第131話 「天使と悪魔の言い分」
「どう見ても困っていますよ。直人さん、助けてあげるべきです」
「冗談じゃねーよなー、直人。一銭の得にもなんねー。無視した方がいいぜ。早くしねーと見切り品の弁当が売り切れちまうぞ」
とっても近くから、男性と女性の言い争いが聞こえる。でも、それは人間のカップルの痴話喧嘩ではない。僕の頭上でケンケンガクガクと口論を交わしているのは、僕の心の中に棲む天使と悪魔だ。
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2020〜2022年に投稿した意味怖を載せるマガジンです。
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