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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#マネジメント

挑戦と挫折:次世代のマネジメントチームに必要な学びと経験の価値

リーダーには学ぶ習慣が必要です。トップは特にそうです。なぜなら、トップになってみないと分からないことがあるからです。 後継人事に関するドラッカーの実践的アドバイス 上記は、ドラッカーの言葉です。いくら今のポジションでのパフォーマンスが良くても、経営はやらせてみないと分かりません。そうなると、トップのポジションは一つですから、ほぼ準備できません。 座学で準備することもできるでしょう。しかし、経営者の仕事はマニュアルでできるものではありません。暗黙知がそのほとんどをしめます

責任回避の言葉: 組織内の集団無責任とその根源

お偉いさんだから成立する言葉 「そもそも、俺は反対だった」 ああ…、出てしまいましたかその言葉…。これは、いったい何を主張しているのか理解に苦しみます。反対だったから俺の責任ではない、ということなのでしょうか。 その意味では、ある程度責任のあるポジションにいないと成立しない言葉です。平社員が、「俺は反対だった」と言ってもただの愚痴になるでしょう。 お偉いさんにしてはいけない人 ドラッカーは、著書「マネジメント」で、「お偉いさんにしてはいけない人」の特徴を述べています。

目標と関係性: 学習する組織のマネジメントの鍵

組織が成長し、良い方向に進むためには、目標と関係性のバランスが大切です。でも、どうやってマネジメントするか、難しいですよね。ここでは、組織が学び、発展するための秘訣として、目標と関係性に焦点を当ててみましょう。 多様性を阻害せずに、建設的な対話によって切磋琢磨する、そんな学習する組織になるためには、目標と関係性という2軸からマネジメントを見直すことが有効です。 対話を深めるなら、どのような目標を設定して対話をするかで深さが変わります。図の縦軸の「目標レベル」は、そのことを

得意なことで失敗しやすい

「人は得意なことで失敗しやすい」 経営者と共に学ぶ勉強会にて、教えていただいた言葉です。 私たちは、当然ながら「不得意なこと」「やりにくいこと」ではなく、「得意なこと」「やりやすいこと」をやりたがります。 例えば企業でのマネジメントにおいては、マーケティング、財務、組織、人材、製造、営業、、、といろいろな対象領域があります。人材の中でも、採用、賃金、評価、育成、配置、、、などさらにいろいろな領域があります。 例えば自分が組織全体を見るマネジャーとなった場合、自分が得意な

マネジメント人材に関する意見交換

先日、経営者の集まる勉強会で、マネジメント人材の育成について話題になりました。どの会社もマネジメント人材が不足しているという話でした。管理職になりたがる人、管理職を任せられる人も少ないという現状について意見交換が行われました。同様の悩みを抱える職場も多いと思います。 マネジメント人材の不足をいかにして解消するか。このテーマに対する特効薬はなく、勉強会でも特定の結論を出したわけでもないのですが、そのうえで、意見交換の中から印象に残った点を3つ挙げてみます。 ・候補人材を探す

経営者に求められる「何のために、誰のために」を自問自答する習慣

経営理念がお題目で終わってしまっている状況を見かけることがあります。多くは理念の中身よりも立ち返るための対話ができていないことがその原因です。 経営理念の実践と実装 先日、ある経営者との打ち合わせで経営理念の「実装」という言葉に出会いました。理念を「具現化する」ということです。 「実装」というとシステム構築などで、コードを書いて作りこむフェーズのことを指したりします。そのため、最初は、ピンと来なかったのですが、よくよく反芻すると「なるほどな」と思えてきました。理念を唱え

成長に必要な節目をつくるために

写真は、立春の2月4日の朝に搾られた日本酒です。ご祈祷を受けてラベルを貼って販売しています。縁起物ですし、何よりおいしいのがうれしい。近所の酒屋さんのイベントで予約購入しました。 このお酒、2月4日に出荷するというのは簡単なことではないそうです。 お酒は、発酵によって作られます。その時々の環境によってその進み具合は異なります。杜氏の皆さんは素材との対話を繰り返して「機が熟した」と判断して世に出すわけです。つまり、出荷日ありきではない。2月4日にピークに持ってくるような造り方

