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問題解決あるあるコラム#27:体重計乗るだけダイエットはなぜ乗るだけで痩せる?

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第27回のテーマは、「体重計乗るだけダイエットはなぜ乗るだけで痩せる?」です。皆さんは、体重計乗るだけダイエットご存知ですか? その名の通り、特に意識的に何かをする訳でもなく、ただ毎日体重計に乗るだけで体重が減っていくという魔法のようなダイエット方法です。今回は、ここで起きているメカニズムについて考えていきたいと思います。


なぜ乗るだけで痩せるのか?

最初に言っておきます、「体重計に乗る」という行為そのもので体重が減ることはありません。このダイエット法では「体重計に乗る」という手段が「モニタリング」機能を果たしているのです。この「モニタリング」によって、「行動と結果」の相関関係がみえる化され、最終目標に対して「より好ましい」行動を促すサイクルが生み出されているのです。

体重が見える化されると行動に意味が生まれる

毎日体重計に乗って体重を記録していっても、最初の内は何の変化も生じません。が、ある日ほんのわずか増えたり減ったりする日が出てきます。そうすると、その変化に対して理由を探そうとします。増えたのなら「この間夜中にラーメン食べちゃったからかな?」とか「おやつ食べすぎちゃったかな?」とか、思い当たることがあるはずです。逆に減ったとしたら「ひと駅歩いた効果だ!」とか「食べる量減らしたからかな?」など、こちらも行動と結果の因果関係を考え始めます。

成果が出始めると弾みがつく

このように、行動(インプット)と結果(アウトプット)の因果関係を考え始めると、求める結果に対して行動を変える意思が生まれます。「もっと運動しよう」とか「もう少し食べる量を減らそう」など、より好ましい結果を求めて行動をコントロールしようとします。すると、それがまた結果につながり、どんどん行動することが楽しくなってきます。こうして、結果が出るようになってくると行動は習慣化し、さらに結果がついてきます。ここまで来ると、もう目標達成のためというよりも行動を続けること自体が習慣となり、さらにそこから生まれる次の目標に向かって行動をさらに変化させていきます。

相関と傾向が見えるとやる気が出る

「体重計に乗る」という行動によってアウトプットをみえる化することで、インプットとの相関もみえる化され、毎日継続することで傾向も見えるようになります。このように、行動と結果の相関と傾向が見えるようになると我々人間は、これまでの結果に対する達成感とその先への期待感で、もはや特別な動機づけがなくても勝手に自らモチベーションを生み行動を継続していきます。不思議なことに、これはどんな行動・活動についてもあてはまり、我々の背中を押してくれる強力な原動力になってくれます。

傾向が見えると危険も見える

体重の場合のように、毎日記録をつけていくと推移がひと目で分かる折れ線グラフが生まれます。減少傾向が目て見て確認できると、実際に体重が減ったこと以上に気持ちもあがります。さらにこのグラフを眺めていると、記録をつけていなかったら気が付かない異常に気づくこともできます。例えば、しばらく減少傾向だったのに、一定期間現状維持が続くと最近の行動をふり返ります。運動量が足りなかったのか? はたまた食事の量が多すぎたのか? 自身で因果関係を考え、再び減少傾向を生み出す方法を考え行動に移します。そうしてまた、この行動の結果を観察していきます。このように、傾向をみえる化しておくと、自分で勝手により好ましい方向へと修正を図るようになります。

乗るだけダイエットはSPC

これこそが現場管理で重要視されているSPC(Statistical Process Control)です。目標達成に影響を与える重要な数値を連続的に監視し続けることで、影響因子との相関や結果の傾向をつかみ、異常が検出された際には「素早く修正を行い安定化を図る」ことが目的の工程管理手法です。体重計乗るだけダイエットは「体重」を連続的に監視することで継続する意思を生み、「行動と結果の因果関係」から行動をより好ましい方向へと自然に向かわせ、より効果的に目標達成に近づけることを可能とします。結果が伴うと、より「やる気」が生まれ、ますます良い結果につながるというスパイラルを生み出します。

誰でも出来る行動に落とし込んだエコ戦略

このダイエット方法は、「体重計に乗る」という誰でもできる行動に焦点を当て、あたかも魔法のようなフレーズで「好奇心」を抱かせ、人間の持つ心理特性を巧みに利用することで心理的負荷を最小化した見事な手法です。そして、このしくみはSPCそのものであり、人間の持つ「気づき」と「予測可能な未来に向かおうとする行動力」を原動力にした、外部からの動力を必要としない究極のエコシステムであり、他人の手も煩わせないという、システム運用の管理労力までもダイエットしているのです。

まとめ

「体重計乗るだけダイエット」は、そのフレーズから人々の「好奇心」をくすぐり、「実行する」ハードルを下げ、体重を記録することで傾向を「みえる化」し、「予測可能な未来」を思い描かせることで、自らゴールに向かって行動する「動機を生み出す」という他者の介在を必要としない究極のエコシステムを実現しています。一度このシステムに乗ってしまえば、あとは生み出した結果が自らを律し、行動を継続させるという「自律的継続システム」が動き続けます。ただし、そんな計算され尽くしたシステムでも、大きな敵はシステムが起動するまでに「助走期間」が必要ということです。ここを乗り切るためには、やはり「忍耐力・精神力」が必要なのかもしれません。やはり、くるくる回るものは「動き出すまで」が一番大変なのかもしれません。問題解決も取り掛かるまでが一番大変ですよね。いや、取り掛かった後も大変か(笑)。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「やる気スイッチはどこにある?」です。
次回もお楽しみに!

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