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インド現地で感じた日本とインドの食材の違い

前置き

お久しぶりです。長いこと体調を崩していたけどようやく復調してきたので、先日インドに3週間行ってきました。

チェンナイの食堂カーシヴィナガヤーメスにて
ムンバイの市場
ムンバイのスパイス屋
ハイデラバードShar Ghouseで食べたマトンビリヤニ

タミルナードゥ→ケララ→ハイデラバード→ムンバイと巡った。各地のレストランや食堂を食べ歩き、時にはお宅にお邪魔して家庭料理をいただいたり、背伸びして高級モダンインディアンにも行ってみたりと、大充実のフードツアー。

インドで食べ歩く中で感じていたのは、「インドと日本で食材の味が結構違う」ということ。

今回は旅する中で感じた日本とインドの食材の違いを一部ではあるがまとめてみる。

日本とインドの食材の違い

※客観的に正しくないことも含まれます。あくまで個人の感想ということでご了承下さい。


ココナッツ

もうこれが1番違う。まるで違った。
ココナッツミルクの缶や乾燥ココナッツファインは現地では自分が見た限り使われていない。
ココナッツファインは生のココナッツから削り出し、ココナッツミルクはココナツファインを水とよく混ぜて絞った汁を使っていた。

ココナッツ削り台
先端に付いたギザギザでゴリゴリ削る
粒が荒めのパルメザンチーズっぽくなる

どちらも軽やかな味でココナッツ特有のくどさがない。フレッシュな青い香りも少しある。
ファインは生らしいシャキっとした食感がある。

インドのココナッツは違いがあるどころか"別物"だった。"お店のラーメン"と"カップラーメン"くらい違う。

日本のインド料理レストランのインド人シェフの中にも生ココナッツにこだわって使っている方は多いが、現地で体感するとこだわる理由にも頷ける。

玉ねぎ

日本のように白い玉ねぎではなく紫色。小さめで、野球ボールくらいの大きさ。水分が少ない。甘み・辛みが少ない。生でも食べられる。
日本でよく見るアーリーレッドに似ているが、アーリーレッドはみずみずしく甘みもあり性質が違う。

トマト

インドのトマトは酸味が少なくて青臭さもひかえめ。ほどよく硬くて刻みやすい。
日本のスパイスカレーのレシピではクエン酸を飛ばすためにフライパンで強火で煮詰めるという工程がよくあるけど、それについて現地の料理教室で尋ねたら「あくまで濃さを調整するため」で、酸味を飛ばす意図はないと言っていた。

カレーリーフ

タンジャイミールスのシャンカーさんの実家の庭に生えた巨大カレーリーフ

香りの強さが日本で流通しているものより明らかに強い。料理に入っていると明確に香る。

正直日本でインド料理に入ってるカレーリーフは意味あるのか?と思うくらい香りが目立たないことも多く、自分も雰囲気でなんとなく入れてる時があるけど、インドのカレーリーフは柑橘のような青い爽やかな香りとナッツのような香ばしい香りがはっきりわかる。

ムンバイのThe Bombay Canteenにて

葉っぱの大きさが日本で手に入るものより小さい傾向があった。また、葉が小さい方が香りが強かった。

ケララバワンのサッシーさんが、「インドのカレーリーフの方が葉っぱが小さい。葉が小さい方が香りが強い」と言っていたのは本当だったんだ。

スパイス全般

全体的に鮮度が良い。日常的にスパイスが使われているからそもそも生産→流通→消費のサイクルが速いんだと思う。
特にカルダモンの香りの違いは顕著。インドのやつ、クラッとするくらい香りが強い。

チキン

チキン65の元祖Buhariで食べたチキン65

肉の水分が少なくてうま味が強い。親鳥がよく食べられている。
日本のブロイラーはジューシーな肉質だが、インドの鶏肉は水分がそこまで多くない。身が締まっていて筋肉を感じる。

売り方も違う。
いわゆる日本のスーパーの同じようにパックで売られてたりもするが、肉屋に行くと檻にいる鶏をその場で捌いてもらえる。一番新鮮な状態で買える。命をいただいていることを改めて認識させられる。

ムンバイの鶏肉屋

マトン

チキンとは逆に肉質が柔らかくジューシー。臭みも少ない。日本だと基本冷凍マトンを買うことになるが、インドだと生マトンが手に入りやすいからかもしれない。

タミルナードゥの有名ビリヤニ屋STAR BRIYANIでは、マトンは小さい個体のものを厳選して使っていた。その方が肉質が柔らかいらしい。

片手で簡単に骨が外せるくらいやわらかい。

ヨーグルト

水分少なめで硬い。乳製品の味が濃い。酸味が穏やか。
以前にインド人に日本のヨーグルトを食べ比べてもらったことがあって、その時は「ブルガリア・ナチュレ恵・小岩井100%の中なら、ナチュレ恵が一番近い」と言っていた。

その他

水・油・米・唐辛子・魚介など他にも感じた違いは色々あったが、自分の解像度が低くて上手く言語化できない。またいつかの機会に。


日本の食材でインド料理を作るときのポイント

こうしてみると、日本とインドの食材の特徴に結構な違いがある。日本の食材で現地さながらのインド料理を作るのは一筋縄でいかないんだなあと思った。

その上で、自分がインド料理を現地味に寄せて作るときに心がけていることをおまけとして書いておきます。 

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