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赤ちゃんのおくるみ使用する事は問題なのか?

今日、職場でSNSでお包み論争なるものがあると伺って色々な話を聞いていました。


聞いた話をまとめてみると、
・ある整形外科医がおくるみに関しては股関節脱臼が起こりやすくなるので 
 推奨しないとSNSにアップ
・その反応を受け、お包みを販売しているメーカーが販売を停止する事態に
・医師の投稿に対して、民間のセラピストたちが反論。

という流れが起きているみたいです。


この話を聞いて少し興味が出たので、色々調べてみたところ、どっちの意見にも納得するところがあったので、今回は両者の意見を書いた上での僕の私見をまとめてみたいと思います。


使い方次第では股関節に悪影響を及ぼすことも


まずは医師の見解である股関節脱臼のリスクに関して。


そもそもお包みが股関節脱臼の原因になると言われたのは、モンゴル地域で使用されているおくるみと股関節脱臼の関連性を調べたことに起因するそうです。

モンゴルなどの寒冷地では、赤ちゃんが寝ているときに冷えてしまわないように布で赤ちゃんをぐるぐる巻きにする風習があるとのことです。


しかし、しかし解剖学的な視点から考えると、足を伸ばした状態で姿勢を固定することは、赤ちゃんの股関節が抜けやすい状態で固定してしまうことに繋がりかねません。


赤ちゃんの関節は大人ほどきれいにはまっていない状態です。そんな彼らの股関節が安定する姿勢はカエルのように足がM字開脚している状態です。


赤ちゃんの世話をしたことある方ならみたことあると思いますが、よく赤ちゃんが足を開いて寝ている姿勢が自然な姿勢なのです。


おくるみで包む際はその姿勢とまさに逆の方向に足を固定してしまう姿勢になります。そのため、おくるみの長期使用では将来股関節に問題が問題が生じるリスクがあるとの研究結果が発表されています。


またここ日本でも、おくるみの使用率が減ったことで股関節疾患の数が減少したとの報告も上がっているとのことです。


このように、姿勢の問題天からみて、お医者さん達は使用を控えるのがベストではないのかという意見を述べられています。



密着による安心感を得られる


一方、おくるみを推奨しない旨の発言に対しての反対意見としては、「おくるみを使用した時の子どもの寝かしつけがしやすくなる」という意見が多くみられていました。


元々、おくるみを使用する意図としては、赤ちゃんの肌に布を当てて圧迫することで、子宮にいた頃の安心感が得られるため眠りやすくなるという理由があります。


確かに、優しい感覚で体全体を触られると安心感は非常に得られやすくなります。


特に生まれた赤ちゃんは、真っ暗で刺激も少なく落ち着いていたお腹の中から、光や音といった刺激が強すぎる世界に生まれてくるため、刺激に慣れておらず非常に敏感になっている状態です。


一番落ち着くのはお母さんの肌でギュッと包んであげるように抱っこすることですが、ずっと抱っこしておくのは限界がありますし、お母さんがノイローゼになってしまっては元の子もありません。


そのため、肌あたりのいい布で軽く圧迫することで安心感を感じてもらうことは、子どもも眠りにつきやすくなるし、親の負担も減らすことのできる道具として長年愛用されてきた経緯があります。


また近年では、先述した股関節の脱臼予防のために、足が開いている状態で着れるおくるみも開発されています。


安心感を得られるという意味では有用なツールの一つだとは思います。



使い方と使用時期を考える事が大事


ここまで、おくるみ賛成派と反対派の意見を書いていきました。どちらにもしっかりとした言い分があります。

それらを踏まえた上での僕の意見は、「使用しないでいいなら使用しない。使用する際は、使い方や時期を考えて使う」事が大事だと考えています


うちの子たちは、2人とも寝つきよくほとんど夜泣きしなかったため、特におくるみなどの道具は使用しませんでした。なので、全然夜泣きや寝つきが気にならない子は使わないにこした事はないと思います。


また赤ちゃんの寝る環境を整えてみることも大事だと思います。
具体的には、
・夜の電気は光が強すぎないようにする
・赤ちゃんの近くで夜スマホは使わない
・テレビは消す
・布団の硬さは適切か、柔らかすぎないか
などがあげられるかと思います。


寝付きが悪くておくるみを使ってみる場合は、足は窮屈になるまで締め付けるのはNGです。

足よりもお腹周りや肩まわりの圧迫の方が安心感得られやすいので、足は緩めに幕ぐらいにしてください。

先述したように、足を開いた状態で締め付けないタイプのおくるみもあるので、そういったタイプのものを使用するとより安心できると思います。


そしておくるみの使用する時期は、寝返りが始まる前までです。時期にするとおおよそ生後6ヶ月程度までです。

おくるみでカラダを閉めていると寝返りがうまくできません。体の動きを止められて動けない事はストレスに繋がります。また動きを止められてしまうと運動発達にも影響が出てしまうため、使用する際は寝返りが始まる前までにする事が望ましいです。


今回両者の意見をまとめてみて、どちらの言い分もわかるし、使用する事で負担が減り楽になる親御さんもいるのであれば使用する事も大事だと思っています。


ただ、使用する際は赤ちゃんのカラダを傷つけないように使用する事が非常に大事です。


また、おくるみは安眠目的などといった、親と子どもの負担を減らすために使うべきなものです。決して可愛いいから、写真映えするからといった理由でむやみやたらに使うものではないと、僕は考えています。


道具は正しく使う事で効果が得られるし、誤った使い方だとリスクが生じる。その事を踏まえた上で注意して使用する事が大切だと考えています。

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