第66話 「勉強法」

電車のシートが沈んだ感触で、誰かが隣に座ったことがわかった。
目を開けると、クラスメートの西田君だった。

彼はこちらを向いて、口をパクパクと動かしていた。
僕はため息をつくと、イヤホンを耳から外した。
「ため息つくこと無いだろう」
「えっ?」
僕は聞き取れず、西田君に耳を近づけた。
「いや、ため息つくなよ」
「ああ。ごめん。ごめん。曲が良いところだっただけだよ。えっとー・・・それで?」

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1,125字
30話の意味怖が収録されています。 各話は独立した短編のお話です。 お話はインターネットからのコピーではなく、オリジナルの意味怖です。 各話に解説があり、解説分の記事を含めると総数60記事が収録されます。 第3集は、2016年〜2017年頃に執筆した作品が収録されています。

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