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発達の正解を求めすぎない

この数日、発達は子どもにだけではなく、人間が生きるために非常に重要であることをnoteの記事にさせてもらっています。


僕たち人間は、自分一人では何もできない赤ちゃんの状態から発達し、自由に動く事ができる様になるのです。赤ちゃんの動きは一見意味のない動作を行なっている様に見えて実は人が動くために必要な要素を学習しているのです。


なんらかの原因で身体の発達がうまくいかない面があると、その動きが上手くいかなくなり、結果痛みや運動能力の低下に繋がるのです。


赤ちゃんの時代はその人の将来に関わるほどに重要な時期になるのです。


しかし、その様に書いてしまうと、「この子のためにも正しい、完璧な発育発達をして欲しい」と考える人も出てくるのではないかと思います。子どもに対して発育発達に効果的な運動や遊び道具をたくさん準備する方もいるかもしれません。


もちろん、発育や発達を親が理解することは、子どものことをより深く知ろうとすることにつながる事ですので、僕は多くの親に知って欲しいなとは思っています。


しかし、子どもを愛する想いが強すぎて、何がなんでも「正しい発達」を求めすぎるのは親と子ども両方に良くないとも考えています。


正しい、正解の発達はない

結論から言ってしまうと、完全に正しい発達というのはないですし、正しさを追求するがあまり親が子どもに運動に強要しても、いい結果は出ないと考えています。



そもそも正しい発達というものは存在するのでしょうか?発達に関する教科書を見てみると、大体何ヶ月ごろにこの様な動作が始まり、この様な動作ができる様になると記載されています。


記載はされているのですが、ここで考えて欲しいのは、教科書に書いてある様に動きを発達させる赤ちゃんはどれほどいるかという事です。


例えば寝返り動作を例にあげるのですが、教科書では大体5〜6ヶ月頃に動作ができる様になると言われています。


しかし実際蓋を開けてみると、6、7ヶ月経ってもできない子もいるし、逆に4ヶ月頃にはできる様になっている子もいます。さらに寝返りの動作の仕方も人それぞれです。教科書では両手足を捕まえて横にゴロンとなるのが寝返りの始まりだと記載されています。しかし実際のところ、その様な偶然の寝返りをする前に手を伸ばした時に寝返りしたり、頭で床を押しながら寝返りしたりと、様々なパターンで寝返りを行なってきます。


ではそれが全て間違っているかと言われるとそういうわけではありません。運動の学習の過程では、色々な動作を体験する事で効率の良い動き方を学習していきます。赤ちゃんも色々な動き方を試して、無意識の中から動きやすい動作を学習しているのです。なので一見発達から外れている様な動きでも、その子の中ではなんらかの学習が進んでいるかもしれないのです。


この様に発育発達は、色々な動きが混ざっているため、純粋に教科書に書いてある動作が絶対に正しいわけではないのです。


この様に、色々な動作を経験する事が重要になるため、正しい動作というのはありません。一見するとうまくできていない事でも、発達の観点では次につながる経験の一つになるのです。


大人は手本を見せられているか

大人はその事をしっかりと理解した上で子どもと接する必要があります。大人が正しいと思った事を子どもに押し付けてしまうと、良かれと思った行動でもその子の発達や自発性を逆に抑制してしまう恐れがあるのです。


そもそも正常に発達して欲しいと思っているのなら、大人は子どもにお手本をしっかりと見せているでしょうか。


子どもは僕らが思っている以上に大人のことを見ています。僕ら大人が自分の身体を整えて身体をうまく使えていなければ、子どもはその親のいうことを聞こうと思うでしょうか。


まずは僕ら大人も一緒に動いたりしながら手本になってあげるべきだと思うのです。そうやって動いていると、自分の身体でもうまくできないところが出てきます。大人である僕らも発達し切れていないところはたくさんあるのです。


大人がしっかりと体感することで、子どもに発達遊びの大事さが伝えられると思うし、子どもにも楽しさやお手本を見せる事ができる様になると考えています。


僕ら大人はどうしても正しいもの、正解のものを求めてしまう傾向が強くあります。そしてそれを自分の子どもに強要してしまう。


良かれと思ってした事でも、強要したものはその子のためにはなりません。子どもと一緒に楽しみながら、できる様になった事があれば一緒に喜ぶ。完璧な正解を求めず、楽しみながら運動を行う事が大事だと考えています。

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