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学ぶとは、誠実と謙虚を胸に刻むこと/教えるとは共に愛と希望を語ること

高校生の時に、たぶん社会だったと思いますが、哲学者についてのレポートを書かされた記憶があります。ヘーゲルについて書いたように思うんですがよく思い出せません。ただ、なぜだか図書館で本を読んでたら…、

学ぶとは、誠実と謙虚を胸に刻むこと
 教えるとは共に愛と希望を語ること

という言葉に出会ったことだけ覚えています。この言葉自体、いまでも空で言えます。…というのも、さらっと言えたらカッコよいかも、というよく分からない動機で覚えたからです。
これは、フランスの作家、ルイ・アラゴンの名言です。ただし、「謙虚」「共に愛」はヘーゲルの解説書の著者の方が加えたと書いてあったように思います。多分、あとがきにあったんでしょうね。

以下憶測ですが、ヘーゲルと言えば弁証法。正・反・合ですね。そうなるには、対話が必要。…という話から、「誠実に、謙虚に誰かから学び、そこから得たことを一緒に語りつぐ」そんなニュアンスを込めた言葉なんだと思います。「謙虚」「共に愛」が加わることで、自己内対話だけでなく、他者との対話がさらなる気づきをもたらすのだ、ということです。

ときどき、「教え上手は、学び上手」と言ったりします。これは、教えることで学ぶということですね。学びを深めるコツは、自問自答することだとわたしは考えています。ここで言っている学びは、座学よりも、経験から学ぶという意味合いです。経験しっぱなしにせずに、振返って、自分なりに言語化していくことが大切です。これは、教えようとするとそうなりますよね。相手へ教えるための整理がいるからです。そして、相手に対して一方的に伝えるのではなく、「共に愛と希望を語る」ことで、互いの考えが深まっていくのだと思います。

でも、普段、わたしたちは忙しいので、じっくり振返ることが少ないと思います。図にしてみると下記の様なイメージです。

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とにかく次! …となるのは悪いことではありません。ただ、そればかりでは疲弊していしまいそうです。学び上手の人は、②~④で、ちゃんと自己内対話しながら本質をつかんでいるのだと思います。

組織としては、意図的に②~④の状況を作ることが大切です。実際のところ、会議などをはじめ、対話の場はたくさんあるはずです。ところが、「いいから次!」「とにかく次!」というコミュニケーションばかりになりがちです。下の図で言うと、「議論」にばかりになっている状況ですね。

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特に、オンライン化が進んだことで、「対話」「省察」の場が少なくなってきているように思います。

こうした状況を解決するには、やはり仕組みにしていくことです。上記のチーム・ファシリテーションサイクルを意識して、会議体やアジェンダを設定していくと良いと思います。

大切なのは、こういうことの積み重ねです。「学び上手になれ」「教え上手になれ」と言われたからと言ってなれるわけではありません。意識を変えようとするのではなく、具体的な行動を起こさせるような場のデザインが組織能力の差を生んでゆきます。

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