新しい生活様式

4日夕方の安倍首相の記者会見。期待をしないで見ていたが、まぁそれでよかったと感じながらだった。記者会見でエモーショナルな言葉を入れるのが安部流なのだが、それは選挙演説とか、支持団体の発言とかでやってほしいもの。記者会見は、事実を正確に伝えるためにやるものであって、気持ちを伝えるものではない。それには辟易している。

今回の記者会見、その前の専門者会議での展開に少し驚いたのが、人口当たり感染者数がワースト3にある富山県が、特別警戒都道府県の仲間入りをしなかったこと。3月中は「感染者ゼロ」の「神5」だった当県も、準決勝敗退後は、集団感染の発生もあり急増。209名の感染者のうち、3週間以内の感染者が188名と90%を占め、人口当たり感染者数は東京都・石川県に次ぐワースト3位、人口当たり死亡者数も、石川、福井、東京に続くワースト4位(しかも福井県はここ数日新規感染者が出ていない)である。人口の絶対数が少ないので見逃されているのかも知れないし、集団感染が感染者数の半分を占めるという判断なのかも知れないが、一県民としては解せないところ。

その記者会見でも触れられたが、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が、5月4日に示した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」では、「新しい生活様式」を提示している。HPはコピペが出来ないので、5月5日の日本経済新聞の記事をベースに、自分のことと比較してみる。

【一人一人の基本的感染対策】
▽感染防止の3つの基本(1)身体的距離の確保(2)マスクの着用(3)手洗い

これは問題ない。「身体的距離の確保」では、近くなるのは散髪と整体くらい。職場も近いが、この比ではない。

髭男爵の山田ルイ53世が、5月4日配信のポッドキャスト「髭男爵 ルネッサンスラジオ」で触れていたが、

僕、人の付き合い8割減らしてくれって、政府専門会議のお達しありましたけど、今の状態から8割減らそう思ったら、家族捨てるしかないというね(笑)。そもそも社交もなければ、仕事もしてないんだからというね。

私も近い境遇である。独り者だから同居家族もいないし、富山に見知った人も少ない。会社が休みなので、8割接触減はおのずと達成されている(笑)。

・人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける
・遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
・会話をする際は、可能な限り真正面を避ける
・外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用
・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる
・手洗いは30秒程度かけて水とせっけんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)

これもまぁ問題はないでしょう。着替える、シャワーを浴びるはどうだかと思うけど。

▽移動に関する感染対策
・感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える
・帰省や旅行は控えめに。出張はやむを得ない場合に
・発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモにする
・地域の感染状況に注意する

移動は最低限だし、県境を越えたのはいつの日か。この2ヵ月半で、出張が必要な仕事と必要でない仕事があぶり出されてきた感がある。特に、来富される方の8割は、夜目的であるので、ほぼいらない(笑)。

「発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモにする」は、これまでも心がけている。AndroidのGPS機能はオンにして、どこに行ったかは記録しているし、社内外の会議などで、誰に会ったかは、ダイアリー(Googleカレンダーの過去分は予定からきちんと修正)に残すようにしている。これは作家の佐藤優さんの発言から習慣化している。

【日常生活を営む上での基本的生活様式】
・まめに手洗い、手指消毒・せきエチケットの徹底
・こまめに換気
・身体的距離の確保
・「3密」の回避(密集、密接、密閉)
・毎朝体温測定、健康チェック。発熱または風邪の症状がある場合は無理せず自宅で療養

当たり前といえば当たり前。さすがに冬場の換気は躊躇われる(というより寒い)ところだったが、季節が良くなり、換気は躊躇しなくなるだろう。

これほど毎朝体温を測ることもなかったが、お陰で平熱がどの程度かもわかってきた。(先日行った某大手衣料品量販店Uでは、入店時に検温された。)

【日常生活の各場面別の生活様式】
▽買い物
・通販も利用
・1人または少人数ですいた時間に
・電子決済の利用
・計画を立てて素早く済ます
・サンプルなど展示品への接触は控えめに
・レジに並ぶときは、前後にスペース

これが引っかかった。

「通販も利用」というのは、ただでさえ逼迫している物流事業者、就中ラストワンマイルのドライバー・スタッフを疲弊させるだけな気がする。観光バスやタクシーのドライバーさんが助けられる(助けたくないかなぁ)体制が出来ないだろうか。また、「置き配」も推奨してあげるべきではなかろうか。(私はマイ「宅配ボックス」を利用してます。)

また、電子決済の利用も、接触機会の減少を狙っているのだろうが、どうも下心が見える。

▽公共交通機関の利用
・会話は控えめに
・混んでいる時間帯は避けて
・徒歩や自転車利用も併用する

幸い、公共交通機関を利用せずに済む環境(通勤は自家用車。北陸新幹線は1月中旬以来使っていない。富山地鉄の路面電車・バスも2月下旬が最後だろう。)だが、テレワークや時差通勤の出来ない仕事の方にしてみれば、何寝言言ってやがるという気持ちだろう。私も東京に住んでいれば、そう思ったはず。

▽娯楽、スポーツなど
・公園はすいた時間、場所を選ぶ
・筋トレやヨガは自宅で動画を活用
・ジョギングは少人数で
・すれ違うときは距離を取るマナー
・予約制を利用してゆったりと
・狭い部屋での長居は無用
・歌や応援は、十分な距離かオンライン

最後の「歌や応援」って何を意味するのか不明。

▽食事
・持ち帰りや出前、デリバリーも
・屋外空間で気持ちよく
・大皿は避けて、料理は個々に
・対面ではなく横並びで座ろう
・料理に集中、おしゃべりは控えめに
・お酌、グラスやおちょこの回し飲みは避けて

飲食店への配慮が滲むこの部分。飲み会もいいんだね?といわれかねない。大皿は避けてとなると、中華料理屋やイタリアンなどは痛手でしょう。また、複数名で定食のおかずをバラバラに頼み、それをシェアするのもダメだと。「料理に集中」って、これって「一蘭」推しってことか(笑)。

▽冠婚葬祭などの親族行事
・多人数での会食は避けて
・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない

冠婚葬祭って、そもそも多人数が集まるものだし、親戚づきあいのため、多少の体調不良を推して出るもの。めでたい席は延期も出来るが、めでたくない席はそうもいかない。

【働き方の新しいスタイル】
・テレワークやローテーション勤務
・時差通勤でゆったりと
・オフィスは広々と
・会議はオンライン
・名刺交換はオンライン
・対面での打ち合わせは換気とマスク

これはネット界隈でもツッコミどころ満載だったようです。テレワーク、ローテーション、時差通勤ができる人はごく少数。オフィスは広々といっても、賃貸だとそうもいかない。会議室や休憩室にはネット環境も限られる。

名刺交換はオンラインって、名刺をインカメラに示すってことかな(笑)。

社内の会議もバラバラの場所でオンラインでやってみることにしましょうか。

とまぁ、好き勝手なことを書いてみましたが、働き方や生活様式の強制変換を迫られる事態なんでしょうね。みなさまはいかがお感じでしょうか。

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