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葛藤をうまく使う組織① ~葛藤できる力に目を向ける

noteで何度か「ライフラインチャート」について書いてます。
こんなやつですね。

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「ライフラインチャート」は、これまでの人生の流れを1本の曲線で表現したものです。時系列でキャリアを振返り、その時々の気分の充実度を描いています。この山谷に着目することで、自分のターニングポイントを発見することができます。

理想があるから悩むことができる

若手の研修でこのチャートを書いていただくと、かなりの確率でリアリティギャップが出てきます。入社したけど「思ってたのと違う」という時期がでてきます。多くは、自分を取り巻く状況も変わるので改善します。担当の仕事が変わったり、先輩から助けてもらったり、お客さんから感謝されたり…と様々です。もう遠すぎて思い出せないですが、わたしも「もう、だったら言われたことだけやっとくよ」と先輩・上司に対して腐ってた記憶があります。何で好転したのか、はっきり覚えていません。ただ、何度かこのチャートを書いているので、自分の「アガるパターン」を知っています。恐らくその時もお客さんに喜ばれた、自分のアウトプットが認められた、ということだったんじゃないかと思います。

多くの人のチャートを見たり、振返りを聴いたりして思うことは、理想があるから腐るということです。本当は、こうしたい、こうありたい、という思いががあるから、気持ちが落ち込む、もっと行くと「腐る」のです。そう、「思ってたのと」「違う」のです。研修でこのチャートを共有いただいた際に「悩むのは健全だと思いますよ」とフィードバックすることがあります。自分が「思ってた」のはどんなことなのか、そこに近づけようとするにはどうしたらよいか、葛藤できているからです。

ライフラインチャートがサポートしていること

「腐る」は、結局は、人や環境のせいしているのですが、「いや、俺が悪いんだ、もっと謙虚にがんばろう」と常になれるほど人は強くありません。ときどきこのようなチャートを使って、客観的に振返ったり、他の人の話を聴いたりするなかで、「ものは考えようだな」「他の人も似たようなことがあるんだな」と気づき、前進することができます。

起こっている葛藤を外から見て、次何をすればよいかを見出そうとするサポートをこのチャートはしているのです。

葛藤のない人生はただの反応の繰り返し

さて、葛藤を避けるとどうなるのでしょうか。「もう、だったら言われたことだけやっとくよ」となっていくわけですね。それだと何も変わりません。自分の外で起こることにただ反応するだけで終わる人生になります。

よく、課題解決のレベルでこんな定義をします。

課題レベル

わたし達にとって解決すべき問題には3つの種類があります。
1つは、発生型。これは、まさに反応。言われたことだけやっとくよ、というのに近いです。
2つめは、設定型。本来であれば、仕事の進め方を改善する必要があります。何を解決すべきか、自ら課題を設定して、取り組みます。これがないと反応で終わってしまいます。
3つめは、目標志向型です。設定型よりも長期の時間軸で目指すところを見出していく姿勢です。自分の葛藤に向き合って、自分の大切にしている価値感が育ってきている状態です。

目指すところとすれば「目標志向」になります。でも、すぐにこうなれるわけではありません。でも、こうなろうとする力をわたし達は持っています。この力を高めていくための振返りが大切です。

さて、そうした振返りをどのように促進していくかは、個人だけでなく、組織としての課題でもあります。このあたりは、次回、続きを書いていきます。

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