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相も変わらずおこがましくて選べないので

2019年のベストnote選出企画ですが・・・

最初に5編選んだわけです。ほら、1編だけなんて選べませんから。それで5編にしたわけですが、これを書いた後も、良いのが出てきちゃって困ったので、追加撰集をやろう!ってことを勝手に決めた挙げ句に、今回も5編を選びました。

まずは、湘南ベルマーレのサポーターでもあるしゅんさんの入魂のこちらから行きましょう。

自分もこの試合、テレビで観てましたが、いろんな意味でキツい試合でしたよね。
見てる自分ですらそう思うぐらいなのに、やってる方はもっとキツいと思いますよ。
この夏からの湘南ベルマーレの、ローラーコースターばりに流転を繰り返す様子を見ていて、終盤戦にどうにか持ち直してプレーオフに持ち込んだ、という段階で、ベルマーレには恐らく大きなアドバンテージがあったような気がするんですよ。
しゅんさんのこの文章はそうしたベルマーレのこの試合に於ける移り変わりをうまく切り取って見せているように思えます。
この先あの試合を見返す上での参考になると思いますし、ぜひその際のお供に御一読されては如何ですか。

続いて、応援についてのお話。この書き手の三浦優希さんという方は、プロフィールによると学生で、アイスホッケーの選手のようです。

選手の立場から捉えた応援についての文章、と見て読み進めましたが、読んでいくと、これがなかなか考えさせられる部分もあります。
特に「応援はこうじゃなきゃいけない!」という固定観念に囚われることなく、人それぞれの形があっていい、ということを述べておられて、この辺りに深く共感しました。
自分は今、ご存知の通り、ガイナーレ鳥取やデッツォーラ島根などを中心にサッカーを見続けている立場ですが、その方法論について、(自分が明らかに誤っているような場合はともかくそうでない場合に)あれこれと指図めいたことを言われたり、否定されたりするのは、あまり良い気がしません。
この文章で三浦さんが仰ってるように、節度と誠意を持って応援すれば、選手は応えようとしてくださるものと思うのですよ。
その意味で、競技の違いを超えて、大変に参考になり、いろいろ思うとこもできた文章でした。
皆さんも、これはぜひ一度、お読みいただくと良いかと思いますよ。

応援ネタではもう1つ、石井和裕さんのこちら。

ことにスポーツ応援などに於いて「にわか」という概念は、言わば嘲笑や軽蔑の念を以て捉えられやすいものだったと、個人的には理解していたのですが、今年大々的に行われたラグビーのワールドカップに於いて、この概念を逆手にとり、「にわか」は悪いことではない、的な意味付けを伴ったプロモーションがなされ、積極的に「にわか」の文言を駆使しつつ、肯定的な意味を伴う表現としての「にわか」という言葉は、瞬く間に広がりました。
その辺りを踏まえて、石井さんは「にわか」は決して悪いことではなく、故にこれを逆に好機と捉えて、様々な手に打って出てみた方が良いのではないか、と訴えておられます(少なくとも自分はそう読みました)。
しかし、それには「ゴール裏」(恐らくそれだけでは説明が足りず、ゴール裏の中でも特に応援行為を熱心に行う層)という障壁(というか、多少の妥協が必要な、でも高くて厚い壁)が歴然と存在していることを説いておられると思いました。
いくら建前上は「応援は人それぞれの自由」という概念があっても、実際にそういうエリアに集う人々は、それだけでは済まない、もっと言えば応援行為そのものに特殊性みたいなものを感じているのかもしれません。
実際、今でも時々「サポーターとは斯くあるべし」みたいな論が時折Twitterなどに出現します。
それほど根が深く、そしてちょっとや沿っては解決に至らない要素なのかもしれない、とは思います。
が、それにしても、この石井さんの文章は大きなヒントになると感じます。

サポ、と言えば、鹿島サポという五十嵐メイさんの、出たてわりとほやほやの、こちら。

この前のあみさんの時にも思いましたが、自分のような(思慮があるふりをして、実は何もない)おっさんとは違って、行動力と思い切りのある人たちは、こういうフィールドにすんなり飛び込めるものなんだ、と言うことを改めて教えてくれる文章だと思います。
この五十嵐さんも、しばらくサッカーから離れていた期間があったそうですが、その後、目の当たりにしたサッカーの試合で思いを新たにし、そして御自身でOWL Magazineを探し当て、著述業デビューするに至ってしまった、というわけです。
自分にはそんなこと到底できないですよ。ウダウダ言いながら、結局今日に至るまで何のアクションも起こしてないんですもの。
何処のチームのファン・サポーターを問わず、たくさんの人々に読まれるべき文章だなって思いました。
踏み出す勇気って、大事です。それを持つ人には敬意を表したいですね。

さて、最後はかなり考えさせられるこちら。書き手の上條宏晃さんは元々ファジアーノ岡山の選手だった人です。

この上條さんがプロのサッカー選手であった頃の考え方、それを辞めることになった時に何を思ってどうしたか。その間に良いこと悪いこと含めて経験したこと、それらを経て次に進むのにどうしたのか、という辺りをいろいろと書いておられますね。
この上條さんに限らず、サッカー選手のスキルだけで、生きていける人はそんなには多くありません。指導者になれたりする人はそんなにいないでしょうしね。
例えば、今、ガイナーレ鳥取でGMやってる岡野雅行って人がいますが、その彼は、GMとしての仕事をするに当たって、サッカーのスキル以外のものを多く求められ、実際、現在はそちらのスキルの方が重要なのだと思いますね。
岡野氏はサッカーの世界に運良く残れた人ですが、この上條氏はそうではありませんね。でも、それだけに、サッカーの世界では見えてこないものに気づいたりする機会も多いのではないでしょうか。
その辺りを、この文章からは感じられると良いのかもしれませんね。

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以上、今回も5編選んでみました。えっ?自分のは選ばないのかって?そんなバカなことできますか?
ともかく読み甲斐があると感じる5編です。

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