2022年「スキ」をいただいた記事Best10で振返る私の仕事

年末です。noteを読み返しながら振返りをしています。 個人的には、色々あるのですが松下幸之助さんが「世間は神のように正しい」とおっしゃっているので、スキを多くいただいた順に10記事ほどあげながら今年を振り返っていきたいと思います。 もっとも多く「スキ」をいただいたのはこちら。 遠藤功さんの著書についての書評でした。コンサルタントの仕事の本質に深く共感しました。 自分のコンサルタントとしてのあり方に少し自信が持てたような気がして、そんなことを書きました。 つづいてこ

プロジェクトマネジメントの真の目的は「チーム学習」である

先日、とある講座でプロジェクトマネジメントについてお話しました。 私自身、経験知はそれなりにあるものの、体系的に整理できていなかったので良い学びの機会となりました。 講義をしてみると、プロジェクトといっても捉え方が様々あることに気づきました。 「御社の中でプロジェクトというとどんなものを指しますか」と聞くと「何でもかんでもプロジェクト」という答えが返ってきました。 あるあるですね。 何か新しい案件があるたびにプロジェクトが立ち上がり、メンバーがアサインされ、タスクが決

ピータードラッカー氏の考え方の源流、背景を知るのに最適な一冊

今週はピータードラッカー氏の著書「傍観者の時代」を読んでみました。 よく、ドラッカー氏の著書は読みにくい、難しいという声を聞きますが、私が読んできた中では、本書は一番読みやすい本だと思います。また、ドラッカー氏も前書きで周囲からも言われたと認めていますが、一番楽しんで読める本です。 本書は、15章にわたり、ドラッカー氏が巡り合った人達を紹介することを通じて、ドラッカー氏の考え方が形成されていった背景が伺えるものです。 この本を読んでいく中で、なぜドラッカー氏がマネジメ

リーダーとして必要な資質を一人で全てもつ必要はない

ドラッカー氏の名著「マネジメント」の下巻を読んでいると、「第51章トップマネジメントの構造」の冒頭で「トップマネジメントの仕事とは、一人の仕事ではなく、チームによる仕事である。トップマネジメントの役割が要求するさまざまな体質を、一人で併せもつことはほとんど不可能である。」という一節がありました。 そして、その後にヘンリー・フォードがフォードを創業した後、優秀な幹部とトップマネジメントチームを組んでいた時は急速に成長した後、その優秀な幹部がやめ、ヘンリー・フォードがワンマン

ごみを拾うのはリーダーシップである

突然ですみません。 「プロギング」をご存知でしょうか? プロギングとは… 実に興味深いですね。 私もよくランニングをします。最近は、ポイ捨てする人があまりいないので、街中を走っていてもきれいなものです。 それでも確かにごみを見かけます。景色のいい公園を走っているときにスナック菓子の袋が落ちていたりすると、すこし嫌な気分になります。 とはいえ、それを拾おうとしたことはありません。 「落ちてるな、嫌だな」で済ませてしまいます。 ゴミを拾うことはリーダーシップである「誰も

ドラッカー氏が考える、マネジメントの真摯さの必要性

先日までドラッカー氏の名著「マネジメント 課題・責任・実践」の中巻を再読してみました。この中巻では人事や組織が中心に論じられています。 ドラッカー氏は、マネジメントに求められる資質として、「真摯さ」であることを強調しています。「真摯さ」とは、「誠実、高潔」といった意味合いで言われますが、こうした資質がないと、経営にとって大事な資源である人を壊し、組織を壊すと言っています。 この場では、マネジメント中巻であげられている、ドラッカー氏が考えるマネジメントの真摯さについて、

異なる立場で学び合う対話が真のDXを促進する

DXは手段とよく言われます。だとすると目的は何でしょうか? #日経COMEMO #NIKKEI こちらの日経の記事は、見出しこそ「DX人材が武者修行」となっていますが、工場側の社員もDX人材から学び、考え方が変わっていく様子が書かれています。 記事からの抜粋です。 太字は私によるものですが、データサイエンティストとの対話を通じて、「DX、使えるじゃないか」と工場のベテランも意識が変わるというわけです。 記事の最後の方に、以下のように書かれています。 この記事で取り