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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#投資

間違ったコスト削減では経営も人生も上手くいかない

先日ある著名な投資家と直接会話をしたという方にお会いしました。その方は著名な投資家に質問したそうです。今、一番投資すべきものは何か?その方は不動産や金、株式のような答えを期待して質問したそうですが、帰ってきた答えは「your brain」、つまりあなた自身に投資しろというものだったそうです。 お金の使い方、出費には大きく三つあります。それは浪費、消費、投資です。 浪費は必要のない出費いわゆる無駄遣いです。必要の無いものの衝動買いやギャンブル、必要以上の贅沢などが当たります。

日本企業の投資活動を考える

1月10日の日経新聞で、「企業、今こそ攻めの好機」というタイトルの記事が掲載されました。日本への投資に対する魅力が高まっている中で、企業がその期待に応えるべきとしている内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事からは2つのことを考えました。ひとつは、投資対象としての日本企業の見直しと価値の適正な評価の大切さです。 先日の投稿「現預金から投資へのシフト」では、日本の金融資産において現預金から投資資産へのシフトが起こっているということについて考えました。上記の記事は

現預金から投資へのシフト

12月26日の日経新聞で、「個人資産増、投資けん引」というタイトルの記事が掲載されました。新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まることもあり、「貯蓄から投資」の流れが加速する可能性があることについて取り上げている内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 2021年12月の時には、次のように紹介していました。 ・日本の家計全体の現預金は1072兆円で金融資産の54%を占める。 ・2012年には家計が保有する現預金は866.7兆円だったため、10年間で現預金が200

投資と投機

知人と話をしていて、投資話になりました。そして、「投資以外に投機と言われるものもある。投資と投機はどう違うのだろうか」という問いかけがありました。このことについて私なりに考えてみます。 「投資」と「投機」について言葉の定義を探そうと思えば、Web辞書などでもいろいろ出てくると思いますが、漢字の組み合わせを考えれば本質がぱっとつかみやすいのではないかと思います。 投資は「資産に投じる」と読めます。 資産については、検索してみると例えば次のような説明があります。 ・個人、

資産形成を取り巻く環境

9月7日の日経新聞で、「NEC、金融助言会社を買収 会社員の資産形成支援 まず社内2万人、事業化へ」というタイトルの記事が掲載されました。会社員というか日本人全体で進んでいない資産形成支援に商機があると見ているのだと思われます。 同記事の一部を抜粋してみます。 米国の家計の金融資産が約1.6京円で、日本の約8倍です。同記事には欧州地域の家計の金融資産の紹介もあり、28.6兆ユーロとなっています。1ユーロ=158円として日本円に換算すると約4520兆円で日本の倍以上となりま

政府は投資教育を推進すべき

昨日総務省から7月の消費者物価指数が発表されました。 生鮮食品を除く総合指数で前年同月比3.1%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数では前年同月比4.3%上昇しました。 欧米では物価上昇率は鈍化していますが、日本ではガソリンや電気・都市ガスの価格抑制策は延長措置がなければ、ともに9月分に終了する予定で、食品や日用品の価格改定も順次控えていることを考えると、当面は物価上昇が続くと思われます。 賃金も上昇傾向ではありますが、物価の上昇には追い付いておらず実質賃金は15ヵ

儲けの可能性とリスクの高さはある程度比例する

6月15日の日経新聞で、「顧客本位を忘れた千葉銀の仕組み債販売」というタイトルの社説が掲載されました。初心者の顧客に複雑な金融商品を販売し、損した顧客からのクレームが問題となった件について取り上げています。 同記事の一部を抜粋してみます。 同件に関して、買い手の立場から考えてみます。原理原則は、リスクとリターンは関係性があるということです。 基本的に、元本割れリスクのない金融商品などありません。唯一元本割れリスクのない商品は、日本国債でしょう。満期まで保有すれば、元本と

若手世代の投資意欲

6月1日の日経新聞で、「株高が問う進路(下)若者は「貯蓄より投資」好循環のタネ、生かせるか」というタイトルの記事が掲載されました。「貯蓄から投資へ」は経済政策の合言葉のようになっていますが、若手世代にその傾向が見てとれるという内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 以前、個人投資家が伸び悩んでいるということを取り上げたことがあります。家計の金融資産では依然として現預金が圧倒的に多いながら、若手世代は投資意欲も高まっていて、変化の兆しも感じられるという内容でした。上記記

もし20年前にアマゾンに入社し、報酬の一部を自社株で受け取っていたら?

