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同級生女子会

長らく大学病院で働いていた同級生から、上京するという連絡があった。

この人は、〇〇〇〇技師。
なかなか向上心のある人で、30代から40代の頃は、毎年東京の勉強会に参加していた。
その都度連絡をくれるので、川崎在住の友人と毎年3人で会っていた。

今は大学病院を退職して、個人病院でアルバイトをしている。
今回は、ご主人と2人の気楽な旅らしい。
ずっとご主人と一緒というのも気づまりなので、1日は別行動をとるという。
それで、昔よく会っていた3人で女子会をすることになった。


予約したレストランは、混んでいたこともあり、やけにゆっくり料理がサーブされた。
お蔭で、3人でじっくり話すことができた。

ひとりは、30代の息子さんが、年明けから結婚を前提に同棲を始めるという。
お目出度い話だ。

わたしはこの秋、息子が離婚したことを報告。

するともうひとりが、うちの息子もバツイチだよ、といったので、意外に思った。
縁結びで知られる神社で挙式した写真をLINEで見たのも記憶に新しい。

暫く楽しく談笑していたら、再び息子さんの話になった。
バツイチというのは、実は息子さんの奥さんが自死されて……。

あまりにショッキングな内容だった。
奥さんは元々鬱病で少し不安定なところもあったというが、息子さんもあまりのことにしばらくは仕事に行けなかったらしい。

その後、この秋開催された母校の同期会の話になった。
いつも司会を務めるMさんの息子さんも、自ら命を絶ったという。
同じクラスになったことはないが、姐御肌で元気の塊みたいな人だ。

いつも明るい顔を見せている同級生たちにも、それぞれに試練があり、いろいろなものを抱えている。
60年も生きていれば、何かしらあるものだなとしみじみ感じた。


しかしそのあとがいけなかった。
今回集まった3人を含め、女子数人でLINEのグループをつくっているのだが、その場にいないメンバーの悪口になった。
正直、わたしもグループ内にはちょっと苦手な人もいる。
今回はその人ではなく、息子ファミリー、料理の写真を多投稿する人、独身の人の悪口がエスカレートしてしまった。
LINE上では、あんなに仲がよさそうにやり取りしているのに。

顔には出さなかったが、とても不愉快な気分になった。

今でこそ普通にお付き合いをしているけれど、わたしも在学中は碌に口も利かず、何を考えいるかわからない変人と思われていたに違いない。
まぁ、陰で何を言われていても今更気にすることはないが。

人の心の裏表を見せられて、すっかり心が冷え切ってしまった。