レコードのすすめ

レコードのすすめ
レコード、今となっては廃れた音楽メディアである。しかし最近では徐々にではあるがレコードブームが起きつつある(らしい)のはご存じであろうか。

かく言う私も今年レコードプレーヤー(7000円の安物ではあるが)を購入した。私感ではあるが、レコードの魅力はCDより盤が安いこと、そして混ざるアナログ的なノイズ、そして針の状態によって変わる音質であろう。

レコードは未だ各地にあるレコードショップ(取り扱いのほとんどが中古であるが)、ハードオフ、メルカリなどで購入することができる。

私は、吉祥寺、国分寺、新宿などのレコードショップ、あるいはアパートから自転車で10分ほどのハードオフでレコードを購入するのだが、安いとシングル盤(所謂ドーナツ盤)一枚50円、アルバム一枚100円から購入することができる。コアなレコードファンではないので詳しいことは全くわからないが、あまり出回ってないレコードや、人気の海外バンド(それこそビートルズやストーンズ、クラプトンなど)の、特に海外版(日本じゃなくてアメリカやイギリスなどで発行されたレコード)はかなりの値段がすると聞くし、国内でも、「サディステック・ミカバンド」や「はっぴいえんど」などなど2000円を超えるレコードもかなりあるようだ。

それでは安いレコードとは何か、自明ではあるが流通量が多いもの、例えばさだまさしやかぐや姫、風など当時一般的に有名であったアーティストのレコード。若しくは、ハードオフのジャンクレコードコーナーにあるようなジャケットの状態などが悪く、ジャンクに分類されるレコードである。

次に音について説明しようと思う。レコードはCDに比べ、かなりアナログな機械である。レコード盤に刻まれた溝をレコード針(ダイヤモンドやルビーなどで作られている)でトレースし、その振動を電気的に増幅してアンプに出力、そしてアンプで増幅させた信号をスピーカーで再生する。それ故に溝にゴミなどが入っている、あるいは盤そのものに傷が入っている場合、ノイズが発生するのだ。ある程度のノイズ(埃など)は適切にクリーニングをする事で取り除くことができる(ちなみに筆者は水の劇落ちくんを使ってクリーニングしている)。それでも一度入った傷は修復不可能なので完全なノイズの除去は難しい。なので、どうしてもノイズが出てしまうレコードも存在する。しかし、それはそれで味があるものだ。これははっきり言ってしまえば懐古趣味的なものなのであろうが、レコードで聞く音楽には独特の趣というか、暖かさのようなものがある。敢えてレコードで音楽を聞く楽しみの一つはそれを楽しむことであろう。

そして、もう一つ。レコードでは当然ナウでヤングな音楽を聴くことはできない。(ある意味ナウでヤングな音楽を聴くことはできるかもしれないが..)というのも今時レコードで売り出される新曲などほとんどないからである。一部の演歌、一部の凝ったミュージシャンくらいであろう。そのため、そこそこ古い曲を全く聞かない方にとっては、本当に無用の長物であるので注意が必要だ。その方が健全な気もするが..

一方筆者のように昭和フォークが好きな変態や、昔の邦ロック/洋ロックが好きな諸兄にとっては素晴らしいアイテムであろう。そのジャケットは彼らが活躍している当然当時のものであるから、時代を感じることができる。そしてジャケットの大きさはかさばるが、所有欲を満たすことができ、額縁に飾っても映えるであろう(筆者の知り合いはフォーククルセダーズの帰ってきた酔っ払いの初版のジャケットだけを買ってきて飾っていたので明らかにそういう手合いは居る筈だ)。

つまり、懐古趣味的な人間は結構レコードを楽しめる人が多いと思う。そして、昔の音楽が好きな人もまた楽しめるであろう。だがしかし、今の世界にのみ生きている健全な人にはいまいち理解できない趣味であるかもしれない。はっきり言って合理的ではないからだ。ネット上で便利で安価な音楽サービスが溢れ、1000円から2000円であらゆるミュージシャンのCDが購入でき、数多くの魅力的なミュージシャンが溢れている現状で、古い曲を聴くためにわざわざ古臭い機械を買ってかさばるビニールの円盤を買いノイズの混じった音声を聴くのは合理的ではない。それでも楽しむことができる奇特な人間の趣味なのである。(否、そこまで大げさではない、格好つけたいだけである)

ここまで読みにくい文章を読んでくれた読者には本当に感謝している。レコードを買ってくれなくてもいい、存在を知っていただきたいだけなのだ。かつての音楽シーンを支えたレコードの存在を知って、CDのありがたさ、レコードの温かみ、などなどそれぞれの感慨に浸って欲しい。そう思いこの文章を書かせていただいた。

大昔に書いた文章の再掲です。読みにくいことこの上ないです。

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