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島根県にも松江シティ以外に全国リーグを戦うチームがある(ポルセイド浜田の話)【Short Letter】

…みたいな話をすると

そんなチームが松江シティ以外にあるわけねえ

…と言われて話が終わりそうだけど、実際には本当に松江シティ以外にもある。それも二つも。

フィールドホッケーのセルリオ島根はそれなりに歴史がある。
島根県の特に東部山間部はフィールドホッケーが盛んだ。そして、セルリオ島根もそういう場所で活動中だ。

ただ、これからお話しするのはホッケーのチームではない。

フットサルだ。

フットサルもご存知のように少し前から二部制になった。
その二部の中に、今回の主役である「ポルセイド浜田」がある。

本拠地は島根県西部に位置する浜田市。昔から港町として知られている。
自分にとっては生まれ故郷の街でもある。

浜田という街については、この辺に何となく書いている。

その街を本拠にするポルセイド浜田についてもこちらに何となく。

これを書いてから、何シーズンか経ち、この前も試合を見てきたばかりだ。もっとも試合については、ここには書かない。
しようもないブログをやっているので、そこら辺でご覧いただきたい。


私がポルセイド浜田について知ったのは、何年か前の新聞記事でだったが、それとは別にあのチームには、以下の点からシンパシーを抱いてきた。

その出自が教職員チームである、という点
山陰という地域から全国に打って出ている、という点

……以上などから、SC鳥取、あるいはその後身のガイナーレ鳥取に近いものがあるのでは?……とかねがね思ってきた。

それは所詮、私の独り合点だ、と言われたらそれまでかもしれない。

しかし、だ。

SC鳥取がJFLに参戦した当初だって、決して順風満帆なシーズンではなく、2年目も降格がちらつく有様を、どうにか乗り切った。
そんなシーズンが積み重なるうちに、Jリーグを目指そう、となって、チーム名が変わり、運営会社も心機一転し、チームの在り方も変わった。
それでもJリーグに参入するには、ちょっと時間を要したが、最終的にはJFLを優勝して卒業した。

この経緯があるので、ポルセイド浜田も、これに近いことが可能なんじゃないか、と思うようになった。

浜田は決して近い街ではないが、でも行く。デッツォーラの試合でも滅多に行ってないのに、ポルセイドの試合では何故か回数をたくさん行っている。この熱意は何だろう。自分にもよくわからない。

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ただ、これはガイナーレ鳥取にも感じていることなのだけど、曰わくはよくわからないけれど、とりあえず惚れてしまったのだろう。
凄まじくうまい選手がいるというわけでも、とんでもなく強いチームでもないけれど、とにかく見ていてひたむきなことは感じる。そこら辺りに、いろいろと持って行かれたのかもしれない。
最初のうちはとんでもないスコアで負けていたけれど、最近は相変わらず結果こそ出ないけれど、ガッカリするほどの大敗も少なくなってきている。
そんな様子を見ていて、徐々にながら進歩はしてるんだろうな、とは思っていて、故にその姿をもっと見たい、とも思う。

恋ってそういうものじゃないか、と、多く恋愛を経験していない私が言うのも説得力に乏しいが、それでも敢えてそういうものだとしか言い様がないのだ。理屈などではない。

何かよくわからないけど、結果が出なくても観に来た人々の前ではいつも全力。その姿勢に感銘してしまったのかもしれない。


本来、ポルセイド浜田には売りがある。

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これは少し前のモデルのユニフォームだが、この胸のところにデカデカと載っているロゴを見れば大凡の察しはつくだろう。

試合前に石見神楽の神楽舞が披露されるのだ。以下、その一部をご紹介してみる。

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こういう神楽社中が試合前に舞う。このリズムがなかなかに血湧き肉躍る感じで、私は好きだ。
昨年と今年はCOVID-19の影響で、この神楽舞のイベントが残念ながら行われていないが、もしイベントが復活するようなら、ぜひ観に来てほしい。この勇壮さを見るだけでも価値はある。

本当はこの神楽舞の勇壮さに鼓舞されて、ホームで勝利を飾る彼らを、何としても見てみたいが、まだその機会は得られていない。

石見神楽自体は、以下のサイトに詳しいのでご参照あれ。


ところで、最近、OWL magazineでもフットサルネタを書く人がチラホラといるので、この際だからと私も引っ張り出してみた。
問題は、このチームが首都圏どころか大都市圏のチームですらなく、ふらりと観戦しに行くには、なかなか大変なチームなのだけど、でもひたむきなことは誰にも引けを取らないだろうと思う。

松江や出雲も良いけど、浜田も捨てがたい魅力を持っている。

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個人的に浜田の産物と言えば、これが好きだ。江木蒲鉾店というところが作っている赤てんだ。

ちなみにこれが、何故「なうなう赤てん」なのか。それは、かつてテレビ朝日で昼ワイドの一つに「なうなうスタジオ」というのをやっていて、そこで紹介されたからだろうと思っている。
この「なうなうスタジオ」をはじめとするテレ朝のこの時間帯の番組は、当時、山陰両県で別々の放送局で同時に放送されていた。信じ難い話だけど事実なのだから仕方がない。

そんなわけで、その番組で名物として紹介されたか何かで、番組にちなんでこういう商品名になったのだろう。それを今でも作っている。
私もたまに食べるがピリ辛でなかなかいける。飲み助には酒のアテにちょうど良いかもしれない。

店で買うも良し、浜田の駅でも売っているので、買ってみても良いかも。

この他にも、地元名産のどんちっちアジに代表されるような魚介の旨さは格別と言えるかもしれない。魚介料理を食べに行くのも良い。


さて、そんなポルセイド浜田が試合をする場所は、島根県立体育館。またの名を竹本正男アリーナという。竹本正男さんというのは、当地浜田出身の体操選手だという。その人物の名前をいただいている。
私はここ以外でこのチームの試合を見たことがない。これだけでも本当に地域密着だろうと思うのだが。

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最近は、このチームを報じるヴァリューを、あまり見出せない人がいるらしく、少々歯がゆい思いをしている。このチームにはもっと注目されるべき点もあるのに。

まあ、確かにあまり、というよりほとんど勝てないし、それ故にチーム自体もパッとしない面はある。
それはチーム自体の責任であるとも言える。そこは甘んじて受け入れて、その上で強くなってほしい。彼らはできるはずだ。
いや、できなければならない。地元・浜田の人々が彼らのことを気にかけてもいるだろう。

「ああ、ポルセイド浜田。勝てないよね?」

確かに今までだとそう言われてお終いだろうが、実際にはそれで済ませて良いはずがない。

田舎チームと卑屈になってはいないか。その先に踏み出してみたいと思わないか。私もだし、応援する人々は皆、強く逞しくなったポルセイド浜田を見たいはずだ。私はこれからも彼らに期待する。

ポルセイド浜田という沼に、何となくハマりつつあるからこそだ。

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