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大人の関わりが発達を左右する

僕らが関わる事で、子どもの将来、未来がどう変わっていくのか。



子どもに関わる親や支援者は常に考える必要があると思っています。



本当に少しの考えの積み重ねで、その子の素質は大きく変わってくるものだということを小児領域のリハビリテーションに関わって痛感しているからです。



今回は、子どものことを考えた積み重ねが大事であることをまとめた記事です。



発達には周囲の環境も影響する。

初めにしっかりと理解しておいてほしい所は、子どもの成長にはその子周囲の環境も非常に関わってくるということです。


発達に大事なのは、その子がどんな経験や人とのやりとりをしているかが大事なのです。


その経験から得られたこと、解釈がその子の成長に大きな影響を与えます。



大人たちが子どもとどのように関わったのか。


どのように遊んだのか。


どのようにしつけを行っているか。


それら全てが子どもの運動能力、精神状態を形成していきます。いつも書いているのですが、子どもが成長するためには、大人の関わり方をまずは見直す必要があるのです。


それなのに僕ら大人は、まずは子どもを変えようとすることから始めてしまいます。


習い事や塾にいく、幼稚園の頃から特別な教育法を行う…。そういった環境を与えたくなるのは親が子どもを思っての気持ちだと思います。


しかし、その与えられたものを子どもが楽しめずに無理やりにやっている状態ならあまりいい事はありません。



中には自分ができなかったことを子どもに求めようとする親もいますが、あれは本当にやめたほうがいい。親の期待、プレッシャーが過剰だと子どもを潰すきっかけになると感じています。


このように、親や周囲の大人の関わり一つで子どもはいい方向にも悪い方向にも変化していきます。そのことを大人が理解しておく事が大事だと思うのです。



療育現場で感じた「その子の未来を考える」大事さ

療育現場にでてみると、周囲の大人の関わりの重要さをさらに強く実感します。


療育現場で関わるお子様は、脳性麻痺などの重度の脳機能障害により、自分でなかなか動けない子も多くいます。


自分で動く事ができないため、放っておいてしまうと、身体の左右での力の入り具合の差や関節を動かさないことでの可動域制限が生じてしまうので、身体機能の低下などをおこなさいためには周囲の支援者の積極的な関わりが非常に大事になります。


例えば、自分で動けない子の座る姿勢を保持するための座位保持装具と呼ばれる椅子があります。



この座位保持装具一つにおいても設定次第でその子の発達を促す道具にも、逆に邪魔してしまう道具にもなってしまうのです。


実際僕が関わった子の場合、関わる前の座位保持装具では自身で首を支えられず、常に下をむいてしまっている状態でした。


そのため、首が上に向けるように椅子の角度を調整する事で、前をむいたまま座れるようになりました。


前を見て座れるようになっただけではなく、自分で顔を向くように首を支える事ができるようになってきました。


首がしっかりと支えられる事で、目の前のものに意識を向けられるようになるし、座って前をみる事で立体的に視覚を使う事ができるようになり、認識面も発達していきます。


やった事は顔が前に向けるように椅子の角度を調整しただけです。それだけでも何もしない時と比べるとできることや入ってくる情報には大きな違いが生じてきます。


その積み重ねがあるかないかでその子のできることや認知できることが大きく変わってしまうのです。



正解はないからこそ、考える

子どもの未来を考えるのなら、関わる僕たち大人は何ができるのかを常に考えるべきだと思っています。


1人1人同じ人はいません。時期や日によっても全然違います。
だからこそ、自分が何をできるかを真剣に考えないといけないと思っています。


本当に難しいことだと思いますが、考え続け、行動していく事が子どもの未来を大きく変えるのではないか、と考えています。

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