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個人ゲーム開発者を襲うエターナル現象!3年で5本エターナった自分がとった回避方法

ハーイ、ホラーゲーム作家のかずぞうです。クトゥルフ×学園モノホラーRPG『Drifter Bizarre[ドリフタービザール]』、今週はUIの調整を中心に作業していました。

するとSNSなどで流れてきたのが、「個人ゲームクリエイターの見積もりは大きくなりがち」という話題。

わかるぜ! なにせ、ぼくも今年8月に『RED HOOD BIZARRE』をリリースするまで、3年間で5作品もエターナル状態にしたからね! なので今回は、進捗より優先的して、どうしてエターナル状態となってしまうのか? そして、どうすればエターナル状態を脱却できるのか? …ということを話したい。

ちなみに最初に答えを言ってしまうと、制作するゲームの型を決めてしまい、おもしろさの模索や実現はこの型の中だけで行うことでございます。

ゲームが永久に完成しない地獄…それがエターナル!

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エターナルって言葉は、主にゲーム開発まわりで使われている言葉で、ゲームが永久(=エターナル)に完成しない状態となってしまうこと。要するに、作ることに挫折してしまった状態。

なもんで、その原因はいろいろあります。いろいろありますが、多分多くの場合で、見積もりが肥大化するからじゃないかな…という感触。

なぜ見積もりが肥大化するのか? …もしこれを読んでいるあなたがビジネスパーソンならば、以下のようなことを思うかもしれない。

・個人ゲーム開発者はアマチュアが多いから、そもそもの見積もりが甘いのでは?

・個人ゲーム開発者はアマチュアが多いから、素材の制作技術が拙く、時間がかかってしまうのでは?

・個人ゲーム開発者は自分の作品に思い入れが強いから、スケジュールに合わせて仕様を削減することができないのでは?

…しかし、違う! …いや、ごめんなさい。個人ゲーム開発者って世の中にたくさんいるので、中には上記条件に当てはまる人もいるでしょう。ただ、ゲームにはエターナル化しやすい、ゲーム特有の理由があるのよということを主張しておきたい。

実際、この原稿を書いているぼくは、ゲーム業界に携わって20年。最初はシナリオライターとして、次にディレクターとして、そしてシステムエンジニアとして、今では専門学校の非常勤講師として関わってきました。個人的な趣味の期間を含めると、中学生のころから30年間近くゲーム作りに関わっています。…けど、余裕でエターナル発生するもの。

じゃあじゃあ、ゲーム特有のエターナル発生理由は何よと問うならば、以下のようなもの。

1)ゲームは仕様通りに作っても、当初の企画意図を満たせるとは限らないので、仕様変更を避けづらい。

2)ゲームは開発が長期間に及ぶ。

1については、ゲームの企画意図と言うのが、大まかにいうと「おもしろさ」を実現すること。この「おもしろさ」、設計通りに作れば実現できるのかというと、そうではない

たとえば、FPS/TPSジャンルのゲームは、ルールも操作方法も似通ったものが多い。じゃあFPS/TPSのゲームは皆同じようなおもしろさなのかというとそうではありません。同じようなルール・操作であっても、傑作と駄作が存在している。これは、同じジャンルのゲームを複数遊んだことがある人ならお分かりでしょう。

これは、「おもしろさ」には、ルール・操作だけでなく細かな調整が複合的に関わってくるから。例えばキャラのスピード、倒れる時の敵の動き、銃弾の飛ぶスピード、銃弾の当たり判定、体力の量、ダメージの量、敵の数量と出現タイミング、効果音の出るタイミング…などなど。

効果音の出るタイミングなんて、ゲーム全体からみるとごくごく小さい項目なのだけど、タイミングがちょっと遅れるだけで気持ち悪く感じてしまう。効果音を遅らせることはできずとも、効果音をオフにできるゲームは多いので、試しに効果音オフでシューティングゲームをプレイしてみてほしい。一気に爽快感が減るハズ。…さらに、敵の居場所が足音から判別できなくなるので、プレイ効率も悪化することでしょう。

もちろん、効果音のタイミングの問題であれば、正しいタイミングに調整すれば終わり。仕様変更するまでもありません。が、全体の項目を調整する上では、問題個所を直接修正することが常にベストとは限らないのでございます。なもんで、ゲーム制作は仕様変更が付きまといます。

