行政書士 松本和博

中小企業の資金調達サポーターとして活動。補助金採択実績6.5億円、全国240社以上の補…

行政書士 松本和博

中小企業の資金調達サポーターとして活動。補助金採択実績6.5億円、全国240社以上の補助金申請を支援。製造業出身。2021年行政書士登録、2023年1月より行政書士法人達栄会を設立し中小企業の資金調達を支援。行政書士/金属熱処理技能者

最近の記事

要約版:2023年 中小企業白書 事業承継

1.休廃業・解散の動向 (1)東京商工リサーチの調査 この調査によると、2022年の休廃業・解散件数は49,625件で、前年比11.8%の増加となりました。 (2) 帝国データバンクの調査 一方、帝国データバンクの調査では、2022年の休廃業・解散件数は53,426件と報告されています。 私は次のデータが特に重要であると考えます。 上記のテーブルからわかることは2014年以降、一貫して過半数の企業が黒字で休廃業・倒産しているという点です。 本来、黒字

    • おわりに

      ここまでものづくり補助金をモデルとして補助金申請に必要な基本的なノウハウと専門家の活用ポイントを紹介させていただきました。 ものづくり補助金の手続きは各募集回で内容が異なります。 本記事をお読みの時にはすでに、制度のマイナーチェンジも想定されますが、基本的に大きな制度変更がなければいつの募集でも通じるノウハウを書いております。 弊所はこれまで全国240社ほどの補助金の申請支援をさせていただきました。 本記事を読んで、さらに補助金について学びたい、自社の取組みに活用でき

      • 10.専門家にお願いしたい業務範囲

        10-1.専門家にお願いしたい業務範囲 ものづくり補助金で専門家を活用する時に確認しておきたいのが業務範囲です。 ものづくり補助金は ●事業計画を作成して公募に応募する手続き ●採択後、経費確定のための交付申請手続き ●中間監査の対応 ●実績報告の対応 ●採択後5年間の事業化状況報告の義務 など、採択後も多くの手続きを行う必要があります。 できれば、依頼する専門家は採択後の手続きも熟知しており、中間監査の立ち合い経験があるのがベストと言えます。 業務範囲が曖昧な専門

        • 9.専門家の選び方

          9-1.専門家の選び方 それぞれの専門家の特徴とポイントを見ていきましょう。 ① 金融機関  金融機関では内部のコンサルティング部門や融資担当者が対応するケースが想定されます。 場合によっては、外部の提携コンサルティング会社を紹介されることもあります。 金融機関にものづくり補助金の依頼をする時の注意点は、事業計画作成のノウハウには優れているものの、加点手続きである経営革新計画や事業継続力強化計画の策定、申請書類の準備や手続きなど細部の手続きについては自社で対応を行

        要約版:2023年 中小企業白書 事業承継

          8.専門家の活用戦略

          8-1.専門家の活用戦略 ものづくり補助金で専門家のサポートを受けた方が良い理由は3つあります。 ① 手続きが複雑である 補助金の申請手続きは複雑です。事業計画を作るだけではなく、必要書類の準備や加点手続きも行う必要があります。 ものづくり補助金を獲得したいのであれば、短期間で準備するよりも加点手続きを含めて準備万端な状態で申請をした方が採択される可能性は高くなります。 ものづくり補助金に精通している専門家を活用すれば、事業計画の準備段階、加点手続き、申請書類の

          8.専門家の活用戦略

          7.補助金申請を検討する上でのポイント

          7-1.補助金申請を検討する上でのポイント 補助金を活かせる経営者の考え方には3つの共通点があります。 共通点① 補助金制度を自分なりに勉強している  補助金を活かせる社長は必ず公募要領を読み込み、そのうえでわからない部分を専門家に質問してきます。 つまり、難しい手続きだからと言って人任せにせずに、会社として補助金を使うという重要な経営判断をする以上は、制度を理解しようとする姿勢は必要です。 共通点② 未来志向の経営 補助金を活用したとしても新たな事業や生産体制を確

          7.補助金申請を検討する上でのポイント

          6.検討における注意事項

          6-1.検討における注意事項 (1)後払い  補助金は採択されてもすぐには受け取ることができません。採択後に「交付決定」を経て発注可能となり、導入する設備等の支払い、「中間監査」、「実績報告」の受理、補助金の請求手続きを行ってようやく支払いを受けられます。 採択後の手続きの詳細は割愛しますが、このように採択されてから補助金の入金まで時間を要することから、自己資金だけで難しい場合は金融機関と事前につなぎ融資についての検討も必要です。 (2)減点措置 ものづくり補助金は減点

          6.検討における注意事項

          5.事業計画例

          5-1 事業計画例 (1)事業計画の策定のポイント  弊所で支援して採択を受けた直近10社を改めて分析すると、「採択される事業計画」を作成する上でのポイントは次の3つが考えられます。 ① 自社の技術的な課題が明確になっている。 ② 補助事業の必要経費が自社の課題解決に最適な支出となっている。 ③ 補助金制度が求める事業内容に事業計画が落とし込めている。 ①、②、③は基本的な内容ですが、この幹となるストーリーをしっかりと展開することが大切です。

          4.補助金申請のノウハウ

          4-1.申請のプロセス 現在、ものづくり補助金をはじめとする経済産業省の予算での補助金は、Jグランツという電子申請システムを利用します。 いつでも応募できるわけではなく、公募期間が定められていて、公募から締め切りまでは約2ヵ月間です。 申請には以下のものを準備する必要があります。 ●事業計画書 ●3年または5年の損益計画 ●「経営革新計画」や「事業継続力強化計画」 などの加点項目の認定証 「経営革新計画」は認定まで2か月~3か月必要で、面談やプレゼンもあ

          4.補助金申請のノウハウ

          3.補助金の制度について

          3-1.ものづくり補助金の制度モデル 本書で補助金の制度モデルとさせていただくのは「ものづくり補助金」(正式名称:ものづくり・商業・サービス革新補助金)です。 ものづくり補助金は、国際競争力向上や新産業創出を促すため、中小企業の技術革新や新サービス開発を支援する補助金です。 「中小ものづくり高度化法」(平成18年法律第33号)などに基づき、経済産業省と中小企業庁が2009(平成21)年度補正予算編成時に創出した制度です。 試作品や新商品の開発、新サービスの導入、設備投

          3.補助金の制度について

          2.補助金を活用するということ(マインドセット)

          2-1.中小企業のこれから 2020年1月、国内で新型コロナウィルスの感染者が初めて確認されました。 ご存じの通り、新型コロナウィルスは国内でも感染拡大を続け、中小企業の事業活動に大きな変化をもたらしました。 新型コロナウィルスだけではありません。国が推進する様々な指針によって、私たちが事業を行う市場全体が常に、新たな変化を続けています。 例えば、顧客ニーズは従来よりも細分化され、多くの顧客の最大公約数的なニーズに対応していた従来のやり方では、これまで通りの収益を上げ

          2.補助金を活用するということ(マインドセット)

          はじめに

          1.はじめに 本記事では、中小企業の経営者に知っていてほしい補助金制度について説明をしています。 補助金制度はこの先の「変化の時代」の経営に、知識として備えておいてほしい経営戦略の1つです。 一方で、知識不足からトラブルに巻き込まれてしまうケースも聞こえてくるようになりました。 そこで本書では、補助金制度の中でも最低限抑えておくべきポイントと専門家の有効的な活用ポイントについてまとめました。 本書を基に補助金制度の知識を身につけていただき、変化の時代に対応できる企業に