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学生と社会人の一番の違いは「お客さまがいること」

去年からコロナで大変ですが、それでも春は来ますね。桜も咲いて、前向きな空気を感じます。

そんな中、新入社員研修をやらせていただく予定です。すでに内定者研修という形で若い皆さんと関わっています。そのことで、こちらも改めて気づきを得ています。

学生と社会人の違いは何か

新入社員研修では、定番のディスカッションがあります。「学生と社会人の違いは何か」です。

これには、もちろん正解はありません。いろんな意見がでてきます。

責任が生まれる
お金がもらえる
時間の使い方が自由ではなくなる
人間関係が大変そう

…などなどです。

内定者向けの研修でも同様のディスカッションをしました。その参加者の皆さんと話していて、わたしが改めて気づいたのは、学生と社会人の違いは「お客さまがいること」です。

そのことに気づいたのは、仕事の成果と報酬の成り立ちを説明しているときでした。学生と社会人の違いディスカッションを踏まえて話しているうちにこんな言葉が出てきました。

「そう、お金がもらえるようになりますよね。それに見合う貢献をするからです。そして、その貢献を誰が認めてくれると思いますか? …上司ですか、先輩ですか、社長ですか…? やっぱり最後はお客さんですかね」

話ながら自分でも「そうだよな、一番の違いはお客さんがいることだよな」と思ったのです。

世間は神のごとく正しい

仕事にはお客さんがいる…これは社会人であっても、意識できている人は少ないように思います。自分の仕事が誰の役に立っているのか、自分や自社の存在意義は何なのかをあらためて考える機会が少ないからです。そして、仕事の良し悪しを自分たちの基準で判断してしまう。企業が成長し、成功するほどに、社内だけの考えを基準にしてしまいがちです。結果として、衰退に向かっていくケースも少なくありません。

松下幸之助さんは著書「実践経営哲学」のなかで「世間は正しいと考えること」として以下のように述べています。

私は世間は基本的には神のごとく正しいものだと考えている。そして一貫してそういう考えに立って経営を行なってきた。

また、以下のようにもおっしゃっています。

 自然の理法、社会の理法は限りない生成発展ということなのである。その社会を形成している大衆の求めるところも、基本的にはそれからはずれるものではない。
 だから、そういうところに立脚して〝何が正しいか〟を考えつつ、その正しいと考えるところを行なっていくならば、それは基本的には世間から受け入れられるものと考えられる。そしてまた、私の実際の体験からしても、やはり世間は正しいことは正しいとして受け入れてくれるものである。


少し、話が変わりますが、新人研修では、「他責」ではなく「自責」の姿勢を持て、ということもよく扱われます。裏を返せば、新人に限らず、ついつい何かのせい、誰かのせいにしてしまいがちということです。自分は一生懸命やっている、うまく行かないのは世の中のせいだ…としてしまいがちなのですね。

生成発展する世の中で、そんなところに囚われていては、やはり進歩がありません。お客様がいるから仕事が生まれ、そのことが世の発展につながっている…その一歩を踏み出そうとしている若者の前向きな姿勢から、こちらが多くを学んでいます。少しでもお返ししていきたいと思います。

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