞めてから、もうすぐ1年が経つ。
わたしにとってはたらくということは、いつの間にか「生きること」にすり替わってしまった。おそらく、間違ってはいないだろう。

愛する人と生きる。

やれ収入の柱が必要だ、専業主婦じゃいられない、なんていうのは贅沢な悩みなのかもしれない。それが自分であれ家族であれ、同じことだ。

愛する人と生きたい。
愛する人と生きていたいから、はたらくのである。

読んでいただき、いつもありがとうございます。とても嬉しいです!