2については、ゲームはゲームシステム、シナリオ、グラフィック、アニメーション、BGM、効果音…という複合的なエンターテインメント。なので、開発時間は、単純に考えても、全素材の制作時間分の時間がかかります。実際には、システムにエラーがないかを確認するデバッグ工程と、ゲームをおもしろくするためのテストプレイ&調整工程が入ってくるので、ボリュームはさらにアップ。

業務で開発するのであれば分業という手法も採れますが、個人開発であれば分業にも限度があるってなもの。ぼくはキャラクターボイス以外一切分業をしないので、全工程分の時間がかかります。

エッ!? でもそれは、最初にスケジュールに見積もっておけばイイわけだから、スケジュールの規模が大きくなる理由にはなっても、開発途中でスケジュールが伸びる理由にはならなくない?……賢いあなたはそう思ったかもしれません。

確かにそう! しかし、個人開発の場合、スケジュールの規模が大きく、開発期間が長いと、異形の魔物が襲い掛かってくるのですよ。不安という魔物がッ!!

まず、そもそも仕事でもないのにゲームを個人で開発しようなんていう人間は、アイデアマンです。誰かから要求されたわけでもないのに、自分から「こういうゲームがあったら楽しいだろう、楽しんでもらえるだろう」なんて思う時点で、アイデアマンじゃないわけがない!

では、アイデアマンに時間を与えたらどうなるでしょう? 当然、新アイデアが思い浮かびます。つまり、ゲーム開発期間が長くなればなるほど、思いつくんですよ。新たなアイデアを!

当然、新たなアイデアは魅力的。「今作っているものよりおもしろそうだ」「このアイデアで、より沢山の人にプレイしてもらえるぞ」…そんな思いが脳裏をちらつきます。

もちろん、新しいアイデアが浮かんだところで、それは次回作で使えばいいのであって、現在開発中のタイトルに盛り込む必要はない。そんなことは知っているッッッ! そして多分、ぼく以外のエターナル経験者も、知ってたと思うッッッ!

でも、それでも現在開発中のタイトルに盛り込みたくなっちゃう。なぜなら、開発期間が大きくなればなるほど、失敗したくないという思いが強くなるから。

1日、2日で完成するものなら失敗もまだ怖くない。しかし、数か月…人によっては数年をかけて制作するもの。失敗したくないという思いが弱いわけナッシング!

これは、仕事でゲーム開発している場合も同じ条件。…なんだけど、仕事でのゲーム開発の場合、たとえ企画開始時点から携わっている場合であっても、自分の意思が完全に反映されるわけではないでしょう。

また、仮に隅から隅まで100%自分の意思が反映された企画だったとしても、会社内で作る以上、最終的にそのリスクを取るのは会社。たとえ企画がコケて赤字になったとしても、給料は払ってもらえます。

けどこれが個人作品となると、何から何まで自分! 自分の意思、想い、価値観がUI一個に至るまで反映され、賞賛も非難も、収益も損失も、引き受けるのは自分! ワオ! …この状況で、失敗したくないと思うのが無理ってなものでしょう。

長い開発期間によって生まれた不安にあえぐ個人開発者にとって、新しいアイデアは救世主に見えます。実際には、スケジュールを肥大化させ、エターナルに追い込む偽りの救世主の可能性が高いのですが、それでもすがっちゃったりするんだなあ。開発者だって人間だもの。かずお

…というわけで、ここでぼくがエターナル化させた5つの作品を見てみましょう。

NO1 タイトルがエターナルに未定な作品

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まずはこちら。タイトルを決める前にエターナル化してしまったホラーアドベンチャーゲーム。

不肖このわたくし『テンプレート式 脱出ゲームの作り方』なんて著作を持っているのですが、実際、当時は脱出ゲーム中心に制作していました。

脱出ゲームは、脱出ゲームというゲームジャンルに対して固定ファンが存在するため、知名度の低いクリエイターであってもダウンロードしてもらいやすいというのがメリット。しかしその反面、収益性が低いという欠点を持っています。

なんで脱出ゲームの収益性が低いのかというと、遊びのメインが謎解きだからです。ゲーム内でアイテム課金などを行う場合、プレイ時間の長いユーザーほど購入率が高くなりますが、謎解きという性質上、クリアした後に繰り返し遊ぼうという気持ちになりにくい=プレイ時間が短くなりがち

