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営業の肝はクロージング!相手のワクワクを引き出せ

誰もが一度は経験する「営業」という仕事。

「営業は売り込んではダメ。価値を伝えるべき」という人が必ずいます。「自分を売り込め。価値はあとから付いてくる」という人もいます。

■営業はクロージングがすべて
どちらかの営業研修で習ったのでしょうか。そんな上司がいたら次のように質問してください。「価値を伝えるべき」の「価値」って何ですか。「自分を売り込め」の「自分」って何ですか。目をキョロキョロさせて答えられない人も多いと思います。営業に必要とされる要点はいくつかあります。

いまだに、情熱と気合を重視する人が少なくありません。元気ではつらつとした印象さえ与えられれば、その気迫に押され、成約できると勝手な思い込みをしているのです。しかし、それは間違っています。ちなみに、筆者が最も売り上げを上げていたときの成約率は70%程度でした。私は個人ではなく法人を対象としていたのでかなり高い数値だと思います。

売り物は人事コンサルティングのメソッドです。人事制度構築、研修、人材開発、アセスメントなど多岐にわたります。課題を分析して提案に持ち込めるのは20%程度くらいです。ですが、提案に持ち込んだ際にはかなり高確率で受注を果たしました。

筆者が所属していたのは世界50カ国に展開する人事コンサルティングの専門会社でした。世界売上1位も記録したことがあります(日本が世界の50%以上のシェアだったので、日本1位=世界1でしたが)。

受注する際のポイントはクロージングに尽きると思います。クロージングとは締結を求めること。「買いますか」と選択肢を与えて、「今決めてください」とお客様の背中を押すのです。いきなり、押し売りのように「今決めてください」と詰め寄ったりしてはクレームが出るだけです。

クロージングは、そこに至るまでの手順を踏むことが必要です。どんなにいい「説明」をしても、クロージングをかけていなければ、よほどのことがない限り契約には至りません。

それはお金の話をするタイミングを間違えないことです。提案に「価値」を感じる前「お金」の話をしてしまうと途端に未来へのワクワクがしぼんでしまうのです。「なんか違和感が…」「もったいない」という感情が出てきたら上手くいきません。

■車の営業を例にします
あなたは車を買おうとディーラーを回っています。ある車を見つけました。若い女性に大人気の車です。あなたはシートに座ります。「この車に派遣の明菜ちゃんを乗せたいな」、「この車に乗ったらモテそうだ」。あなたの脳内にはドーパミンがあふれます。

しかし、値段が予算オーバーであることを知りました。あなたは「厳しいけど、ちょっと無理したら買えるかな」「一番下のグレードでオプションなしだったら買えないかな」「頭金なしの60回払いだったら」など、どうやったらそれが買えるか考えるようになります。

先に値段を見せられたらこうはいきません。「うわ、高っ!」と苦笑いをして、その場をそそくさと去って、もっと安いものを探そうとするはずです。結果的に、価値を先に感じた方が、より自分のワクワクした気持ちに素直に向き合うことができるのです。

■自分を売り込めとは
多くの営業本には「自分を売り込め」と書いてあります。営業にとって、商品を売り込むのは初歩です。それと比べれば、自分を売り込むことは一歩進んでいると言えます。

しかし、お客様からすれば、最初から「あなたから買います!」とは思いません。そんなことよりもはるかにお客様が喜ぶ方法があります。

筆者なら「この研修を導入したA社の部長は社内で評価され、半年後に人事担当役員に就任しました」など、自分に投影しやすい話をすると思います。営業スキル向上に正解はありません。しっくりきたものを選択すればいいのですがセンスも必要です。

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