見出し画像

みなしご

孤児と書いて「みなしご」と読む。
子どもの頃は「みなしご」という言葉は最も哀れむべき存在の象徴だった。

うっすらとした記憶しかないけれど、
『みなしごハッチ』というアニメを観ていた。

主人公はみなしごの蜂だった。


J・ウェブスターの『あしながおじさん』の主人公ジュディは、孤児院出身。
文才を買われて、正体不明のおじさんに毎日手紙を書き続ける代わりに学費を出してもらうというシンデレラストーリーだ。

以前、紙の本を電子書籍にする過程で、校正のアルバイトをしたことがあり、同時にリストを渡されて、差別語チェックもした。

リストの中には、「孤児院」という言葉があった。
因みに「養老院」もリストに入っていた。


幼い頃は、感動しても涙を流すことなどなかったけれど、映画を観て初めて泣いたのは、スペイン映画『汚れなき悪戯』だった。
教育テレビだったか、とにかくNHKで観た。

修道院の前に捨てられた赤ん坊を
神父たちが、協力して慈しみ育てるという内容だったと思う。
宗教的な結末だったけれど、とにかく悲しくて、あまり意味もわからず泣いてしまった記憶がある。




そういえば、同じタイトルのこんな曲もあった。

豊川誕『汚れなき悪戯』
(1975年)



雑誌『明星』か『平凡』を読んで、児童養護施設で育った生い立ちを知り、すっかり感情移入してしまった。
『星めぐり』という曲もヒットしたが、そのまま消えてしまった。


物心つくかつかないかというときに強烈な印象を残した映画を、今見返すとどうなんだろう。

『汚れなき悪戯』

是非もう一度鑑賞してみたい。




この記事が参加している募集

映画感想文