また、スマホゲームではキャラクターなど、ゲームを有利にするための要素を課金アイテム化することが多いですが、これも謎解きだと行いにくい。謎解きにおいてゲームを有利にする=謎をカンタンにするということなので、謎解きファンにとっては、謎解きという行為そのものをつまらなくする結果に繋がってしまいます。

もちろん、謎解きが苦手というプレイヤーであれば、ゲームを有利にするために課金ということはあるのでしょう。しかし、謎解きが苦手という人がわざわざ脱出ゲームをダウンロードし、クリアするために課金するかというと、その数は少ないでしょう。

なので、謎解き要素は持ちながらも、戦闘要素を持ち、キャラクター性を持ったゲームというのを作りたくて企画したのがこのホラーアドベンチャーゲームでした。

この作品がエターナル化したのは、作品の世界観と戦闘要素の結合ができなかったから。

というのも、ぼくは心霊系や都市伝説系ホラーを世界観として考えていたのですが、この世界観と戦闘との折り合いがどうにも悪い。心霊系にしても都市伝説系にしても、霊を祓ったり怪異を取り除いたりする場合、基本的にはその原因となっている出来事を解決することが多いです。

たとえば、心霊系ホラーの代表作『リング』であれば、ビデオをダビングすることが呪いの唯一の解決法であり、貞子を釘バットで攻撃して一定ダメージ与えることが解決法ではありません

つまり、心霊系・都市伝説系ホラーという世界観と、武器でダメージを与えて敵を倒すという戦闘システムとの相性が悪く、いつまで経ってもシステムがまとまらなかったのです。

戦闘システムを除外すればよかったのでしょうが、今後の作品には戦闘システムが必須だと考えていたので、ズルズルとスケジュールが伸びてしまいました…。

NO2 Zombie TV(仮)

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心霊系・都市伝説系ホラー脱出ゲーム×戦闘システムという組み合わせに悩んでしまい、袋小路に陥ったため、心機一転、360°全方位シューターを作り出しました。それがこちら、『Zombie TV(仮)』

360°全方位シューターの金字塔的作品『Smash T.V.』をオマージュした世界観で、『Zombie TV』という、ゾンビを倒す視聴者参加型番組に出演した主人公=プレイヤーが、ゾンビを倒しまくるという作品でした。

こちらは、敵を倒した後、一定時間以内に次の敵を倒すと視聴率がアップしていくというシステムで、視聴率が高ければ高いほど、スコアや賞金額がアップしていきます。…結構おもしろそうじゃない?

ただ、賞金額がただアップするだけじゃおもしろくない、賞金を使ってプレイヤーキャラクターを成長できる要素がないと!と思ったのがエターナル化の原因。

成長要素をつけるために、ゲーム性を変えなきゃ…みたいなことになって収集が付かなくなったのでした。主人公の3Dモデルやゾンビの3Dモデルの作成は完了しており、シューティング部分をプレイできるところまでは完成していたのですが…。無念!

NO3 バタフライ・ビザール(仮)

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『Zombie TV』で、シューティング要素を完成させたこともあって、心霊系&都市伝説系ホラーじゃなくて、バイオハザードのようなシューティングありのサバイバルホラー路線はどうだろう…と思って作り出したのがこちら、『バタフライ・ビザール』。

8月末にリリースした『RED HOOD BIZARRE』や、現在開発中の『ドリフター・ビザール』で使っている「ビザール」という単語はこのころからイメージしてました。

この作品は、開発当初2Dで作り出したんです。というのも、『Zombie TV』で3Dモデリングって手間がかかるなーと思ったから。それなら、2Dで描いてスケルタルアニメーションで動かした方が速く作れるのでは?と考え、2Dを採用しました。

スケルタルアニメーションというのは、2Dのイラストレーションを平面上の3Dポリゴンに張り付け、ボーンなどの3D技術を使ってアニメーションさせる機能。現在ならUnityが標準機能として備えています。パラパラアニメのように複数のイラストを用意せず、1枚だけで済むため省力化できる上、3Dと同じように滑らかなアニメーションが行えるので、作品の方向性にもよりますが、概ねクオリティアップが見込めます。

ただ、スケルタルアニメーションはあくまで2Dの技術。なので、横を向いているキャラクターが正面を向く…というような動きについては、それぞれの角度に対してイラストを用意しなければなりません。…当たり前ですが。

