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40代は「不惑」と言いだした人間は地獄で閻魔大王に舌を切断される説

やあ、お久しぶり。ヤバいですね。何がヤバいって、コレ。

こないだ気づいたら4月だったですよ。でも今気づいたら、もう4月終わりそう。

そしてゲームが完成できていない。どれくらい完成できていないかというと、「Moon Rise Effect(ムーンライズエフェクト。これ)」を出したのが2017年末なので、4年も新作をリリースしていない。

ヤバい。4年あったらついこないだ小学6年生だったアイツも高校生になっちゃってるし、新入社員だったアイツも脱サラして手打ちそば屋初はじめて盛大に儲けたりコケたりしてるハズ。そんな感じでとにかくヤバい。

でもね。じゃあその間オレは何もしてなかったのかっていうと、そんなことはない。決して「スプラトゥーン2」でしこたま遊んだり、「バイオハザード」シリーズをどっぷりプレイしたりといったことだけをしていたわけじゃない。

まずHTML5ゲームの提供サイトとして「Wuah!(ワー!←会社名と同じ名前のサイト。これ)」をリリースしたので、厳密にはゲーム作ってなかったわけじゃない。確かに、アプリ的なゲームはリリースしてないんだけれども。

で。何をしてたのかというと、一言でいって企画にもだえ苦しんでいた。誰だよ、「40代は不惑」とかしたり顔で言い出したヤツ。40超えても惑いまくるっつーの。アホか。地獄で閻魔(ヤマラージャ)に舌を切断されろ。

ウチの場合──と書くといかにも会社とかサークルっぽいのだけど、実際オレは一人ぼっちでやっているので、ウチというか、完全にオレの都合なのだけれども、とにかくそんなロンリーミーの場合、やはり一人でゲームを作る限界というものがある。

でもさー、40代つったら「ドラゴンボール」世代じゃん?ってことは限界突破とか壁を突き破るとかって価値観好きじゃん?だから、たとえば、「餓狼伝説3」を超える潜在能力が組み込まれた時ワクワクしたべ?「覇王翔吼拳を使うしかない」とか袖の破れた胴着でバイク乗りながら言われたら胸キュンだったろ?

要するに負けたくない。どんな苦境も「余裕ッチ!」とかわしたい。ジャンプキックで飛び込まれたらレバー前+AB同時押しの前転回避。倒れる時は前のめり…ってなモンですよ。

ごめんウソついた。40過ぎると結構限界ってものを感じる時があって、酒が飲めない徹夜できない腰が痛い膝が痛いってな状況勃発。ウソついたので俺も地獄で閻魔に舌切断されるコースじゃん。やだ怖い。

まあつまり、実現するもののクオリティと、自分で作るという労力&時間の制限という板挟みによって、苦しんていたわけなのです。

たとえば、背景アートワークひとつとっても…

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これは2Dで描いた下絵に対して、現実の写真素材をテクスチャーとして取り込んだもの。なかなか不気味な雰囲気は出るものの、机とか椅子とか素材を作っていく中で、空間的な整合性を取っていくのが難しい。

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課題が整合性なら、3Dで作ったほぼ四角形のローポリゴン3Dに写真素材を張り付ければいいのでは?ということで試してみたのがこちら。一応単純に写真素材を張り付けるのではなく、明暗のコントラストを高めるためのシェーダーが独自に作られています。

が。やっぱ3Dだと、整合性はあるものの、「味」のようなものは失われてしまうんじゃないか!と悩み出した。だってホラ、40代不惑じゃねーから、悩むわけですよ。

「味」ってどういうことかっていうと、単純な話、整合性のある──なんというか、写真のように現実世界を忠実に再現した3Dというのは大手企業が得意とするころじゃないですか。

──というのも、リアルにすると、リアルにしなきゃいけないんすよ。

マンガにしても映画にしても小説にしても、フィクションにはお約束ごとというのがございまして。ゲームにも当然ある。たとえば、HPが0になると死亡するのに、HPが1でもピンピンしていてフルパワーで攻撃でキルなんてのがそれ。現実なら死ぬ寸前の状態でフルパワー攻撃できんぜ?HP1ってのがどれくらいなのかわからないけども!

じゃあなんでこういう演出が成立するかっていうと、フィクションってのは大なり小なり現実を記号化しているから。作品によって記号化の程度は異なるし範囲も異なるけど、とりわけゲームにおいては確実に記号化を行っている。「ドラゴンクエスト」や「スーパーマリオ」は記号化の程度も範囲も大きい。これに対してPS5の3DCGバリバリのゲームなんかは記号化の程度が低い。

で、この記号化にはビジュアル面も大きく影響している。たとえばドット絵のゲームは見るからに記号の塊なので、「街の中のどの家も同じ形のタンス、同じ形のベッドを使っていて、どの家も同じ壁紙の柄」であっても違和感がない。そういうものとして済まされる。

けど、「龍が如く」シリーズのPS5向け最新作で、すべての建物の中で同じタンスと同じベッドだったら相当違和感があるだろう。現実をリアルに再現しようとすればするほどそうなる。だって現実には家によって、人によって家具も壁紙も違うもんね。

つまり、3Dでリアルに整合性を取ろうとすると、結果的に作らなきゃいけない素材の数が増えすぎて、一人じゃ作れないじゃん問題にぶち当たったわけでございます。

そこでオレは考えた!3Dで原型をモデリングして、それを手描きでトレースすれば、リアル感を下げつつ、しかも整合性の取れた背景になるんじゃね?と。それがコレ!

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コレ、3Dなので家具探偵では整合性は取れているのだけど、部屋としてはパースが崩れている。というのも、ゲームにする場合、ベッドやタンスやらといった素材を部屋によって使いまわすから。家具のパースを部屋のパースにピッタリ合わせようとすると、他の部屋との使いまわしができなくなっちゃうんですな。

でも、そのパースの崩れが「味」になっているように思う。いいんじゃね?コレ。天才じゃね?オレ。──そう思ったよね。

実際この方法で素材を作ってったのですよ。ワタクシ。ええ。ただ、そしたら2Dにする前のトレース用に3Dモデル作るわけじゃないですか?

するってえと、3Dモデルを多作するわけで、多作してると慣れますわな。つまり、作ってるうちに3Dモデリングに慣れて、制作スピードがアップして、3DCGでイケるんじゃねーかってなっちゃった。

だから今、結局3DCGで背景作ってます!ブレブレ人生最高!!


教訓:40代は不惑じゃない。

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