5月31日の日経新聞で、「株高が問う進路(中) 富生む力に日米格差 企業、還元偏重では限界」というタイトルの記事が掲載されました。株主への還元に関する考え方を取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 上記に関連し、2つのことを考えてみます。ひとつは、日本の企業数は多すぎるのかということです。 同記事の指摘にあるように、プライム市場に属する企業数は多すぎるかもしれません。では、上場非上場に関係なく、企業の絶対数は多すぎるのでしょうか。この両者は、分別して考える

機会費用を考える

5月12日の日経新聞で「国会改革、機会費用で考える」というタイトルの記事が掲載されました。国会運営にかかる手続きや時間のコストを、「機会費用」という観点から考察しようというものです。 同記事の一部を抜粋してみます。 書籍「マンキュー経済学Ⅰミクロ篇(N・グレゴリー・マンキュー著)」では、「経済学の十大原理」が説明されています。そのうち、第1原理、第2原理は、次の通りです。このことからも、機会費用の概念が経済学の基本であることが分かります。 私たちは意識する・しないに関わ

高齢世帯の貯蓄から考える

5月2日の日経新聞で「働く高齢者の貯蓄増加 消費・投資へ施策必要」というタイトルの記事が掲載されました。勤労者を中心に、高齢者の貯蓄が増えていることについて取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事に関連して、2つのことを考えました。ひとつは、現預金の滞留・成長の伸び悩みという事象が、自社の中でも起こっていないかということです。 時々、「日本の債務残高は1100兆円以上で、GDP(国内総生産)の2倍を超えており、主要先進国の中でも、かなりの高水準」と言

「思い出資産」という持ち家の観点

「持ち家女子はじめます 人生に「いいこと」が起こるおうちの買い方」(石岡茜氏著)という書籍を読みました。「家と向き合うと人生が変わる」ということについて説明されていて、たいへん興味深い内容でした。 単身の持ち家率は、男性よりも女性のほうが2割近く高いそうです。このことからも、家を買うことに対して男性以上に女性のほうが敷居の高さを感じているということが言えそうです。 夫婦で住む2人以上の世帯の場合、所有者の名義になっているのはだいたい夫か、夫と妻の共同名義です。妻が単独で所

投資による企業の資産増加を通じた売上、利益の改善

先日、弊社の「コンサルタント養成講座」の一コマで講師をさせて頂きました。 本題は経営計画書策定、運用についてだったのですが、その前に「経済分析」という時間があり、受講者の皆さんが日経新聞等から調べられ、発表されたことについてフィードバックさせて頂きました。 その中で、ROEについて発表された若い受講者の方がいました。ROEは自己資本利益率であり、「当期純利益÷自己資本」で算出されます。企業の自己資本に対して、どれだけの利益を生み出したかを表すもので、株式投資等で重要な指標

12/11-12/17日経新聞レビュー

この1週間で気になった日経新聞の記事を5つほど取り上げてみたいと思います。 「つみたてNISA、上限3倍の年120万円に」(12/13 朝刊1面) 投資促進の為にNISAの優遇措置を広げると言われていましたが、その具体的な内容が明らかになりました。正直、想像以上に大きな優遇措置拡大だったと思います。生涯投資枠のキャップがありますが、株式や投資信託が資産形成の主役となることが期待されます。 「みずほ・ソフトバンク、AI融資の共同事業解消」(12/13 朝刊金融経済面)