しかし、この壁にぶつかって、やっぱり3Dでモデリングした方が結局は早道なのでは?…なんて思い出しちゃったんですな。ぼくのバカ。

しかし、3Dモデリングでやり直す場合、『バタフライ・ビザール』のストーリーは規模が大きい。何せサバイバルホラーは、主人公に加えてサブ登場人物、ボスキャラクター、ザコキャラクターが多数必要です。

なので、『バタフライ・ビザール』はあきらめ、小規模な作品を作ることに…。

NO4 オンマガツチ(仮)

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小規模なホラーアドベンチャーを作るにあたってイメージしたのが横溝正史の小説「八墓村」。金田一耕助シリーズの一作で、ホラーではなく探偵小説なのですが、作中、登場人物の一人が32人の村人を一夜のうちに殺戮するというショッキングなシーンが存在しています。いわば和風スプラッター!

ゲーム『サイレン』もそうですが、日本に住んでいる我々としてはホラーシーンが身近な日本の風景の中で描かれると、怖さを肌で実感してしまいます。そこで考えたのが、『オンマガツチ(仮)』というゲームでした。

この作品は、フリーゲームの傑作であるとともにエスケープホラーの傑作でもある『青鬼』のように、追跡者から逃げつつ、謎を解いていくという企画にしました。追っかけてくるのはコイツ。

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で。ここまではいいのですが…最後まで『青鬼』との差別化ができませんでした

ダッシュ疲労度、主人公のスピードを低下させる亡霊…などなど、追加要素を考えていったのですが、「要素が増えてちょっとめんどくさくなった青鬼」になっちゃうんですよね…。

フル3Dによる不気味な和の雰囲気作りは上手くいっただけに、残念…。

NO5 七ツ星満福と恐怖の事故物件(仮)

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これまでと随分雰囲気違うな?と思ったかもしれません。『オンマガツチ(仮)』エターナル化を踏まえてぼくが考えたことは、アクション性を増やして、エスケープ型ホラーアドベンチャーではなく、エスケープ型のホラーアクションにしようということでした。

ダッシュだとか、疲労度だとか、スピードを低下させる敵だとかいった要素を回避しつつ、謎解き…ではなく、ゴールを目指すというアクション重視の作品。

アクション重視にする上では、ステージ内のギミックの数量が問題になります。いろんなギミックがないと単調でつまらなくなってしまうので。

おいおい、『オンマガツチ(仮)』よりさらに作業量上げる気か?と思った人もいることでしょう。もちろん、ぼくもそれは分かっていました。なので、この作品では、「イラストのリアル度を下げ、1枚当たりの作業量を軽減する」「2Dと3Dを混在させ、作業量を軽減する」といった開発手法を選択しています。具体的には、主人公や敵や2D背景は3Dという形。

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ただ、作っている内に、どう考えても課金ポイントはガチャだろう…という結論になったんですよね。主人公の背後霊をガチャで引き当て、背後霊によって主人公の能力値が変化する…みたいな。

で。そうなると、背後霊の制作日数がめっちゃかかる…。

この『七ツ星満福と恐怖の事故物件(仮)』を作り出したのは2021年3月1日。当初は、これまでのエターナル化を踏まえ、6月には完成する予定でした。

背後霊ガチャを思いついたのは、2021年6月。本来完成しているはずのところで、そこからさらに背後霊の素材作成の日数が発生するわけで、さすがにこりゃあ無理だよな…となったのです。…合掌

じゃあどうすりゃいいの!エターナル化を避けるために行ったこと

『七ツ星満福と恐怖の事故物件(仮)』開発凍結を決意したのが6月中旬。そこから、次回作こそはエターナル化させないという決心のもと開発したのが、『RED HOOD BIZARRE』です。

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こう書くと、物凄い一大決心のように思えることでしょう。しかしながら実際にはエターナル化させる度に毎回決心していることなので、子どもの言う「一生のお願いだからこれ買って!」レベルと言われても反論はできません。

でも、さすがに3年間もゲームを完成させられていないという事実は、重くのしかかってきます。「クリエイターと言ってはいけないのではないか?」「自分はもう作品を作ることはできないのではないか?」とガチで思ったほど。

ただそうはいっても、ゲームライターをはじめ、仕事での成果物についてはしっかり完成させ、納期通りに納品していました。ではなぜ、個人開発のゲームではエターナってしまうのか?

