第65話 「完璧な殺人」(前編)

男は部屋に入ると、開口一番、私にこう言った。

「社長。『完璧な殺人』に興味はおありですか?」

我がA社には、長年のライバル企業が居た。
それがB社だった。
当然、私とB社の社長の仲も悪く、
いがみ合い、罵り合う関係であることは、業界内では周知の事実だった。
この男もそれをどこかで聞いたのだろう。
私に需要があることを、つまりは、『殺したい相手が居ること』を知った上で、私の元を訪ねたのだ。

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30話の意味怖が収録されています。 各話は独立した短編のお話です。 お話はインターネットからのコピーではなく、オリジナルの意味怖です。 各話に解説があり、解説分の記事を含めると総数60記事が収録されます。 第3集は、2016年〜2017年頃に執筆した作品が収録されています。

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