この答えのひとつは、この記事の前半で書いた、仕事での制作に対し、個人ゲームの開発期間が長いから。

ただ個人的にはもうひとつ答えが存在しており、それは、仕事ではある程度の成果物の型が決まっているのに対し、個人開発には型を設けていないから…だと考えています。

たとえばゲームライターとして記事を書く場合、原稿毎に文字数の目安があり、その中で執筆します。また、何を書いてもいいのかというと、もちろんそんなわけありません。たとえばレビュー記事なら、ゲームのレビューを書かねばならず、必然的に盛り込むべき情報が決まってきます。

こうした制約が、。どんなにおもしろくしたくとも、型の中でおもしろくする必要があるわけですね。俳句が575という方を守るのと一緒です。

一方、ぼくの個人ゲーム開発にあたっては、ホラーアドベンチャー(タイトル未定)→360°全方位シューター(Zombie TV)→サバイバルホラー(バタフライ・ビザール)→エスケープ型ホラーアドベンチャー(オンマガツチ)→エスケープ型ホラーアクション(七ツ星満福と恐怖の事故物件)…と、作品ごとにゲームジャンル…つまり、型そのものを変えてしまっています。

そこで、型を固定し、その中での面白さを追求することがエターナル化回避に繋がるだろうと考え、実行に移しました。型を固定する上で考えたのは、以下の内容。

・ポイントを調べた際にイベントが発生…という、脱出ゲーム的な仕組みを基本システムとする

・敵との戦闘は用意するが、プレイヤー側も敵も一撃死を基本とし、ダメージでHPを削るRPG的戦闘にはしない

・ガチャはいれない

これらを踏まえた上で、『RPGツクール』を参考にUnityエディター拡張を作成。

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所持金やフラグ状況など、ゲーム内のパラメータに基づき、メッセージ表示やキャラクター表示、場面移動やBGMの変更といったゲーム処理を設定できるシナリオエディター機能。要するに「RPGツクール」や「ティラノビルダー」のUnity版ですね。

このエディターによって、Unity管理画面に画像などのオブジェクトを配置する→オブジェクトをクリックしてシナリオ処理を入力…というプログラムレスな制作フローができるようになりました。

このシナリオエディターの恩恵のメインは、制作が簡単になることで製作期間が短くなることではないと考えています。それよりも、ぼくのこれまでのエターナル化を見れば、制作可能な内容が、シナリオエディターで可能な内容に縛られることで、余計な仕様追加/仕様変更を行うことがなくなるというのが大きい。

もちろん、結果的に制作時間が短くなることで、不安になって仕様変更…という心理的ムーブになりにくいというのも恩恵の一部です。

個人ゲーム開発中のクリエイターで、どうにもこうにも不安になってしまうという人は、「型を決めてしまう」ということを実行するのがオススメだぜ!

で、最新の『ドリフター・ビザール』はどうなってんの?

ところで、先ほど「敵との戦闘は用意するが、プレイヤー側も敵も一撃死を基本とし、ダメージでHPを削るRPG的戦闘にはしない」と書いておいて誠に恐縮ではございますが、現在制作中の『ドリフター・ビザール』では、RPG的戦闘を追加する予定です。

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言ってること違うじゃねえかよ!…と思うかもしれません。だってでも、作りたかったんだもんッッッ!そもそも、作りたいモノを作るのが個人ゲームクリエイターだろうがッッッ!

…いや、すみません。作りたいものを作りたいという気持ちもウソではないのですが、これもまたシナリオエディター機能の恩恵のひとつ。というのも、「脱出ゲーム的に、場所を調べて物語を進める」「アイテムを使って一撃死型の先頭を行う」というゲームは既に『RED HOOD BIZARRE』を作ったことで完成しています。

なので、今回プログラム的な作業は、HPを消費する戦闘だけ。労力がほぼかからないので実装することにしました。

そして今週の進捗ですが、UIの調整作業をしておりました。で、その上で、現在の3Dダンジョン的なマップ移動より、イベントのあるマスだけを進行していくスゴロク的な移動の方が本作には合っているのではないか…というので悩んでいます。やっぱりゲームに仕様の悩みは付き物ダネ!

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ちなみに、これまでの『ドリフター・ビザール』の制作状況はこちらから読めます。よかったら是非!

そして、今週の動画では、3年間でエターナル化したゲームを4本と言ってしまいましたが、撮影中『Zombie TV』のことをすっかり忘れてました。すみません。

ではでは、「ドリフター・ビザール」はエターナらないよう作っていきますので、もしよかったら、フォロー&スキをお願いします!また来週!

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